2025年1月7日

他人の写真だけじゃない。SNSで自分の写真を公開されてしまった場合の対処法

こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。

楽しかったはずのイベント後、SNSを見てギョッ! 自分の写真が無断でアップされ、「え、これ載せたの誰!?」とモヤモヤしたことはありませんか?

他人の写真を勝手に投稿するのはもちろん問題ですが、自分が“被写体”になってしまうことも、誰にでも起こりうるトラブルです。下記記事ではSNSで自分の写真が無断公開されてしまったときの対処法や、トラブルを未然に防ぐための工夫を弁護士の方に監修いただき、わかりやすく解説します。

他人の写真だけじゃない。SNSで自分の写真を公開されてしまった場合の対処法

カメラ付きのスマートフォンや、さまざまなSNSが普及したことに伴い、あらゆる場面において写真撮影をしてはアップロードする機会も少なくありません。その中でも特に、人が集まっている場所で撮影をした写真には、その場に居合わせた知らない人が写り込んでいることもあるでしょう。しかし、他人の写真を勝手にアップロードして公開することは、肖像権の侵害に該当する場合があります。具体的なケースと合わせて、万が一自分の写真を載せられてしまったときの対処法を紹介します。

肖像権侵害になるケースと写り込んでしまった写真を公開するときの注意点

まず前提として肖像権とは、個人が「むやみに撮影されない」「撮影されたものを公開されない」という2点に基づく権利のことです。例えば、街ですれ違った人を許可を取ることなく撮影し、勝手に撮影した写真を公開する場合などが肖像権の侵害の典型です。

有名人の肖像には経済的価値(顧客誘引力)があるとみなされることも多く、パブリシティ権が認められることがあります。そのため、例えば店舗を経営をする人が、来店した有名人を撮影して、顧客を誘引することを目的に許可なくSNS等へアップロードをした場合には、パブリシティ権の侵害にあたることがあります。

また、列車の遅延などによって駅が混雑している様子がSNSにアップされているのをよく見かけますが、駅という公共の場所であることからすれば、個人が特定できる態様で写り込んでいたとしても、肖像権の侵害として認められることはまれでしょう。

一方で、自分の子どもの写真を掲載する際に、無断で一緒に写っている友達も合わせてそのままSNSなどに掲載してしまうケースなどは、肖像権の侵害だとするトラブルの例として挙げられるでしょう。

肖像権の侵害は基本的に、撮影された場所、撮影内容、撮影者の意向、その撮影の必要性などさまざまな観点から総合的に判断されるものです。

個人が特定できるような内容で、許可をとっていないのに、SNSなど拡がりやすい媒体に掲載されているようなケースでは、肖像権の侵害が認められる可能性があります。

一方で本人の許可を得ていたり、個人が特定できないような撮影内容のものであれば、肖像権の侵害とは言えません。

そのため、SNSに掲載したい写真の中に、他人が写り込んでしまっていたような場合には、ぼかしなどを入れて個人が特定できないように対策するのがおすすめです。

許可していないのにSNSで自分の写真を公開されてしまったときの対処法

もしも許可していない自分の写真が掲載されてしまっていたときには、まず投稿者に対して削除を要請しましょう。

投稿者が友人や知人であれば、連絡を取ることで早期に解決できるかもしれませんが、SNSに掲載したはずの写真が第三者によって、別のブログや掲示板などに転載されてしまうことで、投稿者がわからなくなってしまうケースもあります。

そのような場合には、サイトの運営者に対して問い合わせフォームなどを活用し、削除申請を行うことになります。ただし、削除の可否判断はサイトの管理者に委ねられるため、削除してもらえない場合には法的な処置を取ることも検討します。

また、肖像権の侵害は民法上の不法行為にあたるため、慰謝料等の損害賠償を請求することも考えられます。

誰が掲載したかわからない場合には、投稿者を特定するために発信者情報の開示請求を行う必要があるでしょう。

ただし、損害賠償請求のための訴訟や、投稿者の情報開示請求をスムーズに行うためには、専門的な知識が必要になるだけでなく、膨大な労力もかかります。

そのため、弁護士へ相談をして状況ごとに必要な助言を受けたり、対応をしてもらうことが望ましいでしょう。

記事監修

さいたまシティ法律事務所

弁護士  荒生祐樹

※この記事は2022年に監修いただいたものです。

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