2025年2月7日

私のInstagram投稿が勝手に転用された!よくあるSNSトラブル対処法

こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。

「え、ちょっと待って…これ私の投稿じゃない?」友人からのDMで知った“勝手な転載”。Instagramにアップした写真や文章が、知らぬ間に他人のアカウントや広告に使われていた。SNS時代のいま、誰にでも起こりうるこのトラブル。放っておくと悪用されるリスクもあります。下記記事では、実際によくある事例と、すぐにできる対処法を弁護士の方に監修いただきわかりやすく紹介します。自分の投稿は自分で守る、そのための知識を身につけておきましょう!

私のInstagram投稿が勝手に転用された!よくあるSNSトラブル対処法

SNSの普及に伴い、Instagramなどに画像を投稿する機会がある方も多いのではないでしょうか。

一方で、自分が投稿した画像が勝手に転用されてしまうというトラブルが増加しています。

実はInstagramに投稿されている画像や文章なども、著作権法上の保護の対象となる著作物にあたる可能性があります。

つまり、投稿の第三者による転用は著作権侵害となり得るため、トラブルの対処法について知っておく必要があります。

SNSに投稿した画像等が第三者によって無断で転用されていたときの対処法

自分がSNSに投稿した画像などが転用されていたときには、まず運営元に対して、SNS上の投稿により権利が侵害されている旨の「報告」を行います。

例えば、Instagramにおける報告の手順は以下の通りです。

不正防止のため、基本的な情報入力を求められますが、情報を正しく入力し、Instagramの運営元が削除すべきと判断すれば、削除されます。     

運営元に対して「報告」をしても削除に応じてもらえない場合は、法的措置が可能かどうかについて、弁護士へ相談することを検討するとよいでしょう。

SNSの利用規約では、第三者の知的財産権(著作権や商標権)を侵害する行為が禁止されています。

報告を行う際には、自身の投稿が著作物といえるのか、実際に第三者の投稿が自身の著作権等の権利を侵害しているといえるのか等について、ヘルプセンター等の記載なども踏まえて十分な検討をしてから、報告をするようにしましょう。

著作権の侵害が発生した場合、民事上の救済手段としては、侵害行為の停止や予防を請求する「侵害行為の差し止め請求」(著作権法112条1項)や、侵害行為によって被った損害の賠償を請求する「損害賠償の請求」(民法709条)が可能です。

また、侵害者が侵害行為によって得た利益を返還するように求める「不当利得返還請求」(民法703条)、著作権を侵害した事実や経緯について公表し、訂正をするように求める「名誉回復措置請求」(著作権法115条)が可能です。

さらに、著作権法において著作権侵害行為には罰則が定められており、10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金とされています。

一度の無断転用で投稿者が刑事処罰される可能性は低いですが、侵害行為が著しく悪質な場合には、逮捕される場合や、刑罰が科される場合があります。

自身の著作物が無断で転用されていることを発見した場合には、必要に応じて弁護士へ相談をすると良いでしょう。

SNS投稿の転用による著作権侵害においてよくみられるケースとその対処法

第三者によるSNS投稿の転用には、さまざまなケースが見受けられます。

最も多いのが、他者の投稿の転用であるにもかかわらず、あたかも自分の投稿であるかのように投稿されているケースです。

転用された投稿の内容にもよりますが、投稿が著作物である場合には、転用者に対し、民事上の責任を追求することが可能です。

このような場合、まずは、先述のとおり、SNSの運営元に対して、投稿によって権利侵害がされていることの「報告」をするとよいでしょう。

そのほか、Webメディアやサイトに自分の投稿を勝手に使われてしまったというケースも見受けられます。

近年、SNSなどネット上で話題になったコンテンツを集約するバイラルメディアと呼ばれる媒体が増えており、大手企業も参入しています。

しかし、バイラルメディアにおけるコンテンツの引用については、著作権の侵害を巡り、問題視がされています。

著作権法上、他者の著作物を著作者に無断で転用する場合であっても、それが「引用」に該当するのであれば、著作権侵害とはならないとされています。

しかし、バイラルメディアは、他のWebメディアで掲載されていた多量のコンテンツを集約し、いわばそれを「主」とする態様で利用している場合が多く、その他利用方法等を考慮したときに、「引用」に該当せず著作権侵害であると判断されるものも多く存在すると考えられるのです。

もし、自身のSNS投稿が無断でメディアに使用されていた場合、そのメディアに対し、著作権が侵害されている旨申し立てることを検討するとよいでしょう。

申し立ての方法はメディアによって異なりますが、問い合わせフォームなどからコンタクトを取ることができることがあります。

さらに、自身の投稿が誹謗中傷と合わせて転用されていたケースでは、著作権侵害の問題とは別に、名誉毀損にあたる可能性があります。

このような場合、投稿されているメディアやSNSの運営元に対して削除申請を行い、極力被害が拡大しないよう早急に対処することが重要です。

また、必要に応じて、そのような投稿をした人物に対して、損害賠償責任を追求することも検討するとよいでしょう。

事前に無断転用などを防ぐためには、投稿する画像に自身のロゴを透かしで入れたり、投稿文面に無断転載・転用を禁止する旨の文言を記載したりすることも重要です。

また、画像検索サービスを活用して、転用されている投稿の早期発見に役立てることも可能です。

自身の著作権が侵害されてしまうことのないよう、あらかじめ対策をしておきましょう。

 

記事監修

石井法律事務所

弁護士 稲垣 司

※この記事は2022年に監修いただいたものです。

 

    • ブログ