2025年3月28日

急増する子どもの「ネット依存」。うちの子どもは大丈夫?

こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。

近年、子どものネット依存が深刻化しています。国立成育医療研究センターの調査では、2023年時点で小学生から高校生の約5人に1人がネット依存の疑いがあると報告されています 。また、NTTドコモ モバイル社会研究所の調査によると、中学生のネット利用終了時間は平均午後10時25分で、4年間で26分遅くなっています 。このような状況を受け、毎日新聞の世論調査では、子どものSNS利用に対して「何らかの規制が必要」と答えた人が52%に上りました。 子どもたちの健全な成長のため、家庭でのルール作りや適切なサポートが求められています。

 

急増する子どもの「ネット依存」。うちの子どもは大丈夫?

ここ数年で、ネットやゲームの利用に関する相談が増えています。

自分が子どもの頃に、ネットがあったらきっと依存していたと思う方も多いのではないでしょうか。

一方で、ネットは生活に欠かせないものになってきているので、一切使わないというのも

難しいのが現状です。そもそも、何が問題なのでしょうか。

 

ネット依存の予防教育が専門の国際医療福祉大学の鶴田先生に、現代に生きる子どもたちとネット依存について聞いてみました。

 

Q. 小学生の段階でのネット依存が、子どもの成長にもたらす影響はどのようなものですか?

 

A.書籍やメディア等でも様々な悪影響が指摘されておりますが、その中でも私は 特に「身体の発達への影響」を懸念しています。一部身体を動かすゲームもありますが、基本的にネットやゲームは身体を動かしません。身体を動かさなければ運動不足になり、当然身体の機能や運動能力の低下などにつながってしまいます。また、子どもたちの身体の成長に大きな影響を与える成長ホルモンは、睡眠中に盛んに分泌されるため、夜遅くまでネットを利用して睡眠不足にならないよう気をつけたいものです。

睡眠は健康の基本です。

ネットに溺れるのではなく、適度に運動もしながら、上手に使いこなしたいものですね。

子どもが四六時中携帯やタブレットを手放さない!?

トイレの時の食事の時も、寝る前もずっと携帯やタブレットをみている方もいるのではないでしょうか。あまりにずっと使っていると、新たな心配ごとが増えてきます。

それは子どもの将来です。

そこでもう一つ、鶴田先生に聞いてみました。

Q.子どもがネットをやめられないことで昼夜逆転したり、食欲をなくしたり、無気力になってしまったりして、将来の引きこもりなどの事態を想像してしまいます。ネット依存と子どもの将来をどのように捉えればよいでしょうか?

 

A.保護者の方がご心配になられるのは当然のことと思います。ただ一方で、インターネットは日常生活に欠かすことができないものですし、学校でも端末を活用した授業が増えてきています。おそらく子どもたちは生涯にわたって利用していくものになります。

まだ国内外においても研究知見が蓄積されている段階ではありますが、ネット依存になりにくい人の特徴の例として、家庭や親子関係の視点を挙げてみると、子どもたちが家庭が楽しい、居心地が良い、安心できると感じている、また親子関係が良い、親子でしっかりコミュニケーションをとることができている、などが挙げられます。子どもたちが日常生活で心が満たされていたり、打ち込めるものがあると依存に陥りにくいといわれています。そのため、日ごろから子どもたちが安心できる親子関係づくり、家庭の雰囲気づくりを心掛けてください。そして、子どもたちの良いところをしっかり褒め、認め、長所や得意な部分を伸ばしてあげるような子育てをしていただきつつ、家族皆でネット依存にならないよう定期的に使い方を見直す取り組みをしていただければ、将来依存してしまうリスクはかなり減ると考えます。

子どもたちがネットやゲーム以外の活動をどれほど体験できるか、が大切です。

子供だけではなく、家族皆で毎日の使用記録をつけてみる、ルールを貼りだしてみるなど、いくつかの段階を経ながら、ネットとの付き合い方、コミュニケーションについて子どもたちが自ら考える機会として、一緒に話し合っていきたいですね。

 

監修 国際医療福祉大学 鶴田利郎

※この記事は2024年に監修いただいたものです。

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