2019年7月2日

いじめ対策には教員の勤務時間の効率化が急務

日本の教員の勤務時間は世界最長

2019年6月19日付の日経新聞で下記の記事が掲載された。
日経新聞「教員の仕事時間、小中とも最長 OECD調査

経済協力開発機構(OECD)が2018年に48カ国・地域の小中学校段階の教員を対象に行った「国際教員指導環境調査」(TALIS)の調査の結果によると、日本の教員の勤務時間は48カ国中最長だということが明らかになった。

一週間の勤務時間は小学校で54時間、中学校56時間。通常の会社員で残業が無い場合一週間で40時間なので、教員の勤務時間の長さは異様とも取れる。

内容は事務作業に割かれる時間が多く、その一つに教育委員会からの「いじめに関するアンケート」への対応もあるようだ。また中学教員では課外活動に充てられる時間が他国に比べて大幅に多い。

働き方改革が難しい教育現場

昨今の働き方改革で、民間企業はテレワーク環境の向上もありスピード感を持って進んでいるが、教育現場の改革は難しいことが分かる。

先生達がこのような環境にいる中で、もし「いじめ」が起きた時、先生は時間的にも精神的にもそれに向き合える余裕を持つことができるのだろうか。

二人の小さい子どもを育てる筆者としては、一日子どもの命を守り無事に過ごすだけでも緊張感と隣り合わせで、子どもの心と声にしっかり向き合うには、向き合う側の心にその余裕が無いと非常に厳しものがあると感じている。先生も大量の事務作業に追われながら教壇に立ち一人一人の心に向き合っていくのは心も体も疲弊してしまうだろう。


「プロに任せる」で教員の負担軽減を目指す動き

そんな中、先日渋谷区のIT企業4社が渋谷区の小中学校でのプログラミング教育に向けた教材の提供、講師派遣、教員研修などに取り組むことが発表された。教員の事務作業の中でも、新しく始める授業の教材や、ICT端末の準備などは大きな負担となっていた為、専門的な分野は準備から授業まで一貫してプロに任せることで教員の負担にもつながり、子ども達もより専門的な学びを受けることが可能になる。
[参考]サイバーなど5社と渋谷区、プログラミング教育支援で協力

また、千葉市は教員の負担軽減や維持管理費削減を目的に、市立小学校の水泳の授業を民間に委託するモデル事業を6月から開始した。バスでプールに移動し、屋内プールでインストラクターによる授業が行われる。学校内でのプールの場合、安全管理の為に担任以外にも監視役の先生が一人必要となるが、民間に委託することで引率は一人だけで他の教員は学校で授業準備に取り組めるそうだ。これらの取り組みは千葉市以外でもすでに広まっている。
[参考]
民間プール使い水泳授業 教員の負担、維持費削減 千葉市2小学校で効果検証

各分野のプロである民間企業が教育現場に参入することで、先生の負担が軽減され、子どもは専門的な学びにより、意欲的に授業に参加することが出来れば、双方にとって大きなプラスになるだろう。

これまで閉ざされていた「教育」という現場に、「働き方」や「教え方」という切り口で「民間」が入ることにより、まずは先生が心身ともに健康に子ども達と向き合える環境が整い、「いじめ」に繋がる小さな芽を予防する動きが広がることを期待したい。

執筆者:マモル広報 榎原望美

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