2026年1月15日

「職場でいじめられた」その言葉の重さを、私たちはもっと真剣に受け止めるべきだと思う

こんにちは。株式会社マモル 代表の くまゆうこ です。

昨年12月、静岡県三島市の工場で、元従業員の男が刃物を使い、15人もの従業員が重軽傷を負うという、非常に痛ましい事件が起きました。
報道によれば、容疑者は「職場でいじめられた」という趣旨の供述をしているといいます。

もちろん、どんな理由があろうと、暴力は決して許されるものではありません。
今回の事件は、被害に遭われた方々の心身に計り知れない傷を残し、社会に大きな衝撃を与えました。

そのうえで、私はハラスメント対策に携わる立場として、どうしても考えずにはいられないことがあります。

それは、「職場でいじめられている」という声が、どれほど真剣に受け止められてきたのか、という点です。

職場いじめは「気のせい」でも「甘え」でもない

職場いじめやパワハラの相談を受けていると、
「本人の受け取り方の問題では?」
「そこまで大げさにすることではない」
と、周囲が無意識のうちに矮小化してしまうケースを多く目にします。

しかし、いじめを受けている本人にとって、職場は逃げ場のない空間です。
生活の基盤である仕事の場で、人格を否定され続けることは、心を確実に追い詰めていきます。

怒り、絶望、孤立感。
それらが積み重なったとき、人は必ずしも理性的な選択ができるとは限りません。

「声を上げる前」に、すでに限界を超えている人もいる

今回の事件でも、容疑者は元従業員でした。
つまり、職場を離れた後も、心の中の整理がつかないまま、強い感情を抱え続けていた可能性があります。

職場いじめの怖さは、表に出にくいことです。
被害者は「相談しても無駄だろう」「余計に悪化するかもしれない」と感じ、沈黙を選びがちです。

企業が「問題が起きていない」と思っている職場ほど、実は水面下で深刻なストレスが蓄積していることがあります。

ハラスメント対策は「企業を守る」ためでもある

ハラスメント対策というと、「従業員を守るためのもの」と思われがちですが、
同時にそれは企業自身を守るためのリスクマネジメントでもあります。

・誰にも相談できない環境
・内部で声を吸い上げる仕組みがない
・問題が起きてから初めて動く体制

こうした状態を放置することは、結果として取り返しのつかない事態につながる可能性があります。

「何も起きていない今」こそ、向き合うべき

大きな事件が起きた後に、「もっと早く気づいていれば」と言うのは簡単です。
しかし本当に大切なのは、何も起きていない今の段階で、職場の空気に目を向けることだと私は思います。

誰かが黙って耐えていないか。
「いじめられている」と感じている人が、一人で抱え込んでいないか。

職場いじめは、放置すれば必ず形を変えて噴き出します。
今回の事件を、ただの「異常な個人の犯行」で終わらせてはいけない。
そう強く感じています。

株式会社マモルは、これからも「起きてから」ではなく「起きる前」に向き合うための仕組みづくりを通して、企業と働く人の双方を守る取り組みを続けていきます。

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