2019年5月18日

ソーシャルワークと子どもの権利条約勉強会

今回は、4月に開催された第1回「SW(ソーシャルワーカー)と子どもの権利条約勉強会」についてお話します。

わたしがいじめに関連して、子どもの権利についてもっと深く学びたいと思っていたところ、「SWと子どもの権利条約勉強会」発起人の藤沢先生に声をかけて頂き、運営委員を行うこととなりました。

この勉強会では、日本の子ども家庭福祉の問題(例えば虐待など)や教育の問題がなかなか解決しない原因を見極め、様々な分野の関係者をつないで、チームやネットワークの力で解決できないか、といったことを話し合っています。

家庭福祉の現場ではソーシャルワーカー同士の連携は少なく、協力し合うための制度も整っていません。この問題をわかりやすく説明するため、高齢者福祉(介護)の分野と比べてみますね。

介護の分野もまだまだ問題はあるわけですが、少なくとも介護保険法ができ、要介護の高齢者が制度を利用できるようケアマネージャーがいます。介護保険制度に基づいてマネジメントを行うのがケアマネージャーです。ケアマネージャーは、介護サービスが必要な人とサービスの事業者をつなぐ、いわば調整薬であり、ケアプランの作成なども行います。

この「マネジメント」をする人が、家庭福祉のソーシャルワーカーにはいません。つまり、家庭福祉の問題を抱える人と、ソーシャルワーカーをつなげ、どのようなサポートを行えばベストなのか、マネジメントを専門とする立場の人がいないのです。(勉強会HP 勉強会趣旨から引用)

特に家庭問題の中でも「子どもの福祉」に関わることは、現実的に対処する方法や制度は整っていません。人材も不足しています。現に子どもへの虐待は増え続けているのに、子ども家庭福祉分野のソーシャルワーカーはごくわずかしかいません。専門のソーシャルワーカーの養成や、どう家庭に配置していくのか、問題は山積みの状態です。また、子どもの権利条約についても「そういうものがある」のは知っていても、内容をきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。勉強会では、これについて活発な議論が行われました。

子ども家庭福祉分野の改善は、改善というよりも「ないものを作る作業」になるでしょう。〝0から1へ〟と人々の意識を変え、これまでなかった法制度を作るという大変な作業が必要になります。そのために、自分たちでしっかり勉強し、理論と技術を身につけ、お互いに情報交換をすることが大切というわけで、この勉強会が開催されたわけです。

子どもの権利条約については、わたしもある程度の認識は持っています。子どものありのままを受け止め、励まし、勇気づける子育てをし、子どもへの暴力をなくす。暴力や支配による子育てをなくし、子どもの人格を尊重し、共に成長する。

当たり前のようなことですが、これができずに虐待という最もひどいケースが増えているのです。

今回、この勉強会に参加し、わたし自身も皆さんの意見を聞き、発言することで、より深く子どもを取り巻く環境について考えることができました。ひとりで活動をしていると、どうしても「幅広く物事を捉える」ことができなくなります。勉強会に参加することで、子どもの権利条約について、また、自分の考え方についても問い直すいい機会になりました。

私はソーシャルワーカーではありませんが、立場は違うものの「子どもの権利」「子どもを取り巻く環境」「子どものいる家庭福祉」は、いじめの問題とも関わりがあり、こうして繋がりが増えていくことに大きな意義を感じました。と、同時に、違う分野であっても繋がりが増えていくことで、学ぶことも多く、それぞれの力を合わせていけば、より大きな力で子どもを取り巻く環境を改善することにつながるのでは、と期待感もわいてきました。

今回は1回目でもあり、わたしも少々緊張もし、議論に夢中になってしまいましたが、次回からはさらに詳しく内容をレポートし、皆さんと共有できればいいなと思っています。

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