2019年9月9日

ネットいじめと東京都中野区葬式ごっこ事件について

9月になり新学期が始まりました。

子どもは長い休みの後、不登校になったり、学校に行きたくない気持ちとの折り合いがつかず不安定になったり、また、いじめられている子にとっては、恐怖さえ感じる時です。その為、9月の新学期を前にして、夏休みの間、特に8月は、いじめや不登校についてのセミナーやイベントが多くあります。

いくつか私が参加した中で、今回ピックアップしたいのは、港区人権センターであった「尾木直樹先生の講演」です。こちらはその後、被害者遺族の方の講演もありました。

尾木先生は、特に「いじめをいじめと認めない教育委員会や大人の対応」についてお話しをされていました。

東京都葛飾区のいじめ事件について

例えば、東京都葛飾区で起きた事件について、第三者委員会の弁護士が「社会通念上、いじめではない」といったことについて、これは間違った発言だといった内容。また、岐阜で起きた事件も、「いじめられた子は自殺したのに、いじめはなかったと、なんで言えるのか」と怒りをまじえてお話しになっていました。

神奈川での事件では、150万円ものお金を恐喝されていたのに、「おごっていただけ」という教育委員会の発表があったそうです。ひとりの子どもが150万ものお金を使い「友達におごっていただけ、ご馳走していただけ」・・・おごらなくてはならないような事情や背景について、もっと深く掘り下げていかなくては「いじめの実態」がわかるわけがないのに、おごっていただけ、とは、この話もにわかには信じがたいほど、教育委員会の対応に関しては疑問を感じます。

こうした辛い、非常に苦しいイジメの事例があいかわらず実際に身近に起きているというのに、教育委員会や学校の対応があまりにお粗末すぎるということです。

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尾木先生は、いじめは学校で起きている、学校の現象であり、学校に責任があるというお話しでしたが、それは一理あると同時に、私自身は少し違う感覚も持っています。

私の個人的な意見ですが、学校が悪いというか、意図的に先生が隠していたり、いじめの対応を避けているというよりも、どうしていいかわからなかったり、組織的に対応することができない状況なのではないかと思っています。

会社だって、ひとりで大きな問題に対応するのは難しいわけです。先生ひとりの努力では、いじめの問題に立ち向かえません。学校という場を通して、子ども達のいじめの問題に取り組むには、先生ひとりが対応するのではなく、保護者はもちろんですが、学校という組織、あるいは教育委員会も含めた「学校という社会組織全体」で、スクラムを組むように対応する必要があると思います。

また、学校と家庭がきちんと情報の共有をできていることも大切だと感じます。セミナーでは、遺族の方の声として「こちらから学校へ報告はできる、している。でも学校から情報をもらうことはできない」というのがありましたが、確かにその通りで、学校も家庭もそれぞれきちんと意思の疎通ができ、意見を伝えることができ、情報を共有することによって、いじめへの対応が少しでも改善されるのではないか、と考えます。

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尾木先生のおっしゃる通り、学校に問題があるのは事実で、その辺も含めて、教育現場の改善がポイントだと私は思っています。今後も現場の調査を進めながら、マモルに反映させていきたいと思っています。

いずれにしても、9月の新学期がスタートしました。この学期は期間も長いですし、様々な学校行事もあり、いろいろな意味で「いじめ」の問題が浮上してきやすい時期です。子ども達のSOSを見逃すことがないよう、親だけでなく、先生だけでなく、学校という組織、地域、関わる全ての人々が関心をもって、いじめに対応していけたらと願うばかりです。

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この番組は、「子育て」をテーマに、子育て中のパパ&ママや教育に関わる全ての方に向けて、初耳な学びをお届けする番組です。 いじめ予防のスペシャリストである「くまゆうこ」と共に、新しい子育てとその多様性について考えていきましょう。
ゲスト一覧
9月:性教育トイレットペーパー Sowledge代表 鶴田七瀬さん
10月:NewsPicks発 母親をアップデート なつみっくす・バーディーさん 11月:教育漫才で、子どもたちが変わる 埼玉県小学校 田畑校長
12月:ワーママメディア「LAXIC」編集長・駐在コミュニティヒメママ
鎌田薫さん

 

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