2019年12月1日

【まとめリポート】 海外のいじめ対策

いじめは日本だけのものではありません。海外でもいじめはあります。
海外で効果があると言われているものを日本に取り入れれば
効果を発揮するのでしょうか。文化や人口も違うのですべてが日本でうまくいくとは思いませんが、どんなものがあるかを知ることは有益だと
思います。

ノルウェー オルヴェーズいじめ防止プログラム

ノルウエー


1983年ノルウェーの教育学者であるベルゲン大学のオルウェーズ教授が作成したいじめの実態調査が全国的に行われ、さらにいじめ防止プログラムへと発展しました。

フィンランド  KIVAプログラム

フィンランド

フ ィ ン ラ ン ド政府支援のもと、Salimivalli(サルミバリ)が開発。2006年から2009年にかけて全国の小中学校に実験参加を呼びかけ、いじめの抑止に一定の成果を得て2009年から全国の約1500校で実施されているようです。
内容はDVD等の映像を使うもので3部構成になっています。

■予防医学における1次予防(健康増進・体力づくりや予防接種)
KIVA プログラム授業と呼ばれる「いじめ抑止授業」とコンピュータゲームの
形式のゲーム感覚で「いじめをする損失」や「いじめを傍観する損失」を体感し、逆に「傍観せずに介入すること」で利得が得られることを体感させようとします。
■2次予防(早期発見による重症化の予防)
いじめの発見に着目し、従来は教師と児童生徒が全く関わらなかった「休み時間」に教師が交代で黄色いベストを着用して校庭の隅々を動き回りその発見に努めるという形
■3次予防(リハビリテーション等の再適応の困難の予防や再発予防)
いじめ自体に関与した児童生徒だけでなく,必ずその保護者を含めて教師、
スクールソーシャルワーカーを中心に介入支援を行い
加害者に対するソーシャルトレーニングや保護者同席での今後いじめを行わないという「契約書」作成。
スクールカウンセラーや外部機関との連携がプログラム化されています。

 

このKIVAプログラムは、日本では東京大学大学院教育学研究科健康教育学分野の佐々木教授が研究しています。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adr/5/1/5_31/_pdf/-char/ja
また世田谷区の公立小学校・中学校では今年からKIVAプログラムの考え方と取り入れています。その取組については、2019年8月頃、世田谷区教育委員会にヒアリングさせて頂きました。


オーストラリア ピース・パック

オーストラリア

ピースメソッドは生徒のストレスの要因となる人間関係や環境に焦点を当て、友人との関わりの場を教育活動全体の中で位置づけストレスを減少させることによっていじめを防止することを狙いとしています。


プログラムの企画は、校長、教頭、教務主任、生徒指導主事、研究主任、学年主任、養護教諭、スクールカウンセラー等の教職員のほか
保護者代表や生徒代表も含め、「ピースメソッド委員会」を組織して行っています(2ヶ月に1回)。

P.E.A.C.E.という5段階のステップで、子どもの課題について教職員の共通認識をつくりだし、共通の目標設定をして、計画的・継続的に子どもに働きかけていくものです。取り組みは1年以上になります。
「ピース」とは、準備(Preparation)、教育(Education)、行動(Action)、対処(Coping)、評価(Evaluation)の5段階の頭文字をとったもの。

平成9年に国立教育研究所がピースパックの日本版の開発のため研究開発校を募集していて、茨城県竜ヶ崎市の中根台中学校が実験校となって開発されました。
その後、大分県別府市の鶴見台中学校、新潟県小千谷市の小千谷中学校などでも取り組まれ、平成11年度に新潟県教育委員会では
このピース・メソッドに基づく「いじめ防止学習プログラム」を作成し、平成12年度には全県下の小中学校で取り組めるよう普及を図っていましたが、現在の状況については不明です。こちらは追って調査してみます。

また滝先生によるとピースメソッドは、
“5枚の厚紙でできた、わずか10ページのシートである。それに28ページの小冊子が付いたこのパッケージは、学校現場の使用を前提としていることから、必要最小限の事柄が網羅されていながら、コンパクトなものになっている”との事です。
https://www.nier.go.jp/kankou_kouhou/109taki.htm


ピア・サポート

カナダ、オーストラリア、イギリスなどの海外では有名な方法です。
海外を参考に、日本の学校や子どもの状況に合わせています。
「日本のピア・サポート・プログラム」は、体験的なトレーニングと「お世話をする」活動の二つを組み合わせたプログラムによって、子ども同士が互いに支え合い育ち合う場を学校につくりだす取り組みです。
 開発にあたっては、横浜ピア・サポート研究会を始め、横浜の本郷中学校や中川西小学校など、各地の小中学校の協力を得ています。
また、平成12年度の福岡県教育委員会の「ピア・サポート」活動推進事業にも全面的に協力しています。
日本では、ピア・サポート・プログラムを滝充さんが進めています。
そのインタビューはこちらです。


http://www.p.u-tokyo.ac.jp/lab/ichikawa/johoka/2009/Group1/interview.html


以上、色々なプログラムがあり日本でも一部の学校で実験や実践されていますが全国的に広がっているプログラムはまだありません。
実施できない、広がらないのには理由があると思いますので
引き続き調べていこうと思っています。



引用:http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/04121503/1369999.htm
ピースメソッドについて 文部科学省のページ

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