2020年9月12日

子供は嘘をついている?学校でいじめが起きたときの上手な聞き取り方

学校向けにいじめ防止プラットフォーム クラウドサービス「マモレポ」の開発、運営をしている株式会社マモルのくまゆうこです。

今日は、聞き取りのお話。

学校でいじめやトラブルが起こると、先生が当事者に聞き取りをしますよね?双方の言い分が異なると、どちらかが正しく、もう一方は嘘をついていると考えがちです。そして嘘をついていると思った方を正そうとしがちですが、そもそも上手に聞き取りをできていない可能性があります。そこで今回はなぜ聞き取りが上手くできないのか、その原因と上手な聞き取り方についてまとめます。

聞き取りがうまくいかない原因

原因1:記憶があいまい

 日記や記録をつけている場合ならまだしも、日が経ってから話をするとき、記憶というものはそれほど当てになりません。悪気がなく、自分の都合のいいように記憶している可能性もあります。一度聞き取りをし、再度同じことを尋ねたときに、初めに聞いた時の話と違うことだってあります。そこを厳しく追及したところで、解決にはつながりません。それよりも「〇〇だったっけ?違ったかな?」といったように1つ1つ聞き、なぜ説明に食い違いが出たのかを確認する必要があります。そして前回と違ったときも「違うよ」と責めるのではなく、「じゃあ〇〇なんだね」と確認をとります。

原因2 :説明が苦手な子もいる

 物事を説明することが苦手だったり、緊張して上手く話せなかったり、ということもあります。そういった子たちからも上手く聞き取りをするためには、時系列に沿ってオープンクエスチョンで確認することがいいと言われています。オープンクエスチョンとは回答範囲を設けず、自由に発言してもらう方法です。反対の手法であるクローズドクエスチョン(イエスノークエスチョン)だと、意見を誘導してしまう可能性があるからです。
 ただ、私は、オープンクエスチョンを基本としつつ、必要に応じてクローズドクエスチョンを使うほうがいいかと思います。
本当に話すのが苦手で「自由に話して」と言っても、口をつぐんでしまう子もいます。回答範囲を極端に狭めすことをせず、第三者の視点を忘れないようにし、回答しやすいようにする方が、質問を受ける子供にとって、プレッシャーになりづらいこともあります。

原因3 :当事者のバイアスがある

 これは大人もそうですね。誰しも悪者にはなりたくないですから、自分にとって都合のいい話をしがちになります。本人からすると話をしたと事が事実になっている場合がありますが、そうとは限りません。
 子供が都合のいい話しかしないのは、根底に「怒られるかも」「信用してもらえないかも」という不安があるからです。「何を言っても軽蔑しない」「信用している」といった前置きをし、隠さずになるべく事実を話してもらうことが解決への近道です。

 それでも上手く聞き取りができないこともあります。そういった場合は、その出来事を知る第三者に確認するのがいいでしょう。
当事者だけの言葉はやはりどうしても主観的で、鵜呑みにすると正確に聞き取りができないこともあります。客観的な事実として、見ていた周囲の子供に確認をすると、より事実に近づくでしょう。

いじめ防止対策推進法とは?

 2013年に公布された法律です。いじめ対応や防止について、学校や行政が責任を果たすように規定しています。
 この法律によると、いじめとは(以下お願いします)と定めております。簡単に言えば、いじめられた本人が心身の苦痛を受けたかどうか、という点になります。
 いじめの事実をはっきりさせないことにより、その裏で密かに傷つき、悲しんでいる子が他にもいるかもしれません。そういった子を見逃さないためにも、面倒くさがらず、聞き取りをすることが大事でしょう。

まとめ

 上記のことは大人の社会でも必要な作業です。大人同士でもなかなか解決できないことも多いのに、子供同士であれば、なおさらです。学校は授業以外にもこういったことに対応し、解決しなければいけません。先生方の負担を減らし、何かあったときになるべくきちんと話をしてもらえるよう、子供たちと対話をすることで、話し上手になってもらえれば、と思っています。

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