地域と高齢者等をつなぐ社会的処方とリンクワーカーとは?
学校向けにいじめ防止相談プラットフォーム クラウドサービス「マモレポ」の開発、運営をしている株式会社マモルのくまゆうこです。
社会的処方という言葉をご存じでしょうか?
イギリスで生まれた取り組みで、高齢者やメンタルヘルスに問題を抱えるような、社会的に孤立しやすい人をサポートしていくというものです。厚生労働省がこの取り組みを推進することを決めましたが、具体的にはどういったものなのでしょうか?
社会的処方とは?
社会的処方は「social prescribing」を日本語訳したものです。具体的な例を、高齢者を例にとってお話したいと思います。
高齢者は何かしらの不調を抱えていることが多いですね。
医師は高齢者に対し、医学的処方(治療)を行います。
それに加えて、高齢者の生活をサポートする地域コミュニティを高齢者に紹介する、というのが社会的処方です。
医師が直接的なのに対し、間接的な取り組みというようなものでしょうか。高齢者は地域コミュニティに参加することで生活面も改善し、病気が悪化することを防いだり、健康状態を保ったりすることができると考えられています。
社会的処方のメリットは、高齢者等が生活面のサポートを受けることで健康になり、病院へ行く頻度が減ることが期待されます。医療費の抑制や医師の負担の軽減につながるため、高齢化社会である日本でも2020年中にモデル事業を始めることとして検討がされています。
リンクワーカーとは?
前述した通り、社会的処方はイギリスで生まれた取り組みです。そして、日本では社会的処方の導入が検討されたばかりで、具体的なことはわかっていません。もう1つ聞きなれない言葉があります。それはリンクワーカー。あくまでもイギリスでの役割になります。
リンクワーカーとは名前の通り、人とコミュニティをつなげる役割を果たす人のことです。
リンクワーカーが介在する利点として、その地域に関する情報量の多さがあります。また情報を頻繁に更新し、適切なものを提供できるといったことが挙げられます。
イギリスではどんな効果があったのか?
社会的処方は一体どんな効果をもたらすのでしょうか。
受けた患者の80%が救急外来や外来診療、そして入院等の使用を減らした、という実績もあるようです。
ただし、社会的処方の効果を示した研究の規模が小さいことや、信頼性の高いエビデンスが不足しているといったこともあるようです。
https://www.orangecross.or.jp/project/socialprescribing/pdf/socialprescribing_1st_02.pdf
そして、あくまでも英国の社会、文化そして制度に沿ったものですので、社会的処方をそのまま導入しても、必ずしも日本にフィットするかは、わかりませんが、いい試みだと思います。制度が確立して広まる事を期待しています。
高齢者等を医療面だけではなく、社会的にもサポートしようというのが、この社会的処方の制度です。日本はますます高齢化社会となり、孤立する人も増えるでしょう。そして同じ仕組みを使って、子どもの孤立も救っていきたいと思います
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