2021年3月25日

♯17 【ねたみの心が出てきた時】哲学者 大竹稽に聞く幸福論

stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」

ITでいじめのサインを見逃さない 株式会社マモル代表 くまゆうこが日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。

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第17回はねたみの心が出てきた時について哲学者の大竹稽さんにお聞きしました。

※本記事は、2021年2月22日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。

ねたみや誹謗中傷は姿を変えて神が遣わせたもの そんなものに騙されてはいけない

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くま:前回もご説明したんですけど、今まで学校の先生にゲストで来てもらうことが多かったんですけど、今回は特別に子育てと哲学の部屋と題して、哲学について前回からお話を聞いています。
今日も哲学者の大竹さんに来ていただいてます。

大竹稽公式ホームページ

くま:大竹さん、哲学の本をたくさん出されてる、かつ分かりやすく解説されてるということで、この難しい哲学を簡単に分かりやすく説明していただこうと思ってお呼びしてます。私も質問させていただくんですけど結構難しいテーマだと思ってるんですよ。

今日のテーマは妬みなんですね。妬みとか嫉妬とかって誰でもありますよね。Twitter とかInstagramとかFacebook もそうなんですけどSNSが流行ってきて 、例えば今日はこんなことがあったんだって友達がなんか書くと、心のどこかで悔しいじゃないけど妬みっていうか自分より楽しそうとか、よくリア充という言い方をするんですけど、そういうので嫉妬が出たり。

あとは逆に孤独感とか疎外感を感じる子供たちが多い。子供たちっていうか大人もそうなんですけどね、当たり前にそうなんですけどやっぱりそういうのが出てくるところから誹謗中傷とかいじめが出てきて、最近のトラブルはネットが何かしら絡んでるんですよね。小学生は持ってないこともあるんで、高校生は持ってるからみたいな感じで多いです。
やっぱり感情が出てきちゃうじゃないですか、こういう時ってどうやって自分と折り合いをつけていけばいいのかなと思って、これも哲学で何とか出来るかなと思ってお聞きしてるんですけど、今日はどなたの。

大竹先生:そうですね、定番にしたいなと思うんですけど、やっぱりアランという哲学者。

くま:アラン、前回のね。

大竹先生:皆さんにひとつのヒントをお届けさせていただければなと思うんですが、いかがでしょうか。

くま:フランスの哲学者でしたね、アラン。

大竹先生:そうですね。

くま:アランというのは前回も出てきましたけど、フランスで有名で世界三大幸福論の著者の一人ということですね。

大竹先生:そうですね。

くま:ということですね。じゃあ妬みとか嫉妬とかどういう風に折り合いをつけるんでしょうか。

大竹先生:ひとつのヒントになるようなものをまたちょっと引用したいと思うんですけど、アランの著作の中で幸福論以外にもいくつかありまして、そのうちの一つの人間論というところからですね、こんなこと言ってるよっていうのをちょっと皆さんに紹介したい。

くま:紹介したい一文が。

大竹先生:紹介したい一文があるんですけれども、それがですね、こんな感じになっています。

昔の人は神々が乞食やみすぼらしい人に変装すると言っていた。

くま:神が?

大竹先生:はい。

これは美しい比喩。この考えに習えば
神々は賢者を試すために苛立った人、不正な人、裏切り者に変装してくる

と。

くま:ふーん、なるほどね。

大竹先生:

この考えが私たちを賢者へと立ち返らせる。
君の偉大さを試すために、神々は君の前に無知な者、意地悪な者、阿呆を遣わすだろう、そんなものに騙されてはいけない

っていう一文があるんですけれども。

くま:そうか、自分を試されるためにそういうものが目の前にあるんですね。

大竹先生:そうなんです。

妬まれたとしてもすべては自分の成長のため 同じことを相手にやり返してはいけない

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大竹先生:はい、神々が遣わすっていうこと自体を信じる信じないは置いておいて、そういう風な見方をすると、最終的には一番人間の心を厄介にするのは人のせいにしてしまうってことなんですね。原因が人にあるとなると、そいつを強制しようとか排除しようってなるじゃないですか。でもそもそも妬みって誰の心にも生まれ得るものですし、何だったらしなくてもこいつは馬鹿だって言いたい気持ちって誰にでもありますよね、多分。少なくとも僕も1日に数回はこいつバカじゃないのって思ってます、言わないですよ、言わないですけど生まれうるって事を考えていくと、例えば自分に対して誹謗中傷をするとかそういう人たちが出てきちゃった時に、それはもう相手のことを何とかしようとしない、これは自分の前に現れた自分を試すものだとしてしまうことで問題をスイッチできるんですよね。

くま:そうか、試されてると思えば確かにそうですよね。

大竹先生:はい、僕の考えですと結局学校やSNS上で意地悪されたりするっていう人は言い方が悪いかな、まあある意味選ばれているという風に自分でそういう風に考えればいいっていうことなんですよね。

くま:よくありますよね、神様は乗り越えられない試練は与えないみたいなこと言うじゃないですか。ちょっとそういう考えに近いんですかね。

大竹先生:そうですね、そこで神々っていうものを考えのきっかけにすることで、なんて言うかしょうがないじゃないかと。そこに関しては起こっていることに対してどうこうしようじゃなくて、ここから先を考えてしまおうと。
全てを自分の成長のためにそのきっかけになっているという風に考えることで、僕も実際に学校で辛いことはありましたし、教え子でもそういう風なことにそういう目に遭ってしまう子達もいるんですけれども、やっぱり周りの大人達が100%その子の味方をして守らなければいけないと置いといても、本人の気持ちとしては相手にそれをぶつけ返しちゃいけないってことなんですよ。

くま:そうか、そうやってやると同じになっちゃうから、目線をずらすために相手にしないとか言うじゃないですか、そういうことですよね。

大竹先生:ポイントは同じことを自分もし得るということなんです。これは可能性の問題ですよ、それは絶対しないっていう風な美徳はあるとは置いといても、少なくともこんちくしょうって思ったりとかふざけるなって思ったりとか怒りが生まれますし、裏面が生まれますし、もしかしたら自分の中に妬みのまれるかもしれないっていう時に相手がそれを見せちゃってるわけじゃないですか。
自分はこういう風にしないようにしようという風に思うのがこのアランが言ってる賢者っていうことなんですね。

くま:そうですね、この考え方すごくいいですね。
つまり自分に何かあった時も、これは例えば悪いところを鏡のように見せられて自分がやらないでおこうとか、今言ったみたいに試されているからっていう風に思えばいいってことですよね。
よくネットとかで誹謗中傷とかあるじゃないですか、そういうのもね気にしない人はそういう風に思ってるんでしょうね、勝手に書けばいいじゃないみたいな感じでね。
あとは例えばよく妬みって、近い人に起こり得るかなと思っていて、それも人間の特徴なんですかね。

大竹先生:やっぱりそこに自分自身がイメージできるから妬みが生まれるってことがあるんでしょうね。
自分を全くそこに置き換えられないっていう時は、もうそれこそ全く別次元の人っていう風に思っちゃうんです。自分がそういう場所にいるかもしれないっていう風なことが少なくとも想像できる相手にしかそういうのは生まれないわけですから、結局そこにいるのは自分自身なんですよね。妬みの対象になるっていう。

くま:そういう風に思えばいいんですよね。 自分もそういうのになりたい自分がいるんだなって。

大竹先生:そうなんです。

くま:自分にも可能性があると思ってるんだなって思えばいいってことですね。

大竹先生:それにやっぱり踊らされないってことですね。

くま:そうですね、確かに綺麗な女優さんに嫉妬しないですもんね(笑)、遠すぎて。

大竹先生:そう、僕だって身長が180で超イケメンのアランドロンばり、アランドロンに見た目で勝負しようなんて思わないですし別の人ですからね、すげーって。

くま:次元が違うということですね。
妬みとか嫉妬が生まれることをあまり否定的に思わずに自分に納得させるってのもいいんでしょうね。

多大なエネルギーを費やすマイナス感情を別の方向に向ける

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大竹先生:全ては自分の成長にしてしまうってある意味奥の手なんでしょうね。最終的に成長していくって反面教師じゃないですけど、他人を見ることによって自分自身にそうあってはいけないと思うことが一番だと思うんですね。意外と自分のミスってスルーするじゃないですか。でも人の事で気付くので、そういう時こそ自分はそうしないという風なことを心がけていくと、これがアランの言葉ですと人間として完成されていくという意味ですよね。

くま:そうか、完成、いいですね。言ってることはわかってたことだと思うんですけど、表現がいいですね。

大竹先生:それはもうフランス人ですから。

くま:(笑)そうかフランス人。表現が本当にいいですね。

大竹先生:僕は日本語訳が下手くそなんでこんな風になっちゃうんですけど、フランス語というもので読んでいくとリズムだとか彼らが持っている感性ですね、そういうものがすごくリズミカルなんですよ。
というのはですね、アランという思想家、哲学者の書き方が決してすごく修正しない、書き始めたら絶対書き直さない

くま:そうなんですか。

大竹先生:マイルールで書いていて、しかも2時間以内に書く

くま:アランすごいですね。

大竹先生:これって意外と子供の教育作戦にも応用できるもので。だらだらやるとか、だらだらやるってやっぱり一番いけないじゃないですか、2時間だったら2時間でやる。もうあとは振り返らないという風な集中力でやると意外と効率がいいんですよね。

くま:そうか、だから表現がこんなに美しいんですね。あとは自分が嫉妬とかの時間がもったいないみたいな考え方もあるんですかね。

大竹先生:はい、嫉妬の時間がもったいない、そうですね、嫉妬してるぐらいだったら自分のエネルギーを別の方向に向けたほうがいいっていう考え方なんでしょうね。
やっぱりマイナスの感情ってすごくエネルギーを費やすじゃないですか、それって本当にもったいないと思うんですよね。

くま:そうですね。

大竹先生:だとしたら自分の成長の方にすべてを向けてしまう。結局そこには他者が関わってきますし、先日お話しした、愛する人を幸せにするんだったらまず自分が幸せになれという風なことにつながってくると思うんですけれども。

くま:そうですね、ネットの誹謗中傷とかいじめとかってかなり時間費やすじゃないですか、やる方もね。だって書き込んだりしていろいろと言葉を書いたりとか、もちろんされた方も見たりして。だから本当にこれにとらわれてたら大変なことになりますよね。

大竹先生:大変ですよ、僕だって結構誹謗中傷を検索するとえーっみたいなコメント出てきますよ。

くま:えーっそうなんですか?大竹先生の。

大竹先生:出てきますよ。

くま:そうなんだ、何で誹謗中傷するんだろう。

大竹先生:僕幸いなことにネット用語読めないんです。

くま:それはラッキーでしたね。

大竹先生:草って何っていう感じになるので。僕の読解力がネットでは通じないので、それは彼らが何を言いたいのかわからないっていうことで落ち着いてしまうんですよね。

くま:ネットで有名になっちゃうと書かれちゃうからそれで気にしてると、ね。

大竹先生:ここは本当にネット上のいじめっていうのは大きな問題なんでしょうけれども、それがそれとして別の問題だと思うんです。ここで哲学っていうものを考えると最終的にアランが好きなのは、自分の成長に結びつける。決して相手を攻撃し返さないということが大事なんですよね。

くま:そうね、そこは大事ですね、ついつい攻撃しちゃうからね。

大竹先生:そうなんです、反論したりとか攻撃したりすると相手はさらに倍のエネルギーで攻撃してくるので、スルーする、いなすっていうのが一番なんでしょうね。

くま:そうですね、そういう風に思っていると何かあった時もラクかもしれないですね、こういう考えを持ってるとね、最初からね。持ってないといろいろとトラブルも多いんだけど、そうかじゃあ今度から何かあった時は私も試されてると思いますね。神が変装してきたんだと思いますね。

大竹先生:そうなんです、わざわざそういう姿で僕の前に現れてくれる。ありがたいなとそうならないようにしようと思って自分が成長しちゃえば、同じレベルでついてくる人達は一緒に仲間になるでしょうし、たまたまそれが選ばれた、自分のことを害してくる人間だったら離れていくでしょうから。

くま:これちょっと皆さんも今日初めて聞いた人は、そういう風に思ってもらえると心が楽になるかもしれないですね。

大竹先生:そうですね。

くま:ありがとうございます。実はStand FMってレターってこういうの聞きたいっていうリクエストも募集してるんですね。なので大竹先生に何か聞きたいことがあったらいろいろともらいたいですよね。

大竹先生:テーマいただければ。

くま:今日のテーマは幸せとか妬みとかでしたけど、今後もいろいろね、考えてるんですよね。

大竹先生:考えているんですけどみなさんのリクエストがあればそちらの方もぜひやっていきたいなと思っていますので。

くま:そうですね。次回もぜひ。

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