明るい気分にする方法~朗読をすると気分が良くなるのか~
こんにちは。株式会社マモルの代表のくまゆうこです。
いじめと言うワードを聞くとどうしても「ネガティブ」な感情になります。いじめられている側が悲しいことは当たり前ですが、
・それを傍観している子ども
・いじめをしていて注意された子ども
・いじめを注意する大人
誰もいい気分になりません。「いじめを無くす=マイナスを無く」と言う考えになりがちですが、マイナスを無くすことで全てが良くなるのでしょうか?マイナスを抑制することで、またマイナスが生まれてしまう可能性も。
今回はみんなが暗い気持ちになる気分になる「マイナスを無くす」ではなく、みんなが明るくなる「プラスを増やす」という考えに着目していこうと思います。
明るい物語を朗読すると明るい気分になる?
とはいえ、プラスを増やすためにはどのようにすればいいのでしょうか。
実は「明るい物語を朗読するだけで明るい気分になる」と言う結果を報告している論文があります。
それは、日本教育心理学会第63回で「朗読を行う事により気分誘導の効果」を産業技術総合研究所の有木彩華さんが発表しました。
ここで使われている朗読とは「深い理解を伴った黙読を行い発声を行うという過程 」で、黙読をした後に声を出して読むということです。
朗読 13 名・黙読 9 名で実験しました。
明るくポジティブな感情価を内包した物語を朗読したら、物語に内包した明るくポジティブな感情価と一致した気分へと誘導されることが検証されたそうです。
一方、黙読群では、物語の感情価に沿った気分への誘導はなされなかったそうです。
さらに、「この後朗読をする」と告知した後に黙読し、朗読するとさらに効果が高まる結果と言う効果も報告されました。
この研究の最後には、
「本研究の課題として、読みの違いによってなぜ気分誘導効果に差が生じるのか、朗読のメカニズム については検証ができなかったことが挙げられる。」と書いてあり、
まだはっきりとしたことはいえませんが、朗読療法と呼ばれるものは存在します。
明るい物語は読んでいるだけでも明るい気分になりますというのは皆さんも実感しているのではないでしょうか。
朗読と音読
ここまで読んで、「あれ、朗読ってなんだっけ。小学校の宿題は確か音読と言ってた気がするな」と思った方はするどいです。
音読→字の通り、音を読む。つまり、書いてあるものを声にだして読むことです。はっきりと読むことを目標とします。
朗読→ただ正しく、はっきりと読むだけじゃなく、その場面の雰囲気や登場人物の気持ちを考えながら、つまり登場人物になりきって、朗かに(あきらか)に読むのです。
こう書くと、明るくポジティブな感情価を内包した物語を朗読したら、物語に内包した明るくポジティブな感情価と一致した気分へと誘導されたことは納得ができると思います。
今まで学校では音読がメインだったと思いますが、朗読は学校現場においても取り入れることが比較的簡単にできますね。
コロナ禍で鬱々とすることも多いですが、明るい物語を口に出して読むと子どもの気分も変わるかもしれません。
勇気がでる映画や物語を見ると、自分にも勇気が湧いてきませんか?
もし自分の気分が沈んでいると思った時には、ぜひお試しください。
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