2026年8月2日

Discordは危険?それとも便利?

【情報リテラシーコラム Vol.10】

Gaming Literacy ゲームコミュニケーション編 ❸

ゲームコミュニティとの上手な付き合い方

こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。

これまで2回にわたり、オンラインゲームを通じたコミュニケーションについて考えてきました。

第1回では、「ゲーム友達」という新しい人間関係についてご紹介しました。

第2回では、ボイスチャットを通じて、何気ない会話や生活音が個人情報につながる可能性についてお伝えしました。

ゲームを楽しむ中で、子どもたちからよく聞くようになった言葉があります。

「Discordで話そう。」

オンラインゲームをしていると、この言葉を耳にする機会が少なくありません。

最近では、ゲーム内のチャットだけではなく、Discordを使って連絡を取り合ったり、ボイスチャットをしたりすることが当たり前になりつつあります。

では、Discordとはどのようなサービスなのでしょうか。

そして、保護者はどのように考えればよいのでしょうか。

今回は、Discordとの上手な付き合い方について考えてみたいと思います。

Discordとはどんなサービス?

Discordは、文字でのチャット、音声通話、ビデオ通話ができる無料のコミュニケーションサービスです。

もともとはオンラインゲームを楽しむ人たちのためのツールとして広まりましたが、現在では趣味のコミュニティや勉強会、企業のチーム連絡など、幅広い場面で利用されています。

ゲームをしながらボイスチャットができるため、多くのプレイヤーにとっては欠かせないコミュニケーションツールになっています。

つまり、Discordそのものが危険なサービスというわけではありません。

便利だからこそ、多くの人に利用されているのです。

ゲームの外でも「つながる」時代

以前は、ゲームを終了すれば、その日のコミュニケーションも終わることが一般的でした。

しかし、Discordではゲームをしていない時間でも、

「今日、何時から遊ぶ?」

「新しいイベントが始まったよ。」

「今度一緒に別のゲームをやろう。」

といったやり取りが続きます。

ゲームをきっかけに知り合った人と、ゲーム以外の話題でも交流するようになることは珍しくありません。

これは、趣味を通じて人とのつながりが広がるという意味では、とても魅力的なことでもあります。

一方で、「ゲームだけの関係」だったはずが、「日常生活の一部」へと変わっていくこともあります。

オープンなコミュニティだからこそ考えたいこと

Discordには、「サーバー」と呼ばれるコミュニティがあります。

学校のクラスのような少人数のグループもあれば、数万人規模の大きなコミュニティも存在します。

同じゲームが好きな人と交流できたり、攻略情報を教え合ったりできることは、大きな魅力です。

しかし、参加する人数が増えるほど、「どのような人が参加しているのか」を完全に把握することは難しくなります。

オンラインでは、プロフィールだけで相手を判断することはできません。

だからこそ、「同じゲームが好き」という共通点だけで、すぐに相手を信頼するのではなく、適切な距離感を保つことが大切です。

「ゲームの話」から「個人的な話」へ

講演会で保護者から相談を受ける内容の一つに、

「最初はゲームの話だけだったのに、いつの間にか毎日連絡を取るようになっていました。」

というケースがあります。

ゲームを一緒に楽しむことは自然なことです。

しかし、

「どこの学校なの?」

「何歳?」

「Instagramはやってる?」

「LINEを交換しよう。」

といったように、ゲーム以外の話題へ広がっていくことがあります。

もちろん、すべてが問題になるわけではありません。

ただし、ゲーム内で知り合った相手と、現実の人間関係を同じように考えてしまうことには注意が必要です。

ゲームの中で信頼関係ができたように感じても、相手について本当に分かっていることは限られています。

Discordは「危険」ではなく「使い方」が大切

「Discordは危険だから使わない方がいいですか。」

この質問を受けることがあります。

私の答えは、「Discordが危険なのではなく、使い方が大切です」というものです。

例えば、

・本名や学校名をプロフィールに登録しない。

・知らない人から届いた招待リンクには安易に参加しない。

・個人のSNSアカウントをすぐに教えない。

・困ったことがあれば、一人で抱え込まず相談する。

こうした基本的なルールを知っているだけでも、多くのトラブルは防ぐことができます。

サービスを怖がるのではなく、仕組みを理解して利用することが、情報リテラシーの基本です。

保護者ができることは「監視」ではなく「対話」

Discordという名前を聞いたことがない保護者も少なくありません。

だからこそ、「何を使っているの?」と子どもに教えてもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

「誰と話しているの?」

ではなく、

「どんなゲームで使うの?」

「便利なところは何?」

そんな質問の方が、子どもは話しやすいものです。

保護者がサービスを理解しようとする姿勢は、子どもにとっても「困ったことがあれば相談してみよう」という安心感につながります。

新しいサービスは、これからも増えていく

Discordのようなコミュニケーションサービスは、今後も新しいものが次々と登場するでしょう。

大切なのは、サービスの名前を覚えることではありません。

「ゲームの外でもつながるとき、どんなことに気を付ければよいのか。」

「相手との距離感をどう保つか。」

そうした考え方を身につけることです。

情報リテラシーとは、新しいサービスを禁止するための知識ではありません。

便利なサービスを安心して利用するための「判断する力」です。

その力は、Discordだけでなく、これから登場するさまざまなデジタルサービスにも役立っていくでしょう。

今日のリテラシーポイント

「オンラインでつながること」と、「相手をよく知っていること」は同じではありません。

ゲームの仲間として交流を楽しみながらも、自分の個人情報やプライベートな情報をどこまで共有するかは、自分自身で判断することが大切です。

株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています

株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、情報リテラシーやSNS、オンラインゲーム、生成AIなど、デジタル社会における安全なコミュニケーションに関する講演・研修を実施しています。

Discordをはじめとするコミュニケーションツールは、子どもたちの生活に深く浸透しています。講演では、「危険だから禁止する」のではなく、「サービスの仕組みを理解し、安全に利用するためには何が必要か」を、実際の事例を交えながら分かりやすくお伝えしています。

学校やPTA、自治体、企業での講演・研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。

次回予告

オンラインゲームは、子どもたちにとって遊びの場であると同時に、新しいコミュニケーションの場でもあります。

だからこそ必要なのは、「ゲームを禁止すること」ではなく、「安全に楽しむ力」を育てることです。

最終回は、「ゲームの世界は現実につながっている 家庭で育てたいゲームリテラシー」をテーマに、保護者と子どもが一緒に身につけたい情報リテラシーについて考えます。

    • ブログ