2026年8月5日

その情報、AIに入力しても大丈夫?

【情報リテラシーコラム Vol.13】

AI Literacy 生成AI編 ②

個人情報・企業情報を守るために

こんにちは。株式会社マモル 代表のくまゆうこです。

前回のコラムでは、生成AIとはどのようなものなのか、そして「答えを出してくれる機械」ではなく、「考えるためのパートナー」として活用することの大切さについてお話ししました。

生成AIは、文章作成やアイデア出し、資料作成など、私たちの仕事や学習を大きく助けてくれる便利なツールです。

一方で、生成AIを利用する際に必ず考えなければならないことがあります。

それは、

「AIに入力する情報は、本当に入力して大丈夫なものなのか」

ということです。

学校や企業で生成AIの活用が進む中、「便利だから」と何でも入力してしまうことで、思わぬ情報漏えいにつながる可能性があります。

今回は、生成AI時代に必要となる「情報を守る力」について考えてみたいと思います。

AIに入力した情報は、どこへ行く?

生成AIを使うとき、多くの人は、

「質問を入力する」

という行為をしています。

例えば、

「この文章を分かりやすく直してください。」

「この資料を要約してください。」

「この企画についてアイデアを出してください。」

このような使い方です。

しかし、ここで注意したいのは、入力した情報がどのように扱われるのかを理解しておくことです。

利用するサービスによって、入力した内容の保存や利用方法は異なります。

そのため、「AIだから大丈夫」と考えるのではなく、「どんな情報を入力しているのか」を意識することが大切です。

情報リテラシーとは、便利な機能を使うことだけではありません。

その裏側で、自分がどんな情報を提供しているのかを理解することも含まれます。

個人情報を入力するときに考えたいこと

例えば、こんな場面を想像してください。

子どもが学校の先生へのメールを書くために、

「この文章を丁寧な表現にしてください。」

とAIに相談します。

文章だけなら問題ないように思えます。

しかし、その中に、

・子どもの氏名

・学校名

・住所

・先生の名前

・友人関係に関する情報

などが含まれていた場合、それは個人に関わる大切な情報になります。

また、家庭内の相談や仕事上の悩みなども、内容によっては個人を特定できる情報になる可能性があります。

「名前を書いていないから大丈夫」

ではありません。

複数の情報が組み合わさることで、誰のことなのか分かってしまう場合もあります。

企業では「機密情報」に注意

生成AIは、企業にとっても非常に便利なツールです。

例えば、

・会議内容の整理

・企画書の作成補助

・文章のチェック

・アイデア出し

など、業務効率化につながる活用方法があります。

一方で、企業では特に注意が必要です。

例えば、

「この契約書を要約してください。」

「この新商品の企画について意見をください。」

「この顧客情報を整理してください。」

このような入力には、会社の機密情報や顧客情報が含まれている可能性があります。

本人に悪意がなくても、「便利だから」という理由で入力した情報が、企業にとって重要な情報となることがあります。

生成AIを業務で利用する場合は、会社として利用ルールを決めることが重要です。

「AIに相談する」と「情報を渡す」は違う

生成AIは、まるで人に相談しているような感覚で利用できます。

そのため、つい身近な相談相手のように感じてしまうことがあります。

しかし、AIは人間の友人や同僚とは違います。

AIに入力するということは、「情報を処理するサービスに情報を渡している」ということです。

例えば、友人に相談するときでも、

「この話は誰にも言わないでね。」

と伝えることがあります。

同じように、AIを利用するときも、

「この情報を入力して問題ないだろうか。」

と一度考える習慣が必要です。

子どもにも伝えたい「入力前の確認」

これからの子どもたちは、AIを使うことが当たり前の世代になるでしょう。

だからこそ、早い段階から、

「AIに聞いてはいけない情報がある」

という感覚を身につけることが大切です。

家庭では、次のような問いかけをしてみてください。

「その情報を知らない人に見られても大丈夫?」

「名前を隠しても、誰のことか分からない?」

「本当にAIに伝える必要がある?」

このように、一度立ち止まって考える習慣が、自分自身を守る力になります。

生成AI時代に必要なのは「情報を選ぶ力」

生成AIは、これからますます私たちの生活に入り込んでいきます。

学校でも、仕事でも、日常生活でも、AIを使う場面は増えていくでしょう。

だからこそ重要なのは、

「AIを使わないこと」

ではありません。

「何を入力してよいのか判断すること」

です。

情報リテラシーとは、最新の技術を使いこなす能力だけではありません。

自分や他人の大切な情報を守りながら、適切に活用する力です。

生成AIは、正しく使えば大きな可能性を持った便利な道具です。

その可能性を最大限に活かすためにも、「入力する前に一度考える」という習慣を、子どもも大人も身につけていくことが大切ではないでしょうか。


今日のリテラシーポイント

「AIに入力する情報は、すべて“渡してよい情報”とは限りません。」

便利だからこそ、入力する前に「この情報は本当に必要か」「個人情報や機密情報が含まれていないか」を確認する習慣を持ちましょう。


株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています

株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、生成AIやSNS、オンラインゲームなど、デジタル社会における情報リテラシーに関する講演・研修を実施しています。

生成AIは、教育現場や企業活動を大きく支える可能性を持っています。一方で、個人情報や機密情報の取り扱いなど、新しい時代ならではの課題も生まれています。

講演では、生成AIを「禁止する」のではなく、安全かつ効果的に活用するために必要な考え方を、具体的な事例を交えながら分かりやすくお伝えしています。

学校、PTA、自治体、企業での情報リテラシー講演・研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。


次回予告

生成AIは、まるで人間が作った文章のように自然な回答を返してくれます。

しかし、その内容が必ず正しいとは限りません。

「AIが言っていたから大丈夫」

そう思ってしまうことが、新たな情報リスクにつながる可能性があります。

次回は、「『AIがそう言っていた』は本当? 生成AI時代に必要な情報の見極め方」をテーマに、AIの回答を正しく判断する力について考えていきます。

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