ボイスチャットで個人情報は漏れる?
【情報リテラシーコラム Vol.9】
Gaming Literacy ゲームコミュニケーション編 ❷
ゲーム中の何気ない会話に潜むリスク
こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。
前回のコラムでは、オンラインゲームを通じて生まれる「ゲーム友達」という新しいコミュニケーションについてご紹介しました。
ゲームの世界では、住んでいる場所や年齢、本名を知らなくても、一緒に遊ぶ時間を重ねることで信頼関係が生まれることがあります。
そして、その関係が深まるにつれて利用する人が増えるのが、「ボイスチャット」です。
文字を入力するよりも素早く意思疎通ができ、協力プレーもしやすくなるため、多くのオンラインゲームでは当たり前の機能になっています。
しかし、情報リテラシーの観点から見ると、ボイスチャットには「自分では気付かないうちに情報を伝えてしまう」という特徴があります。
今回は、ゲーム中の何気ない会話に潜むリスクについて考えてみたいと思います。
ボイスチャットはゲームをもっと楽しくする
オンラインゲームでは、仲間と連携しながら進める場面が数多くあります。
「右から敵が来た!」
「回復するね。」
「あと少しでクリアできそう!」
こうしたやり取りをリアルタイムで行えることは、ボイスチャットならではの魅力です。
文字入力よりも素早くコミュニケーションが取れるため、ゲームをより楽しめる機能として、多くのプレイヤーに利用されています。
最近では、小学生や中学生でも自然にボイスチャットを使うケースが増えており、「ゲームをするときは声で話すのが当たり前」という子どもも少なくありません。
何気ない一言が個人情報になることも
ボイスチャットで最も注意したいのは、「個人情報を教えよう」と思って話している人はほとんどいない、ということです。
例えば、
「今日は部活が長引いた。」
「もうすぐ塾だから落ちるね。」
「明日は学校が休みなんだ。」
どれも何気ない会話です。
しかし、こうした話を毎日のように積み重ねることで、相手は少しずつ生活スタイルを知ることができます。
さらに、
「今、駅に着いた。」
「家族が帰ってきた。」
「近くでお祭りをやっている。」
といった一言から、住んでいる地域や生活環境を推測できる場合もあります。
一つひとつは小さな情報でも、積み重なることで個人を知る手がかりになることがあるのです。

「声」そのものも情報の一つ
ボイスチャットでは、話している内容だけでなく、「声」そのものも情報になります。
声からは、おおよその年齢や性別が伝わることがあります。
また、会話のアクセントや方言から、地域を推測されることもあります。
さらに、自宅からボイスチャットを利用している場合は、
「お風呂入ってきなさい!」
「ご飯できたよ。」
といった家族の声や、テレビの音、学校のチャイム、電車のアナウンスなど、周囲の生活音が入り込むこともあります。
本人は気付いていなくても、こうした音が生活環境を知る手がかりになる可能性があります。
「仲良くなったから」は安心の理由にならない
ゲームで何度も一緒に遊び、毎日のように話をしていると、「もう友達だから大丈夫」と感じることがあります。
もちろん、多くの人は純粋にゲームを楽しんでいます。
しかし、オンラインでは、相手がどのような人物なのかを完全に知ることはできません。
だからこそ、仲良くなった相手であっても、
・本名
・学校名
・住所
・電話番号
・SNSアカウント
などを安易に伝えないことが大切です。
ゲームの仲間として楽しく交流することと、自分の個人情報を共有することは、まったく別の話です。
保護者ができること
「ボイスチャットは禁止。」
そう決めてしまう前に、一度お子さんと話をしてみてください。
「どんな人と話しているの?」
「ゲームの作戦を話しているの?」
「困ったことはない?」
ゲームそのものを否定するのではなく、どのように利用しているのかを知ることが、安心につながります。
その上で、
「学校の名前は言わないようにしよう。」
「本名ではなくニックネームを使おう。」
「嫌なことがあったらすぐに相談してね。」
そんなルールを一緒に考えることが大切です。
子どもが安心して相談できる環境があることは、どんな機能制限よりも大きな安全対策になります。
話す前に「その情報は必要かな」と考える習慣を
ボイスチャットは、とても便利なコミュニケーションツールです。
だからこそ、「どこまで話すか」を自分で判断する力が求められます。
情報リテラシーとは、「話してはいけないこと」を暗記することではありません。
「この話はゲームに必要かな。」
「この情報を相手に伝える必要はあるかな。」
そう考える習慣を身につけることです。
ゲームを楽しみながらも、自分自身の情報は自分で守る。
その意識が、これからのデジタル社会ではますます大切になっていくでしょう。
今日のリテラシーポイント
「個人情報は、住所や電話番号だけではありません。」
毎日の何気ない会話や声、周囲の生活音も、積み重なることで自分自身を知る手がかりになることがあります。ボイスチャットでは、「ゲームに必要な会話かどうか」を意識することが大切です。
株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています
株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、情報リテラシーやSNS、オンラインゲーム、生成AIなど、デジタル社会における安全なコミュニケーションに関する講演・研修を実施しています。
オンラインゲームやボイスチャットは、子どもたちの日常に欠かせないコミュニケーションツールになっています。講演では、「危険だから禁止する」のではなく、「どのような情報が個人情報につながるのか」「安全に利用するためには何を意識すればよいのか」を、実際の事例を交えながら分かりやすくお伝えしています。
学校やPTA、自治体、企業での講演・研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。
次回予告
オンラインゲームを楽しむ中で、「もっと話しやすいから」とDiscordなどのコミュニケーションアプリへ誘われるケースが増えています。
ゲーム内だけの交流だったはずが、ゲームの外でもつながることで、人間関係はどのように変化するのでしょうか。
次回は、「Discordは危険?それとも便利? ゲームコミュニティとの上手な付き合い方」をテーマに、ゲームの外へ広がるコミュニケーションと情報リテラシーについて考えます。
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