2026年8月8日

「親しい友達」だけだから安心?

【情報リテラシーコラム Vol.16】 SNS・コミュニケーション編 ❶

非公開SNSの落とし穴

こんにちは。株式会社マモル 代表のくまゆうこです。

「このアカウントは鍵をかけているから大丈夫。」

「親しい友達しか見られない設定にしているから安心。」

SNSについて、子どもたちからこのような声を聞くことがあります。

確かに、公開範囲を限定することは、自分の情報を守るための大切な対策の一つです。

しかし、情報リテラシーの視点から見ると、「非公開だから安全」とは言い切れません。

SNSでは、投稿を見ることができる人を限定していても、情報が思わぬ形で広がる可能性があります。

今回は、InstagramなどのSNSで利用される「非公開アカウント」や「親しい友達機能」を例に、身近に潜むリスクについて考えてみたいと思います。

非公開SNSとはどんなもの?

SNSには、投稿を誰でも見ることができる「公開アカウント」と、承認した人だけが投稿を見られる「非公開アカウント」があります。

例えば、非公開アカウントでは、

・友達からのフォロー申請を承認した人だけが投稿を見る

・知らない人かは自分の投稿を見られない

・日常の写真や出来事を身近な人と共有する

といった使い方ができます。

また、SNSによっては「親しい友達」など、さらに限定した相手だけに投稿を公開する機能もあります。

「家族や仲の良い友達だけなら安心」

そう考える人が多いのは自然なことです。

しかし、ここに注意すべきポイントがあります。

「見せる相手を選ぶ」と「広がらない」は別

例えば、10人の友達だけに公開した投稿があるとします。

投稿した本人は、

「10人しか見ていないから大丈夫」

と思うかもしれません。

しかし、その10人のうち誰かが、

「面白いから友達にも送ろう。」

「この写真、別のグループにも共有しよう。」

と思ったら、その情報は投稿者が想定していない範囲へ広がる可能性があります。

もちろん、多くの友人は悪意なく行動しています。

しかし、SNSでは「共有する」という行為が非常に簡単にできてしまいます。

一度インターネット上に広がった情報を、完全に消すことは難しいのです。

写真1枚から分かる情報

SNSで特に注意したいのが、写真や動画に含まれる情報です。

例えば、何気なく投稿した日常写真でも、

・制服

・学校名が分かる建物

・最寄り駅

・自宅周辺の景色

・表札や郵便物

・車のナンバー

などが映り込んでいることがあります。

本人にとっては「いつもの場所」でも、第三者から見ると生活範囲を推測する手がかりになることがあります。

また、

「今日は家族旅行中!」

「今、○○に来ています!」

という投稿も、見方を変えると「自宅を不在にしている」という情報になる可能性があります。

SNSでは、投稿内容そのものだけではなく、その背景にある情報にも注意が必要です。

「親しい友達」でもトラブルは起こる

SNSトラブルというと、「知らない人からの被害」を想像する方も多いかもしれません。

しかし、実際には身近な人間関係の中で起こるケースもあります。

例えば、

「友達同士のグループ内だけで公開したつもりの写真が、別の人にも共有されていた。」

「冗談のつもりで投稿した内容が、相手を傷つけてしまった。」

「仲が良かった友達との関係が変化し、過去の投稿を見られることが不安になった。」

SNSでは、人間関係が変化した後も、過去の投稿や写真が残り続けます。

その時は信頼していた相手でも、環境が変わることで情報の扱われ方が変わる可能性があるのです。

子どもたちに伝えたい「投稿前の一呼吸」

SNSを安全に利用するために大切なのは、「投稿しないこと」ではありません。

大切なのは、投稿する前に一度考える習慣です。

「この写真を、知らない人に見られても大丈夫?」

「数年後の自分が見ても問題ない?」

「友達が同じ写真を投稿されても嫌ではない?」

こうした問いかけをするだけで、SNSとの付き合い方は大きく変わります。

情報リテラシーとは、SNSを怖がることではありません。

自分が発信する情報が、どのように広がる可能性があるのかを想像する力です。

保護者にできることは「禁止」ではなく「一緒に考えること」

子どもがSNSを利用していると知ると、

「危ないからやめなさい。」

と言いたくなる保護者もいるかもしれません。

しかし、SNSはすでに子どもたちのコミュニケーションの一部になっています。

大切なのは、利用を禁止することだけではなく、

「どんな投稿をしているの?」

「どんな人とつながっているの?」

「困ったことはない?」

と会話をすることです。

子どもが困ったときに相談できる関係を作ることが、最も大きな安全対策になります。

SNS時代に必要なのは「公開範囲」だけではない

SNSでは、設定を見直すことはもちろん大切です。

しかし、本当に身につけたい力は、

「誰に見せるか」

だけではありません。

「見た人がどう受け取るか」

「情報がどこまで広がる可能性があるか」

を考える力です。

非公開アカウントや親しい友達機能は、便利で安心につながる機能です。

ただし、それだけで完全に情報を守れるわけではありません。

SNSを安全に楽しむためには、機能に頼るだけではなく、自分自身が情報の発信者であることを意識することが大切なのです。

今日のリテラシーポイント

「非公開SNSでも、情報が広がる可能性はゼロではありません。」

公開範囲の設定だけに頼るのではなく、「この情報を誰かに共有されても大丈夫か」という視点を持つことが、自分自身を守る第一歩になります。

株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています

株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、SNS、生成AI、オンラインゲームなど、デジタル社会における情報リテラシーに関する講演・研修を実施しています。

SNSは、友人や家族との交流、情報発信、学びの場として大きな可能性を持つ一方、使い方によっては思わぬトラブルにつながることもあります。

講演では、実際の事例をもとに、SNSを禁止するのではなく、安全に活用するために必要な判断力やコミュニケーションについて分かりやすくお伝えしています。

学校、PTA、自治体、企業での情報リテラシー講演・研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。

次回予告

SNSでは、投稿した内容だけでなく、「一度投稿したものが残り続ける」という特徴があります。

軽い気持ちで投稿した写真や発言が、将来の進学や就職、人間関係に影響する可能性もあります。

次回は、「その投稿、本当に消えていますか? スクリーンショットとデジタルタトゥー」をテーマに、SNS時代に知っておきたい情報の残り方について考えます。

 

    • ブログ

カテゴリー