2026年7月20日

「投稿しただけ」のつもりが情報漏えいに? 企業・学校・家庭で考えたいSNS時代の情報リテラシー

【情報リテラシーコラム Vol.3】

こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。

これまで2回にわたり、動画共有型SNS「setlog(セットログ)」を例に、新しいSNSとの付き合い方についてお話ししてきました。

第1回では、「新しいSNSを知ること」の大切さと、背景に映り込む情報への注意についてご紹介しました。

第2回では、一つひとつの投稿は何気なくても、積み重なることで生活パターンが見えてしまう可能性についてお伝えしました。

今回は、その先にある「二次被害」と、企業や学校、家庭がこれから身につけたい情報リテラシーについて考えてみたいと思います。

本当に怖いのは「投稿」ではなく、その後

講演会で、「情報漏えいが心配です」という声をよく耳にします。

しかし、情報漏えいは「情報が外へ出た瞬間」で終わるわけではありません。

本当に注意したいのは、その情報が第三者によってどのように利用されるかです。

例えば、動画に映っていた制服から学校が分かる。

社員証から勤務先が分かる。

通勤経路や通学路が推測できる。

毎日の投稿から生活リズムが分かる。

こうした情報は、一つだけでは大きな意味を持たないかもしれません。

しかし、複数の情報が組み合わさることで、その人を特定する材料になる可能性があります。

情報リテラシーの世界では、このように「別々の情報を組み合わせて新しい情報が生まれること」を常に意識する必要があります。

一度共有した情報は、完全には回収できない

「あとで削除すれば大丈夫。」

そう思って投稿してしまうこともあるでしょう。

しかし、インターネット上で共有した情報は、自分だけで管理できるものではありません。

例えば、動画を見た相手が画面録画やスクリーンショットをしているかもしれません。

スマートフォンの設定によっては、自動的にクラウドへ保存されている場合もあります。

家族とクラウドストレージを共有している場合には、自分では意識していなくても別の端末から閲覧できる状態になっていることもあります。

「削除したから終わり」ではなく、「一度公開した情報は、自分の手を離れる可能性がある」という認識を持つことが大切です。

情報漏えいは、二次被害につながることがある

漏えいした情報は、思わぬ形で利用されることがあります。

例えば、

・本人になりすましたSNSアカウントの作成

・勤務先や学校を装ったフィッシングメール

・住所や行動範囲を推測したストーカー行為

・SNS上での誹謗中傷や嫌がらせ

・企業や学校への迷惑行為

もちろん、すべての投稿がこうした被害につながるわけではありません。

しかし、「友達だけだから」「短い動画だから」と安心してしまうことが、結果としてリスクを大きくしてしまうことがあります。

だからこそ、投稿する前に「もしこの情報が自分の想定していない人の目に触れたらどうだろう」と、一度立ち止まって考える習慣が重要になります。

企業や学校でも求められる情報リテラシー

情報リテラシーは、家庭だけの問題ではありません。

企業では、昼休みに撮影した動画の背景にホワイトボードやパソコン画面が映り込み、社内情報が意図せず共有される可能性があります。

学校では、教室の掲示物や時間割、名簿、作品などが映り込み、個人情報につながるケースも考えられます。

本人には「情報を公開した」という意識がなくても、背景には多くの情報が含まれています。

だからこそ組織では、「SNSは禁止」というルールだけではなく、

・どのような情報が個人情報や機密情報になるのか

・撮影前にどこを確認すればよいのか

・公開後に情報がどのように広がる可能性があるのか

こうした基本的な情報リテラシーを継続的に学ぶことが重要です。

新しいSNSは今後も次々と登場します。

そのたびにルールを増やすよりも、「どのサービスでも共通する考え方」を身につけることが、最も効果的な対策になります。

情報を守るのは、「知識」より「習慣」

この3回のコラムでは、setlogというSNSを例にお話ししてきました。

しかし、お伝えしたかったのは、「setlogは危険だから使わないほうがいい」ということではありません。

Instagramでも、TikTokでも、これから生まれる新しいSNSでも、大切なことは同じです。

背景に何が映っているか。

投稿を積み重ねることで何が分かるか。

公開した情報はどこまで広がる可能性があるか。

こうしたことを自然に考えられるようになることが、情報リテラシーです。

私たちが身につけるべきなのは、新しいアプリの名前を覚える知識ではありません。

情報を安全に扱うための「習慣」です。

その習慣は、子どもにも、大人にも、そして企業にも、これからますます必要になっていくでしょう。

今日のリテラシーポイント

「情報漏えいの本当の怖さは、漏えいした後に何が起こるかです。」

投稿する前に、「この情報が第三者に利用されたらどうなるだろう」と考えることが、自分自身や周囲の人を守ることにつながります。

株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています

株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、情報リテラシーやSNSの安全な活用に関する講演・研修を実施しています。

新しいSNSや生成AIなど、デジタル社会は急速に変化しています。しかし、どのようなサービスであっても、情報を適切に扱うための基本的な考え方は変わりません。

講演では、最新のSNS事情や実際の事例を交えながら、教育現場・家庭・企業、それぞれの立場に応じた実践的な内容を分かりやすくお伝えしています。

「子どもたちに何を伝えればよいのか」「社員研修でSNSリスクを取り上げたい」「保護者向けに講演を実施したい」など、目的に応じた内容をご提案しています。

情報リテラシー講演や研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。

シリーズを終えて

今回の3回シリーズでは、「setlog」を入り口に、動画共有型SNSとの付き合い方について考えてきました。

SNSは、私たちの暮らしを豊かにし、人と人をつなぐ便利なコミュニケーションツールです。

だからこそ、必要なのは「使わないこと」ではなく、「正しく使う力」を身につけることです。

新しいサービスが登場しても慌てない。

情報を見極め、自分で考え、適切に行動する。

そんな力を育てることが、これからの情報社会を安心して生きるための情報リテラシーではないでしょうか。

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