2021年2月18日

#5【現役教師に聞く】学習の形が変わる!先生も日々勉強する時代 松山先生

stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」

ITでいじめのサインを見逃さない 株式会社マモル代表 くまゆうこが日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。

第5回は、大阪の公立小学校の先生で広島大学大学院で研究を進めていらっしゃる松山先生についてお聞きしました。

※本記事は、2021年2月1日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
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現役教師であり現役大学院生 子どもの心理を使った取り組み

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くま:今日のテーマは前回と同様、未来の先生はどうあるべきかをお聞きしたくて来ていただいているのは大阪の公立小学校で先生をしていて広島大学大学院で研究を進めている松山先生です。私と松山先生の出会いは紹介だったんですよね、人からの。

松山先生:そうですね、前回のたいち先生のご紹介で。

くま:そうだ、太一先生のご紹介ですよね。その時になんて紹介されたかって言うと、私がいじめの(取り組みを)やってるっていう話をしたら「子ども達の心理を使って取り組みをしている先生がいるから紹介するよ」という感じで紹介していただきました。松山先生のおもしろいなと思ったのは現在現役の小学校の先生なのに、広島大学の大学院で論文を書いたりしている大学院生だっていうこと。

松山先生:そうなんですよ、博士過程で。

くま:なんでって博士過程行くのもすごく大変なのに、先生コピーロボットいますか?ぐらいの感じですよね。

松山先生:珍しいと思います。

苦労を乗り越えた3学期は幸せな時期

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くま:珍しい先生だなと思って興味あるんですけど、まさに今日のテーマである未来の先生はどうあるべきかということで、これ毎回先生にお聞きしようと思ってるんですけど、今教員を再び憧れの職業にしましょうというニュースにもありましたけれども、先生っていうのは今あまりみんながなりたいという職業じゃないと思っていて、もともと何で松山先生は先生になったんでしょうか。

松山先生:元々は小学校の時にリコーダーが苦手だったんですよね。

くま:関係ありますか(笑)

松山先生:そこで親にリコーダーを習いに行きなさいって事でピアノ教室に連れて行かれたんです。そこでリコーダーを練習しながらちょっとピアノも習い出したんですね。これから就職どうしようかって高校生ぐらいになった時にピアノ弾けるし、子どもも好きだし保育士にでもなろうかなと思ってたんですね。でも保育士さんの労働条件みたいなのがちょっとお金の面とかであまり魅力的ではなかったので、そこから小学校の先生になろうということで目指して頑張りました。

くま:子どもが好きというところがポイントで、子どもに関わる仕事をしたいなみたいな。

松山先生:そうですね。

くま:今やっぱり毎日子どもに触れてて幸せということですよね。

松山先生:時によりますけれども、特に3月の、1月から3月にかけてはとっても幸せな時期だと思います。やっぱり1学期2学期と様々苦しいことがあるんですね。私と子どもたちの波長が合っていくというか学級経営の中で、様々けんかもありますし、子ども同士の関係作りもして。3学期っていうのは大体それが完成して来る時なんですね。もうあの時期を乗り越えたから今があるんだなっていう風に思って今ずっと仕事しています。

くま:そうですよね、お互い人と人だからいろいろなものが波長が合わないとかありますよね。 松山先生、正直に誰とでもみんな仲良くというわけじゃなく合わない子もいると。でもだんだん時を重ねていくうちに、いろいろその子の個性とか分かってきて合っていくもんなんですかね。

松山先生:合っていくと言うか合わせていくと言うかその子を知って推測しながら生活して行くと言うか私そんなにこうしていこうと引っ張っていくタイプではないので、どうしたら子ども達が心地よくいられるかなという風にみんなで考えて行ったり必要な研究をしていますから、教育プログラムというか心理プログラムの授業したりやっていますね。

くま:子どもが主役ってことですよね。

松山先生:理想はやっぱり先生はいるけれども自分たちで集団を作っていける子ども達になって欲しいなと思いますね。

学び続ける教師

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くま:今のその話がまさに答えなのかもしれないですけど、これからの先生ってどうあるべきなんですかね。

松山先生:学校現場で働いているとすごく状況に左右されるというか、教育って社会の波にすごく左右されますよね。それに対応できる、学び続ける教師っていうのがこれからあるべき姿なのかなと思いますね。

くま:状況っていうのは例えばどういうことですか。

松山先生:例えばコロナ禍から GIGA スクール構想っていうのが始まりまして、

GIGAスクール構想について:文部科学省 www.mext.go.jp

例えば iPad が入ってきたりとか学び方が変わってきてますよね。子ども達が自分で学ぶことをすごく求められているんですけど、その時に目の前に立っている先生がまず自分が今学ぼうという姿であるのかどうかっていうのはすごく問われると思うんですよね。

くま:確かに先生が学ぼうとしてなかったから子どもたちもあれってなっちゃいますよね。

松山先生:学習者であると尊重し合いますよね。子ども達を私も尊重しますし、先生のことも尊重できる可能性もありますからね。

くま:先生、今iPadが学校に入ってきて、授業のやり方とかこういうの便利ななんとかあるんですか。

松山先生:そうですね、私の働いている市では iPad 導入と同時に選択登校制が始まったんです。コロナが怖いなとか感染リスクを避けたいとお家で授業を受けることができるんですけど、選べるんです。そしてお家で受けても出席扱いになるんですね。

くま:それ割合はどれくらいですか、家と学校と。

松山先生:かなり少ないですね、1クラスに1人いるかいないかくらいですかね。

くま:みんな学校に来るってこと?

松山先生:基本的には来てるんですけど、例えばご兄弟が受験生だから下の子も休ませますといってお家で授業を受ける子もいます。

くま:そうなんですね、選択制と聞くと小学生だからかな、6:4ぐらいかなってラジオ聞いてる人も思ったかもしれないですけど、やっぱりみんな学校に来て学んでるんですね。

松山先生:選択制なのでお家で受けてる子も学校で受けている子もみんなが授業に参加できるためにはロイロノートっていうアプリケーションを使うんですね。

【ロイロノート・スクール】1人1台GIGAスクールに最適な授業支援クラウド

授業中手を挙げて発表してしまうとどうしてもおうちにいる子の場合はその子の顔が見えなかったりするので、ロイロノート上で発表を共有したり、タブレットに書き込んでいくって授業がメインになりましたね。

くま:良かったですね、タブレットがないとできないですので。

松山先生:そうですね、難しいと思います。

くま:そういうのも先生が上手に使っていかないとだめってことなんですね。

松山先生:学び方というか、例えば検索したり自分に必要な情報を自分で得たりっていうのはまさに教師もそれをしておかなければ目の前の子ども達にそういう学習をすすめていくことができないので、学び続けていくというのはすごく大事なことだと思ってますね。

くま:大学院に通っているって話も聞きたいんですけど、時間ってどういう風に使ってるんですか。

松山先生:幸いなことに1年目働いた時の初任者指導の先生が「教員というのは5時で帰りなさい」っていう先生だったんですよ。だから私、初任者から5時に帰ってジムとか行ってたんですよ。

くま:私が聞いてる話と違う(笑)

松山先生:すごくいい初任者指導の先生で、英会話とか行ってたんですけどそろそろ大学院も行きたいなって思って初めて行ったのが夜間大学院だったんですね。

くま:学校が終わって夜大学院に行くと。パワーあり余ってますね。

松山先生:そうですね、その頃は元気でしたね。

くま:夜間に行った後に今度は博士ですよね。

松山先生:そうなんですよ、修士課程を卒業したので修士という学位を取得したんですけど、1年間のブランク明けてちょっと自分でも考えてみたんですけど、博士を取れる権利を得ているんだから次も行こうかなと思いまして、必死に受験勉強をしまして広島大学に入学しました。

くま:簡単に言いますけどすごいことですよね。聞いている方に分かりやすく、大学院っていうのは4年の大学を出た後に2年の修士っていう大学院があるんですね。次に2年の修士を出た後に今度は3年の博士過程っていう大学院があって全部で大学院は5年間あって博士過程を出るとなんとか博士みたいななんとか博士みたいな形がつくんですか。

松山先生:そうですね、私は博士課程5年目なんですよね。最短3年なんですけど研究がスムーズにいかなくて5年かかっていますね。

くま:どれぐらいで卒業されるんですか。

松山先生:もう来年には取得できますので、ほとんど博士論文は書き終えています。

くま:論文も書いてるって話なんですけど、それは夜書いてるんですか。

松山先生:子どもが出来てからで全然話が変わったんですけど、子どもが出来る前は夜とかすごく遅い時間まで書いてたんですけど、最近は子どもを寝かしつけてたら僕も眠たくなるので朝に書くことにしていますね。

くま:何時に起きてるんですか。

松山先生:3時か4時ぐらいですね。

くま:朝じゃない、夜中じゃないですか‼

松山先生:たまに奥さんが寝た時間に僕が起きるってこともありましたね。

くま:3時とか4時に起きて論文を書いて、その後に学校行ってるんですか。

松山先生:そうです、もちろん寝る時間も早いですよ、それに合わせてね。

くま:子ども達は知ってるんですか?先生がそういう生活をしてるって。

松山先生:言いますね、今こういう論文書いてるとか、夏の自由研究で僕も博士論文を後ろに貼ってましたね。

くま:子ども達の中には、今日先生3時とか4時に起きていろいろ書いて今ここにいるって理解してる子ども達もいるって事ですよね。

松山先生:そうなんです、基本的に朝が弱いんですけど、3時から起きた時ってすごく朝元気なんですよ、逆に。それで子ども達は分かってくれてるって感じですかね。

くま:そういう話を聞くと子ども達も朝早く起きて、3時はあれですけど頑張ろうとか、目標に向かって頑張ろうみたいな刺激になってるんでしょうね。私も今その話を聞いてちゃんとしようって思いましたね(笑)朝が苦手なので、そうですか。

次回は先生がどんな論文を書いているか、どんな研究をされているかっていうのをお聞きしたいと思います。

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