2021年3月16日

♯14 Twitter数学教師が教える。数学好きの子供になるには 清水先生

stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」

ITでいじめのサインを見逃さない 株式会社マモル代表 くまゆうこが日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。

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第14回は、数学好きの子供になるにはということについて、今日も城北中学校高等学校で数学の先生である清水先生にお聞きしました。

2021年2月17日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。

数学好きな人の近くにいるようにすると数学に興味を持つ?

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くま:清水先生と私の出会いはですね、城北高校の生徒さんが自主的にオンラインで学校説明会をやるっていうイベントがあって、それでどんな学校かなと思って先生にご連絡して色々お話を聞いたっていうのがもともとのきっかけなんですけれども。

清水先生:はい。

くま:1回目2回目といろいろと話を聞いておりますが、今日はせっかく数学の先生でいらっしゃるということなので、数学についてちょっといろいろ聞きたいなと思っていまして。

清水先生:はい。

くま:これは保護者の方もすごく興味のあることだと思うんですけど、数学苦手な方ってすごく多いですよね(笑)
数字アレルギーみたいで。
Twitter で生徒が数学に興味を持つようにするコツはありますかっていうことに対して、先生が数学の好きな人の近くにいるようにするって答えてたんです。これはどういう意味ですか?

清水先生:そのままの意味なんですけど、私たちも数学を教えていてやっぱり数学難しいですし、そこでちょっと苦手意識を持っていく人が多いわけですけど、学校のカリキュラムを見るとどうしても進度があって進んでいくところがあるので、そこで一度やっぱり難しくなってつまずいてしまうとそこをなかなか全体的には止められなくなってしまう。そこでなかなか授業と進度がついていけない状況が生まれることが多いんじゃないかなと思っています。
なので他の教科だったら途中で、あんまりいい例か分からないですけど、社会で時代が切り変わればそこでまた興味が変わってあるのかもしれないですけど、そこの継続的なところがつみ重ねの部分もあるので、学校のところはそういうところもあるのかなっていう風に思います。
学校ももう少し個別にカリキュラム組めるようになるとそうでもなくなるのかなと思うんですが、現在そうなっていないのでというところです。
数学のできる人の近くにいるっていうのは、数学のおもしろさであるとか、後は好きな人の話す雰囲気というかそういうのがあるので。

くま:確かにね。

清水先生:やっぱりそういうのもあるので。そうするとその人が言ってることがよくわからなかったとしても、そこでなんか面白そうだなとか。

くま:調べたりとかするから。

清水先生:あとは数学に興味を持つようにするにはってことで、やっぱり自分が何か知らないこと、こういうことがこうなるんだっていうのを知ってる人の近くにいるとそういうことが聞けたりするので、何かこう生徒も学校の先生でもいいですし生徒同士、友達関係でもいいですけど、そういう人が近くにいるとその影響があると思いますね。

くま:そうですね、そういう意味で数学が好きな人の近くにいるようにするってことですね(笑)
まあ確かにそうですよね、なるほどなと思って。だって仲いい人が数学が好きで数学の話いっぱいしてくれたら興味持つようになるだろうし、ということですよね。

清水先生:やっぱり例えばクラスの中でテストでよく数学ができる子がいて何がおもしろいのとかそういうの聞いてもいいだろうし、それが全部できるわけじゃないだろうけど、何かおもしろさとか、あとはおもしろさもそうですけど、どうやったら数学ができるようになる、そういう話をするんですが数学ができるできないというのはどうしてもテストの点数が良かったになってしまうので、そこだけ見てしまうとおもしろさとあまり関係なくなってしまい、特に機械的になってしまう。例えばこの問題にはこうやる、そこだけのパターンだけになってしまうと確かにつまらなくなっちゃうかなと思うし、逆に言うと点数があまり取れなくても、この問題ってどうなるんだろう、ここ数字を変えたらどうなるんだろうとか、またここをちょっと変えたらどういう風に変わっていくんだろうとか思い出して自分で手を動かして考えてみると広がっていくので、そういったことを少しやるといいのかなと思ってるし、意外とそういった興味とか試しにやってみるとかいうことが回り道のようだけれども意外と最終的には力がついていくことにつながったりすると思ったりもします。

くま:そうですね。

おもしろさ、興味関心、しっかり考えていくプロセスが大事

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清水先生:よくですねうちにも大学受験があるのである程度問題集とかやっていくわけなんですけど、やっぱり問題集今一周したんだけどなかなかちょっと力がついてこない、結果が出てこないという相談が来るのですが、なので受験期の子供達に対しては今言ったようなこれからやる時間は限られてくるのでやっていくことをしっかり考えていくっていうプロセスが大事なんだという話をよくしますね。
どうしても量だけの所というかここまでやったみたいな所を目指す、気持ちはもちろんすごくわかるんですけど、ただそれによって形式になってしまうと結局良くないので、その辺りのところを話すこともあるし。

くま:うん

清水先生:ちょっと受験的な話になってきちゃいましたけれども、やっぱりモチベーションの所は少し異なっていくので、今高校生で受験を目指してるところになると受験通ることが目標になってそこをモチベーションにして勉強していくと思うんですが、もうちょっと長い目で見るとおもしろさ、興味関心が本当に大事になってくるので、受験をやっていくような生徒であってもそこはちょっと忘れないでいて欲しいなと思います。受験やって終わりではないので

くま:本当はそうですよね。でも先生に数学って使うんですか、日常で生きていく中で。

清水先生:使うかって言われたら使います。まずは自分の知らないところでも使われている。例えば天気の降水確率ば確率ですし、身近にもあることもあるんですよね

くま:確率とか統計とかもそうですよね。

清水先生:全然話あれなんですけど、Twitterでホールケーキを3等分するにはどうしたらいいかっていうお題があって、僕ひとつ送って入賞したんですけど。
要するにいろんな切り方があるっていう話であって。
じつは元々はケーキを3等分するところがちょっと数学の人たちは 3等分って自由にあっていいんじゃないかというのでいろんな3等分を考える訳ですよ。

くま:3等分って言われると3つ全部同じと思うんだけど。

清水先生:縦に切ったり考える。

くま:普通皆さんの描いてるケーキの3等分はYの字ですよね。

清水先生:120度。

くま:120度ずつ。

清水先生:でももっと自由に切っていいんじゃないかということで、Twitterでケーキ3等分で検索してみるといろんなものが出てくるので。

くま:Twitterケーキ3等分で検索してください。

清水先生:いろんな切り方、アイディアとか自由さですね、そういったものが溢れてるのでこれは数学身近かどうかいろんな考え方に溢れているというところはありますね。
だからよく言うんですけど、何に使われているからやる、もちろんそういう職業もあります、テクノロジーなんかでありますけど、それよりも数学はおもしろいし興味関心もあるので、要するに何で数学やるのって言ったら好きだからおもしろいから、それぐらいしかないんですよね。

くま:面白いからみたいな。

清水先生:けど他の学問も突き詰めていくと知りたいとかさっきも言ったように作りたいとか問題解決したいという人間の根源的な欲求みたいなところなんじゃないか、またそこに頼らないといろんな理由づけをしても何のために多分違ってくると思うんですね。
じゃああなたはコンピューターを作るために数学をやってるんですかっていうとそれはやっぱり違うねってことになるので。

くま:うん。

清水先生:突き詰めていくとそこの部分、僕たち人類というかひとりひとりが持っている何かを知りたいというような思いが根源的にあって、そこに動かされるんじゃないかと思ってるんです。
それがいろんな、もしかしたら今社会を作っているんじゃないかとも思うんで、そこはいろいろ突き詰めていくとひとつの答えとしてはそういうところなのかなと思います。

数学は訓練したら得意になるもの?

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くま:数学とか算数なのかな、訓練したら得意になるものなんですか、得意というか要は解けるようになるものなんですか、これもよくある質問なんですけど。

清水先生:問題をいっぱい解いていくと、解き方もそうだしいろんなものが考え方も入ってくるのでもちろん解けるようになってきます。
でもさっき言ったようにパターン的にAが来たらBこうする、Bが来たらこうするとすると、新しく見たこともない問題が出てきた時にどうしようもなくなりますね。

くま:そうですよね、ものが出てきた時におもしろいと思ったり解こうと思ったりする力はすごく大事ですよね。

清水先生:そこで例えば当面うちの学校でいうと受験があるから、そこでそういうことをやっていくということになるんだけど、実際にはどうしようかなっていうことを、例えばテンプレでない形で回答を向けたり。
その中で最終的にうまく行かなかったとしても、そういったやってみてうまく行った行かないというところのトライアンドエラーみたいなところは大事なんだと思います。そういう経験を積んでいろんな問題が解けていくようになるんじゃないかなと思います。

くま:うん。

清水先生:だから高校2年生で質問で生徒が来るわけです。先生どうやって解くんですかって。
これはこうですかって話をするんですけど生徒は驚くんですよ。
先生その発想はどこから来るんですかっていう話になる。

くま:なるほど。

清水先生:そうだね、どこからって来るって言うかいろいろ考えてこれがいいかなって話をするんですけど。

くま:でもそれすごくわかるな。

清水先生:でもそれはもう僕なんかはいっぱい解いていた中で何となくこれがいいかなというのを選んで、でうまく行かないことももちろんある。これやったけどちょっとうまく行かないから戻るねって話をする時もあるし。
その過程は結構大事で、生徒にはこういうのあるけれど、いろいろガチャガチャやる時に何か出てきたら、これからやる時にそれを使ってみればという話をしますね。

くま:解いたり見たりやってるから新しい発想があるっていうのもあるんですね。

清水先生:そうだと思います。何もない下地のところでそこに積み上げることは難しいので、やっぱりいろいろ考えていく中でアイディアを考えたり違うところからアイディアを持ってきたりするので、それはあるでしょうね。

くま:そうですね、その話を聞くと何か楽しそうな感じがしてきましたね、数学が。

清水先生:そうですね、だから身近なところから始まって深く考えていくと楽しいことというかこうなるんだってことが思えてくると。

くま:いいですよね、保護者の方もお子さんと一緒にもう一回数学を学び直すのもいいかもしれませんね。

清水先生:そうですね、ダメだってことは全然ないので子どものところで一緒に勉強、学習するところがあれば一緒にちょっと考えてもらって分からないところはもう専門家に投げて。

くま:清水先生がTwitterでですね数学のいろんな質問とか答えてくれてますもんね。

清水先生:大丈夫大丈夫、それでもいいですよね。

くま:分からなかったら最後の最後、清水先生を頼ってください。

清水先生:いろんな方が答えてくれると思うので。

くま:そうですね(笑)

教員である僕があえてTwitterやLINEを使っている理由

清水先生:Twitterで意図的に多くやっていこうと思ったのは理由があって、学校だとTwitterとかLINEですね、 悪者なんです。

くま:いや悪者ですよね。

清水先生:だからやっぱり怖い。もちろん怖いのもあって気を付けなければいけないのも当然そうなんですけど、もっとちゃんとした使い方を提示できるんじゃないかということで、私自身はTwitterといえば実名でやるようにしています。だからそこでこういう者がやっているという形であって、後は出来るだけ丁寧に発言するようにしている。
そういったことをやっていく中で、そうするとお互いの意見交換がきちんとできることを知ってもらいたいってのもある。
もちろんTwitterですのでグワーッと炎上しているところもあるし、それを意図してやっているところもあるし、難しさあるんですけど
ただTwitterを作った方々にも少し聞いたことがあるんですけど、最初の意図はコミュニケーションを広げていきたいというところが、今はどうしても商業的なものが中心になってしまってますから、そういうところはあるはずなので、そういった面を見ようとして使っていきたいというところがありますね。

くま:そうなんですね、正しい使い方ですね、みんなの知見を集めるみたいなね。

清水先生:あとLINEも同じで、LINEだけではないんですけどいろんな犯罪的なものもあって、非常に負のところを強調されるんですけど、私自身共働きで妻も働いている関係もあってなかなか学校の方にはあまり遅くまでいられないような状況にあるので、生徒からの質問とかどうやって受けようかなと考えている時に少しLINEを使って自分が空いてる時間に対応できるようにやってみよう

くま:LINEで先生に聞けるんですか、うらやましいな

清水先生:いろんな懸念もあるのでみんなが出来るわけではないけど、まずちょっと大丈夫かなとやってみて。やってみた結果、僕にとってはグループでやるのはダメだったんですよ、質問がグループで来るのは対応もできないし読めないしよく分からなかったのでじゃあ一対一でやろうと一応そういう枠組みを決めてやっていったら生徒も丁寧だし、いい感じでできるようになったので、じゃあ数学はこんな形で。
特にあとは画像検索、映像もそうなんですけど、画像もちゃんと普通のテキストだけでは伝わらないものが多いので。

くま:そうですよね、説明がね。

清水先生:写真を撮って送れるので、それを見ながら理解も深まるので、これは今も続けてますけど、これはいろいろな働き方があるのでみんながそうしなきゃいけないということでは全然ないんだけど、逆にライフスタイルを考えてその方がやりやすいのであればこちらの方向性も考えていいんじゃないかなというとこでしょうね。

くま:話を聞いてケーキの切り方をTwitterで検索している人もいるだろうし、そうやって質問とか受け付けてくれるんだなと驚いた方もいると思うんですけど、今日はまたみんなで数学をまた学びましょう、ありがとうございました。
今度は質問が来ているのがあるのでそれに答えていただきます。

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