TBS報道特集 教員のブラック勤務問題
2月12日(土)17:30からTBS報道特集されていました。
内容は、自身が務める高校を相手に裁判を起こした高校の教員に密着する内容でした。
その教員は、1ヶ月の残業が155時間と過労死ラインである80時間の約2倍もの時間を働き、適応障害を発症し5ヶ月の休職を余儀なくされたそうです。
密着をしていた日も、朝の7時から勤務を開始し夜の8時半まで働くという13時間半の労働時間でした。
部活の顧問をし、授業を行い、生徒の相談にも乗ってくれる「いい先生」なのですが、真面目に働けば働くほど負担が増えてしまいます。
番組はYouTubeでも配信されています。*YouTubeリンクはこのページの一番最後にリンクつけています。
問題となるのが給特法
過重労働については、日本全国色んな職種の人が行っていると思います。
私もこれまでの社会人経験から、夜遅くまで働くことも多かったです。
いや、今もです!
でも、先生って朝が早いんですよね。毎日夜遅く、朝早く、日中も休む暇もない。
そんな環境だと体を壊してしまうのは理解できます。
問題になるのが「給特法」。
正式には「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」といい、
”教員の仕事の特性上、残業代を4%固定で上乗せでそれ以上の残業代を支給しない”
という内容の法律です。
残業代が固定されているため、一般の会社にあるような「残業代コスト削減の意識」がなく、半ばボランティアのような形で残業をしています。
この法律は1966年に制定され、今も適用されています。
さまざまな時代の変化があり、教育指針の変更もされる中この法律が継続されて適用されていることはいかがなことでしょうか?
教員は「争議行為」いわゆるストライキを禁止されていることから問題提起を行うこともできません。
その他にもさまざまな問題について語られています。
教員の休職者の数
によれば、教員の令和2年度の精神疾患による休職者は5,180人です。これは全体の0.56%にあたる数字で、うち半分は小学校の教職員になります。
これはあくまでも、公立学校の教職員の数字で、私立を含めたらもっと多いものと思われます。
発表の中の「調査結果を踏まえた今後の対応」でも一番初めにメンタルヘルスや勤務時間管理に対する対策が記載されるなど、国も問題意識を持っていることがわかります。
なぜ教員に負担がかかっているのか?
主に2つがあげられます。
①沢山の業務がある
日本の教員は、教員としての仕事以外のことまで、こなさなければいけない傾向にあります。
その最たる例が部活動の顧問。経験のない競技や活動の顧問になった場合、その分野への勉強を多かれ少なかれしなければいけません。これは勤務時間外に行われることが多いのが現状です。
放課後や休日などの勤務時間外にも活動を強いられ、場合によっては時間外手当が払われず、教員の善意に頼っていることも多い状況です。
また校内の清掃もその1つです。特にコロナ禍以降、感染症対策として校内の消毒を教員が行っている現状があります。
部活動の活動も校内の清掃も、教員の専門外です。必ずしも教員が担わなければいけない仕事ではありません。外部委託するなどして、教員の負担を減らすことが急務になっています。
その業務のせいで教員の主となる業務である「授業」に集中できない現状もあります。
いくらベテランの先生でも何の準備なしに授業を行うことはできません。
特に経験の浅い先生ならなおさら。普段の業務では、準備の時間が取れないため、教員が授業を行うための「予習や授業準備」は勤務時間外に行われることが多く十分な時間を取ることができません。
②保護者への対応
生徒の対応以上に気を使っているのが、保護者への対応です。無理難題を学校に要求する保護者が増えています。罵詈雑言を浴びせたり、人格を否定するようなケースもあり、ストレスになっていることは間違いありません。
さらに今はコロナに罹患してしまった生徒への対応も行わなければいけません。
そういった保護者への対応に多大な時間を割き、通常の校務を圧迫しているケースが多々あります。
たった一人で対応していると、その教員の負担になります。ただ、他の教員に相談しようにも他の教員も手一杯で助けることができない現状があります。
少しでも個人の負担を減らすために学校という組織として全体で対応する必要があると言われています。その教職員をサポートする体制があれば、心身の負担を減らすことができると考えられているためです。
ICT導入は解決の糸口になるか?
教員を増員することが1番の手なのですが、教員は全国で2,000人以上(文部科学省調査)
不足しているとも言われており人材を確保することが難しくなっています。
その解決策として考えられるのが「ICTの積極的な導入」です。
効率的にツールを使って、業務を改善しようという試みですね。
また保護者対応以外にも教員へのサポートは必要です。指導者として頼りにされる立場ゆえに弱音を吐けず、追い詰められてしまう教員もいるでしょう。そういった状況を作らないよう、またそうなってしまった場合、すぐにフォローをできる環境が必要だと思います。
教員の精神面の負担が減れば、教育の質が上がり、生徒がより充実した学校生活を送れる可能性もあります。
私個人としても、教員に余計な負担をかける保護者にならないよう、気をつけたいと思います。
指導要領も変更され、教育業界は変革の時期を迎えています。
前々から課題になっていた、「教員の負担」。
今回のTBSの番組でまた考えさせられました。
また見ていない方は是非ご覧ください。
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