2026年8月3日

ゲームの世界は現実につながっている

【情報リテラシーコラム Vol.11】

Gaming Literacy ゲームコミュニケーション編 ❹

家庭で育てたいゲームリテラシー

こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。

これまで3回にわたり、オンラインゲームを通じたコミュニケーションについて考えてきました。

第1回では、ゲームを通じて生まれる「ゲーム友達」という新しい人間関係をご紹介しました。

第2回では、ボイスチャットでの何気ない会話や生活音が、思わぬ個人情報につながる可能性についてお伝えしました。

第3回では、Discordなどのコミュニケーションツールを利用する際に大切なのは、「危険だから使わない」ではなく、「仕組みを理解して安全に利用すること」であるとお話ししました。

そして最終回は、このシリーズを締めくくるテーマとして、「家庭で育てたいゲームリテラシー」について考えてみたいと思います。

ゲームは「遊び」だけではなくなっている

「ゲームばかりしていて心配です。」

講演会で保護者の方から最も多くいただく相談の一つです。

一方で子どもたちは、

「友達と約束している。」

「みんなで話しているだけ。」

「ゲームをしながら会話している。」

と話します。

この認識の違いは、決して珍しいことではありません。

今のオンラインゲームは、ゲームをすることだけが目的ではありません。

ゲームを通じて友達と会話をし、一緒に遊び、笑い合い、協力する。

子どもたちにとっては、ゲームそのものがコミュニケーションの場になっているのです。

だからこそ、「ゲーム=悪いもの」と決めつけてしまうと、子どもたちが普段どのようなコミュニケーションをしているのかを知る機会を失ってしまいます。

大切なのは「ゲーム時間」より「ゲームの中身」

保護者はつい、

「今日は何時間ゲームをしたの?」

という点に目が向きがちです。

もちろん、長時間の利用には注意が必要です。

しかし、それと同じくらい大切なのが、

「誰と遊んでいるのか。」

「どんな話をしているのか。」

「どんなゲームなのか。」

という「中身」を知ることです。

例えば、協力して目標を達成するゲームなのか。

競い合うゲームなのか。

学校の友達と遊んでいるのか。

ゲームで知り合った仲間なのか。

ゲームの内容が分かると、保護者の不安も具体的になり、子どもと話しやすくなります。

「ルールを決める」より「一緒に考える」

家庭では、ゲームの利用時間やルールを決めているご家庭も多いでしょう。

もちろん、それも大切です。

しかし、ルールは「守らせるもの」ではなく、「なぜ必要なのかを理解するもの」であることが重要です。

例えば、

「寝る前はゲームを終えよう。」

「知らない人に個人情報は伝えない。」

「困ったことがあれば相談しよう。」

こうした約束も、「危ないから」ではなく、「自分を守るため」という理由を子ども自身が理解しているかどうかで、その意味は大きく変わります。

家庭での情報リテラシー教育は、「禁止」ではなく、「考える力」を育てることから始まります。

保護者がゲームを知らなくても大丈夫

「ゲームをしないので、何を話しているのか分かりません。」

そうおっしゃる保護者の方も少なくありません。

ゲームのルールをすべて覚える必要はありません。

まずは、

「今どんなゲームが流行っているの?」

「何が面白いの?」

「友達とはどんなことを話すの?」

そんな会話をするだけでも十分です。

子どもは、自分の好きなことに興味を持ってもらえるとうれしいものです。

その積み重ねが、「困ったことがあったら相談できる関係」につながっていきます。

デジタル社会で必要なのは「判断する力」

ゲームはこれからも進化していきます。

AIを活用したゲーム、VRやARを使ったゲーム、新しいコミュニケーションツール。

数年後には、今とはまったく違う遊び方が当たり前になっているかもしれません。

だからこそ、サービスの名前や機能だけを覚えても十分ではありません。

必要なのは、

「この相手に伝えても大丈夫かな。」

「この情報は公開しても問題ないかな。」

「困ったときは誰に相談しよう。」

と、自分自身で考え、判断できる力です。

それが、ゲームだけではなく、SNSや生成AIなど、あらゆるデジタルサービスを安全に利用するための土台になります。

ゲームリテラシーは、親子で育てるもの

この4回シリーズでは、オンラインゲームを入り口に、情報リテラシーについて考えてきました。

ゲームは、子どもたちから取り上げるべきものではなく、正しく理解し、安全に楽しむためのものです。

保護者がすべてのゲームを知る必要はありません。

子どもがすべてを一人で判断できるとも限りません。

だからこそ、親子で話し合い、一緒に学び、一緒に考えることが大切です。

情報リテラシーとは、危険なサービスを見つける力ではありません。

新しいサービスが次々と生まれるデジタル社会の中で、「どのように使えば安心なのか」を自分で考え、判断できる力です。

ゲームの世界は、現実の世界とつながっています。

だからこそ、ゲームの中で身につけた情報リテラシーは、SNSでも、生成AIでも、そして社会に出てからも、自分自身を守る力になっていくはずです。

今日のリテラシーポイント

「ゲームを禁止すること」ではなく、「ゲームを通して判断する力を育てること」が、これからのゲームリテラシーです。

子どもが安心して相談できる家庭の環境こそが、最も身近で効果的な情報リテラシー教育になります。

株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています

株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、情報リテラシーやSNS、オンラインゲーム、生成AIなど、デジタル社会における安全な活用に関する講演・研修を実施しています。

ゲームやSNSは、子どもたちの生活から切り離せない存在になっています。だからこそ、「禁止する」のではなく、「安全に使いこなす力」を育てることが重要です。

講演では、最新のデジタルサービスを題材に、保護者・教職員・企業担当者それぞれの立場で今日から実践できる情報リテラシーを、実例を交えながら分かりやすくお伝えしています。

学校、PTA、自治体、企業での講演や研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。

シリーズを終えて

オンラインゲームは、これからも子どもたちのコミュニケーションの場として進化し続けるでしょう。

だからこそ大切なのは、「ゲームは危険」「ゲームは禁止」と結論づけることではありません。

ゲームという身近なデジタルサービスを通じて、人との距離感や個人情報の大切さ、相手を思いやるコミュニケーション、そして自ら判断する力を育てていくことです。

株式会社マモルは、これからも情報リテラシーを通じて、子どもから大人まで、一人ひとりが安心してデジタル社会と向き合える環境づくりを支援してまいります。

次回からは、「生成AI編」をスタートします。

仕事や学校、家庭でも急速に身近な存在となった生成AI。便利な一方で、「どこまで信じていいの?」「個人情報を入力しても大丈夫?」など、新たな疑問や課題も生まれています。

次回からは、生成AIとの上手な付き合い方について、情報リテラシーの視点から全4回で考えていきます。

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