家族で話したいデジタルルール
【情報リテラシーコラム Vol.14】 Digital Life Literacy デジタル生活編 ③
スマホを禁止する前にできること
こんにちは。株式会社マモル 代表 くまゆうこです。
「スマホは何時間まで?」
「夜はスマホをリビングに置いておきなさい」
「ゲームは宿題が終わってから」
子どもにスマートフォンを持たせると、家庭ではさまざまなルールが必要になります。
特に、使いすぎが気になると、「もうスマホは禁止」「ゲームは取り上げる」といった方法を考えることもあるでしょう。
もちろん、家庭で一定のルールを決めることは大切です。
ただ、デジタル機器との付き合い方を考えるとき、私が大切にしてほしいと思うのは、「禁止する前に、一緒に考えること」です。
今回のコラムでは、子どもと大人が一緒に考えたい「デジタルルール」についてお話しします。
「何時間使ったか」だけで判断しない
スマートフォンの利用について話すとき、最初に出てきやすいのが「使用時間」です。
「1日1時間まで」
「夜9時以降は使わない」
というルールは、分かりやすいというメリットがあります。
しかし、同じ1時間でも、使い方はさまざまです。
宿題について調べている1時間と、動画を見続けている1時間では意味が違います。
家族との連絡に使っていることもあれば、友達とのコミュニケーションに使っていることもあります。
そのため、
「何時間使ったか」
だけではなく、
「何のために使っているのか」
にも目を向けることが大切です。
「取り上げる」は簡単。でも、その先は?
子どもがスマホを使いすぎていると、
「今日はスマホ禁止!」
と取り上げたくなることがあります。
短期的には、これで使用時間を減らせるかもしれません。
しかし、それだけでは子ども自身が「なぜ使いすぎたのか」「どうすれば自分で調整できるのか」を考える機会がなくなってしまいます。
大人が管理できる年齢のうちは、それでも対応できるでしょう。
しかし、子どもが成長すれば、親の目が届かない場所でスマートフォンを使うようになります。
学校、友達の家、外出先、アルバイト先など、親がすべて管理することはできません。
だからこそ、最終的には**「自分で使い方を調整する力」**を育てる必要があります。
まずは「困っていること」を家族で共有する
家庭でルールを作るとき、最初から、
「何時まで」
「何分まで」
と決めるのではなく、
「スマホを使っていて困っていることはある?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
例えば子どもから、
「寝る前に動画を見始めると止められない」
「友達からメッセージが来ると、すぐ返さないと不安になる」
「ゲームを途中でやめるのが難しい」
といった話が出てくるかもしれません。
一方で、保護者からは、
「夜遅くまで使っているのが心配」
「食事中もスマホを見ているのが気になる」
「知らない人とやり取りしていないか心配」
など、それぞれ違う問題が見えてくるでしょう。
まず、お互いが何を心配しているのかを知る。
そこから家庭のルールを考えてみてはいかがでしょうか。
「禁止」ではなく「目的」を決める
例えば、
「夜9時以降はスマホ禁止」
というルールだけでなく、
「睡眠時間を確保するため、寝る前はスマホを使わない」
と目的まで共有してみます。
「食事中はスマホ禁止」も、
「食事の時間は家族との会話を大切にする」
という考え方を伝えることができます。
ルールの背景にある理由が分かれば、子ども自身も納得しやすくなります。
そして、成長や生活環境の変化に合わせて、ルールを見直すこともできます。
「親も守る」が大切
家庭でデジタルルールを作るとき、意外と重要なのが大人の行動です。
「食事中はスマホをやめよう」と子どもに言いながら、親がスマートフォンを見ていたら、子どもはどう感じるでしょうか。
「大人はいいのに、どうして自分はダメなの?」
と思うかもしれません。
もちろん、仕事などで大人に必要な事情はあります。
だからこそ、
「これは仕事の連絡だから確認するね」
「今は家族の時間だから、後で見るね」
など、理由を言葉にすることも大切です。
デジタルルールは、子どもだけを縛るものではありません。
家族みんなが気持ちよくデジタル機器を使うための約束と考えると、話し合いやすくなります。

「困ったときのルール」も決めておく
もう一つ、家庭で決めておきたいのが、トラブルが起きたときのルールです。
例えば、
「知らない人からメッセージが来た」
「友達とのSNSトラブルが起きた」
「嫌な写真を送られた」
「ネットで怖いものを見てしまった」
そんなとき、
「怒られるから隠す」
となってしまうと、問題がさらに大きくなる可能性があります。
そこで、
「困ったことが起きたら、まず家族に相談する。相談したこと自体は責めない」
という約束を作っておくことをおすすめします。
もちろん、ルールを破った場合には、その理由や今後の使い方を一緒に考える必要があります。
しかし、「相談したことまで怒られる」という環境では、子どもは困ったときに助けを求めにくくなります。
ルールは「一度決めたら終わり」ではない
子どもの年齢や生活環境によって、スマートフォンの使い方は変化します。
小学生のときには必要だったルールが、中学生や高校生になれば合わなくなることもあります。
反対に、SNSやオンラインゲームなど、新しいサービスを使い始めたら、新しいルールが必要になるかもしれません。
そのため、家庭のデジタルルールは、
「一度決めて守らせるもの」ではなく、「家族で定期的に見直すもの」
と考えてみてください。
「最近、スマホの使い方で困っていることはない?」
と、定期的に話すだけでも十分です。
スマホを「敵」にしない
スマートフォンには、もちろんリスクがあります。
しかし、連絡、学習、情報収集、創作、友人との交流など、子どもたちにとって大切な道具でもあります。
だからこそ、
「スマホは悪いもの」
と決めつけるのではなく、
「便利なものだからこそ、上手に使おう」
と伝えることが大切です。
情報リテラシーとは、危険なものをすべて遠ざけることではありません。
便利さとリスクの両方を知り、自分で判断する力を身につけることです。
親がいつまでも管理するのではなく、少しずつ子ども自身が考えられるようにする。
そのために、家庭でできる最初の一歩が「話し合うこと」なのではないでしょうか。
今日のリテラシーポイント
「スマホを取り上げる前に、まず一緒に考える。」
「何時間まで」というルールだけでなく、「なぜそのルールが必要なのか」「困ったときはどうするのか」まで家族で話し合うことが、子どものデジタルリテラシーを育てます。
株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています
株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、SNS、生成AI、オンラインゲーム、スマートフォンなど、デジタル社会における情報リテラシーに関する講演・研修を実施しています。
デジタル機器の利用について、「使わせない」「禁止する」だけではなく、子ども自身が適切な使い方を考え、判断できる力を育てることが大切です。
講演では、SNSやオンラインゲームなど、子どもたちに身近なデジタルサービスを題材に、家庭や学校でどのようなルールを作ればよいのか、具体的な事例を交えながら分かりやすくお伝えしています。
また、子どもだけでなく、保護者や教職員、大人自身がデジタル社会について学ぶ機会も大切にしています。
学校、PTA、自治体、企業での情報リテラシー講演・研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。
次回予告
スマートフォン、SNS、生成AI、オンラインゲーム――私たちの生活には、さまざまなデジタルサービスが入り込んでいます。
便利になる一方で、「知らなかった」では済まされない情報トラブルも増えています。
では、これからのデジタル社会を安心して生きていくために、私たちに必要な力とは何でしょうか。
次回、「Digital Life Literacy」最終回では、
「未来を守る情報リテラシー」
子どもも大人も一緒に考えたいこと
をテーマに、これまでのシリーズを振り返りながら、年齢に関係なく身につけたいデジタル社会との向き合い方について考えます。
- ブログ
