便利なアプリほど設定を見直そう
【情報リテラシーコラム Vol.13】Digital Life Literacy デジタル生活編 ②
知っておきたいプライバシー管理
こんにちは。株式会社マモル 代表 くまゆうこです。
「このアプリ、便利だから入れておこう」
スマートフォンを使っていると、そんな場面が何度もあります。
地図アプリで現在地を確認したり、写真を加工したり、動画を楽しんだり、買い物をしたり。今では、スマートフォン一台でさまざまなことができるようになりました。
その一方で、アプリを利用するときに「アクセスを許可しますか?」と表示されることがあります。
位置情報、カメラ、マイク、連絡先、写真など、さまざまな権限を求められることがありますが、皆さんは一つひとつ確認しているでしょうか。
「よく分からないけれど、許可しないと使えないから」
と、そのまま「許可」を押してしまう人もいるかもしれません。
しかし、便利なアプリだからこそ、どんな情報へのアクセスを許可しているのかを一度確認してみることが大切です。
「許可してください」は何のため?
アプリがスマートフォンの機能を利用するためには、一定の権限が必要になる場合があります。
例えば、地図アプリが現在地を表示するには位置情報へのアクセスが必要です。
写真を撮影・編集するアプリなら、カメラや写真へのアクセスを求めることがあります。
音声通話や録音をするアプリなら、マイクへのアクセスが必要になることもあります。
つまり、「権限を求められる=危険なアプリ」というわけではありません。
大切なのは、
「なぜ、このアプリにこの情報へのアクセスが必要なのか?」
と考えることです。
アプリの目的と必要な権限が合っているのかを確認する習慣を身につけましょう。
「一度許可したら、そのまま」になっていない?
スマートフォンでは、アプリごとに権限を確認・変更できる機能が用意されています。
例えば、
「このアプリには位置情報を常に許可していたけれど、本当に必要かな?」
「使っていないアプリが写真へのアクセス権を持っていないかな?」
「以前許可したマイクへのアクセスを、そのままにしていないかな?」
といった具合です。
アプリをインストールしたときには必要だと思った設定でも、使い方が変わったり、アプリをほとんど使わなくなったりすることがあります。
だからこそ、設定は一度決めたら終わりではありません。
時々見直すことが大切です。
子どものスマートフォンこそ「一緒に確認」
子どもがスマートフォンを持つようになると、保護者として気になるのがプライバシーです。
「知らない人とつながらない」
「個人情報を送らない」
といったSNSのルールはもちろん大切です。
しかし、それだけではありません。
アプリを入れるときに、
「このアプリは何をするもの?」
「どうして位置情報が必要なのかな?」
「カメラへのアクセスを許可して大丈夫かな?」
と、一緒に確認してみてください。
設定を親がすべて管理するのではなく、子ども自身に「なぜこの設定なのか」を考えてもらうことが重要です。
そうすることで、新しいアプリを使うときにも、自分で判断する力につながります。

「全部オフ」にすれば安全、ではない
プライバシーが心配だからといって、すべての権限をオフにすればよいというわけではありません。
例えば、地図アプリの位置情報を完全にオフにすると、現在地を使った便利な機能が利用できなくなることがあります。
重要なのは、
必要な機能には必要な権限を与え、必要のないものは見直す
という考え方です。
「便利さ」と「プライバシー」のどちらか一方を選ぶのではなく、自分にとって適切なバランスを考えることが、デジタル生活では大切です。
無料アプリなら「無料だから安心」とは限らない
アプリを選ぶとき、「無料だから使ってみよう」と考えることもあるでしょう。
もちろん、無料で便利なアプリはたくさんあります。
しかし、「無料」ということだけを理由に、何でも安心して使えるわけではありません。
アプリを利用するときには、提供元を確認したり、どのような情報を扱うサービスなのかを確認したりすることも大切です。
特に、名前や写真、位置情報など、自分に関する情報を入力・提供する場合には、
「この情報を提供しても大丈夫かな?」
と一度立ち止まる習慣をつけましょう。
社会人も注意したい「仕事用スマホ」
プライバシー管理は、子どもだけの問題ではありません。
社会人の場合、スマートフォンに仕事に関する情報が入っていることもあります。
仕事用の写真、顧客との連絡先、社内資料、メールなどです。
例えば、仕事で撮影した写真を個人のアプリで加工したり、業務上の情報を不用意にアプリへ入力したりすると、会社のルールに反する可能性があります。
「便利だから」という理由だけで、仕事の情報をさまざまなアプリに渡してよいわけではありません。
企業では、業務で利用するアプリやサービスについてルールを決め、従業員がそれを理解することも重要です。
たまには「スマホの健康診断」を
そこでおすすめしたいのが、定期的な「スマホの健康診断」です。
難しいことをする必要はありません。
例えば、
・使っていないアプリを削除する
・アプリごとの権限を確認する
・位置情報の設定を見直す
・写真や連絡先へのアクセスを確認する
・スマートフォン本体のOSやアプリを最新の状態にする
など、できるところから始めてみましょう。
特に、長期間使っていないアプリは、今もスマートフォンの中に残っている必要があるのか考えてみるとよいでしょう。
プライバシー管理は「怖がること」ではない
プライバシーという言葉を聞くと、
「個人情報を盗まれないようにしなければ」
と、少し難しく感じるかもしれません。
しかし、情報リテラシーの基本は、必要以上に怖がることではありません。
「自分の情報を、誰に、何のために渡しているのかを知る」
ことです。
アプリは私たちの生活を便利にしてくれる大切な道具です。
だからこそ、便利さだけを見るのではなく、その裏側でどのような情報が扱われているのかにも目を向けてみましょう。
設定画面を開いてみる。
必要のない権限を見直してみる。
使っていないアプリを整理する。
その小さな習慣が、自分のプライバシーを守ることにつながります。
今日のリテラシーポイント
「許可を押したら終わりではなく、ときどき設定を見直す。」
アプリを便利に使いながら、自分の情報を自分で管理する。
その意識こそが、デジタル生活に必要なプライバシーリテラシーです。
株式会社マモルでは情報リテラシー講演・研修を実施しています
株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、SNS、生成AI、オンラインゲーム、スマートフォンなど、デジタル社会における情報リテラシーに関する講演・研修を実施しています。
デジタルサービスは、便利になるほど私たちの生活に深く入り込んでいきます。
だからこそ、「危険だから使わない」のではなく、どのような情報が扱われているのかを知り、自分で設定や使い方を判断する力が大切です。
講演では、子どもたちが実際に利用するスマートフォンやアプリを題材に、プライバシー管理や情報の扱い方について、具体的な事例を交えながら分かりやすくお伝えしています。
学校、PTA、自治体、企業での情報リテラシー講演・研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。
次回予告
スマートフォンの使い方をめぐって、家庭では、
「何時間まで使っていいの?」
「夜はスマホを預けなさい」
「ゲームばかりしないで勉強しなさい」
といったルールが作られることがあります。
しかし、デジタル機器を「禁止する」だけでは、子ども自身が判断する力はなかなか育ちません。
次回は、「家族で話したいデジタルルール――スマホを禁止する前にできること」をテーマに、家庭でのデジタルとの付き合い方について考えます。
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