子供の「ネットいじめ」の現状、何を書いたら「犯罪」になるの?
以前、ワーキングマザーサイトBARVAで 弁護士の荒生先生にお話を伺った記事が大変好評とのことなのでこちらでも紹介します。
多くの人は、犯罪と聞くとドキッとしますよね。
保護者の方も、何を書いたら犯罪なのか知りたいという気持ちでアクセスしてくれると思います。
↓元記事はこちらです↓
ネットいじめとは?
ネットいじめの多くは、LINE、Twitterで行われます。
具体的には特定の人物への誹謗中傷、なりすまして貶めるような言動を取る、プライベートな情報を許可なく拡散する、といったことがあるようです。
またLINEのグループからはずして悪口を言う、仲間はずれというのも多いとか。
こうして見てみると、ネットで行われているというだけで、現実世界にあるいじめと変わりませんね。
ただし、現実世界で起こっている場合とは違い、ネットはクローズドな環境になりやすいため、外からは見つけづらいように思えます。
ネット特有のいじめ、「なりすまし」とは
誰かのフリをした上で、また別の誰かを誹謗中傷し、フリをした人の社会的信用を傷つける行為です。
顔写真やSNSのアイコンを勝手に使用し、プロフィールを真似ることで、なりすますそうです。
これは直接的に誹謗中傷をされているわけではないので、発覚しづらいそう。発覚したらSNSの運営会社に通報したり、個人情報の開示を請求する裁判を行うといった対処法があるようです。
何をしたり、言ったりするとネットいじめになる?
例えばSNS上で「バカ」や「死ね」といった発言が投稿されたとしても、一度や二度では罪に問われる可能性は低いようです。
しかし、言動に対しどれだけ耐えられるかは、受け手によって異なります。
そのため、「こんなことをしたり、何回言ったら罪になる」といった明確な線引きはないようです。
その一方、明確に問題となるケースもあります。
明らかに嘘である情報を意図的に拡散した場合、名誉を傷つけることになったり、プライバシーの侵害になるそうです。一例としてあげると、実際にはそうでないのに、「傷害罪で少年院に入っていた」と書き込みがあったとします。これは名誉を傷つけたり、プライバシーを侵害するといった行為になるようです。
先述したなりすましも、プライバシーの侵害にあたる可能性があるようです。
また、初めはそのつもりはなくとも、結果的にいじめやネットいじめにつながることもあるそう。
悪ふざけで撮っていた動画が、関係が壊れたのをきっかけに拡散されてトラブルになるということも。撮影していたときはそんなつもりがなかったとしても、ケンカをしたあとの腹いせに、「あいつはこんな悪いことをしていた」と動画を拡散されるパターンです。
ネット上で行われたことは履歴が残りやすい
同じ類のいじめであっても、現実世界で行われたときより、ネット上で行われたときの方が、履歴が残りやすいということです。
そのため、被害者になってしまった場合は証拠を集めやすいように思えます。匿名掲示板に悪口を書かれ子のご両親が通信事業者に対し、契約者の個人情報の開示を請求すること裁判を行い、悪口を書いた個人を特定したという実例もあります。
学校で現実にいじめがあったとして、学校に調査を求めても、隠蔽され、いじめがなかったことにされるパターンもあります。それに比べるといじめた人間を正確に特定しやすいように思えます。
反対に加害者になった場合も、証拠が残りしっかりと残り、かつ取り返しのつかないくらい拡散されやすいという怖さもあります。
最近頻繁に起こるバイトテロ。アルバイトをする学生などがバイト先でモラルのない行動を撮影し、動画が拡散されるというものです。
元の動画を削除しても、拡散された動画は永遠にインターネットに残ります。その動画が一生つきまとい、残りの人生の足かせになるという恐ろしさを理解しておくべきでしょう。
ネットいじめをしない、されたりしないためにはどうすればいい?
ネットいじめをしたり、されたりしないよう、子供にインターネットの使用を禁じたとしても、巻き込まれてしまう可能性もありますね。 それに今のご時勢、インターネットに触れることを避けるのは不可能です。
絶対に回避する方法はないかもしれませんが、可能な限り避けるために、次の3つを子供に意識させるべきかと思います。
1. むやみに個人情報を投稿しない
特に顔写真は投稿を避けたほうがいいように思えます。なぜならば、なりすましに使用される危険性があるからです。
写真に映った風景から個人情報を特定されることもあります。
いい写真や面白い動画が撮れたら投稿したくなるもの。その前に一呼吸置き、「個人情報が知られてしまわないか」を考えさせる癖をつけさせた方がいいでしょう。
2. 想像力を持ち、判断する力を身につける
「こんなことをしたり書いたりしたら、相手が傷つくのでは?」「この動画が拡散されたら、トラブルになるか?」と想像させることが、ネットいじめの一番の回避方かと思います。
軽い気持ちで拡散させたら、その情報が嘘だったということが頻繁に起こっています。
常磐道で起こったあおり運転の事件で、犯人扱いされた女性が事件とは無関係だったということは記憶に新しいと思います。
正義感から悪気なく拡散すると、名誉毀損となり、意図せず加害者になる可能性があります。これは子供同士のやりとりでも起こり得ることです。
拡散する前に、「この情報は本当に正しいのか」「情報が間違っていた場合、拡散するとどんなことになるか」を想像させることが大事でしょう。
3. 親や先生などに相談させるようにする
ネットいじめは外からだと見えづらく、大人が気付けずに介入できないことがあるようです。
法的な解決が必要なまでにエスカレートしてしまうと、子供だけでは解決できないでしょう。
いじめをされたり、見つけたりした場合は頼れる大人に伝えさせるようにするべきでしょう。
そして私たち自身も、その「頼れる大人」でいられるよう、普段から子供たちとコミュニケーションを取り、話しやすい環境を作る必要があります。それだけではなく、いざというときの対処ができるようネットリテラシーを高める必要もありまね。
まとめ
ネットいじめの恐ろしいところは、見えづらいというところにあると思います。SNSをやっていない外の人には見えなかったり、意図せずに行ったことで後々いじめの加害者になったり、いじめに使用されることもあります。
想像力を持って考えささせること、万一に備えて親も準備しておくことが、ネットいじめへの一番の対策になると感じました。
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