なぜ子供が無料ゲームで課金をしてしまうのか
スマホを持つ子どもが増えてきました。よく親御さんからスマホ、特にゲーム課金について質問をされます。
スマホゲームをやめられないという悩みと共に、最近増えてきているのが「課金」について。高額な請求が来てから気がつく保護者も多く「どうやって課金されたの?」「うちの子は無料のゲームをやっていたはずなのに」と驚く方もいるでしょう。
では、なぜ、子どもがスマホを使って高額課金に繋がってしまうのでしょう。
無料ゲームのはずが気づかぬ間に高額請求
昭和の頃、ファミコンというゲームが流行りました。その前は喫茶店にあるインベーダーゲームでしょうか。
ファミコンのようなゲームは、本体とソフトを一緒に買うというもので、まず最初にソフトを買わなければいけませんでした。
今は、本体やソフトがなくても、スマホがあれば色んなゲームが楽しめます。しかも、多くは基本無料です。
ゲームアプリをダウンロードすればよく(ダウンロードも無料)、お金をかけることなくゲームを楽しめます。
この手軽さが、子どもたちにとってとても危険なのかもしれません。大人もダウンロードは無料だからと注意せずに遊ばせてしまいます。
未成年者の高額課金の相談件数は、年々増加しており2021年には4,443件もの相談が寄せられています。
参考:消費者庁
スマホゲーム課金の仕組み
スマホゲームには2種類の課金方法があります。1つが先ほどご紹介した無料でゲーム内で課金するゲーム。もう1つがダウンロードのする際に課金をするゲームです。
無料でできるゲーム内で課金
無料でできるゲームはダウンロードするためにはお金はかからず、プレイする際も無料で進めることができます。
課金をする際はゲーム内のコインなどを購入するお金を使い、そのコインをゲーム内のガチャやアイテムの購入に使用します。
ゲームをダウンロードする際に課金
もう一つの課金方法は従来からある方法でゲームをダウンロードする際に課金(料金を支払って)ダウンロードします。
買い切り型とも言われており一度ダウンロードの際にお金を支払えばその後はお金を払う必要がなくプレイすることができます。
ゲーム課金にハマってしまう理由
では問題になっている無料のスマホになぜ課金をしてしまうのでしょうか?先程書いたように、最初は無料で遊べます。
この「最初は」と書いたのがポイントです。ゲームの序盤は、無料でも楽しめるプレイができます。
コイン等もどんどんもらえたり、敵を簡単に倒したりと遊ぶことができます。
しかし進めていくに従って、無料で遊ぶには物足りなくなっていくようになっています。
ゲームの途中で、必要なアイテムがあり、それらは無料ではなかなか手に入れることができず課金をすると簡単に手に入れることができます。
具体的な例をだすと、強い敵が出てきてその敵を倒すには、無料で手に入れられるアイテムだけでは倒すことができず、簡単に敵を倒すために有料アイテムを買いたいと感じてしまうというものです。
1回の課金は数百円とそこまで値段が高くないため「数百円なら問題ないだろう」と思って気軽な気持ちで購入すると、次のステージでは課金アイテムを複数使わないと倒せないような強い敵が出てきます。
そしてまた「数百円だし」と課金をしていきます。
こうして次々と有料アイテムを買うことに慣れていき、300円が500円、500円が1,000円と金額も高くなったり
頻度が増えたりで、課金への抵抗が無くなっていき、気がついた時には高額な課金をしているというわけです。
レアキャラ・アイテムが欲しいから
ゲーム内にはキャラクターを入手するためのガチャやキャラクターを早く育てたり、強くするアイテムをガチャで入手できるガチャシステムがあります。ゲームセンターにあるようなガチャガチャと一緒でゲーム内のコインを使うことで回すことができます。
しかしレアキャラやアイテムが当選する確率は高くなくいため、運が良くないと1度では入手できず、複数回ガチャを回さないといけないような仕組みになっています。
無料でガチャを回すこともできるものの回数が限られているため、レアキャラやアイテム欲しさに課金をしてガチャを何度も回してしまうと課金金額が高くなってしまいます。
イベントがあるから
ゲーム内にはイベントも存在します。例えば有名なアニメとコラボをしたコラボキャラがゲットできたり、お得に課金をすることができる期間があったりなど通常時よりも課金をしたくなるようになっています。
そのイベント限定でしかゲットできないキャラクターがいたりすると所有欲やゲームをしている人に自慢できるなどの自己顕示欲も満たされるため課金がしたくなります。
課金方法の仕組み
ではどうやって子どもが課金しているのでしょうか。課金は主に3つです。
1.親のクレジットカード利用
親のスマホで既にクレジットカード登録されている場合、ワンタッチで課金をすることができる可能性があります。また、子どもが親のクレジットカードを勝手に使う場合もあります。
子どものスマホを使っている場合でも一度スマホで買い物をしたことがあるなど、カード情報を入力したことがある際は、スマホに情報が登録されていて利用できる場合もあります。
多くの場合は、カード情報外にも決済にスマホのパスワードが必要ですがそのパスワードも知っている場合は課金ができてしまいます。
2.スマホ決済・通話料・通信料・使用料などに合算され、支払われる
課金した金額をそのままスマホの使用料金に合算して支払う方法もあります。スマホの使用料金にそのまま合算されるため、カード情報を入力するなどの手間はかからず簡単に課金をすることができます。
また、少額の利用であれば分かりづらいため、課金がわかりづらいこともポイントになります。
3.プリペイドカード払い
プリペイドカードとはコンビニなどで売ってるカードです。そのカードを購入した後でコードを打ち込むことでお金をゲームに反映させて課金をすることができます。
コンビニに買いに行く必要があるため手間がかかりますが、「現金」ではスマホゲームに課金することができないため、子どもが親の財布からお金を盗み出してプリペイドカードを購入して課金をした例もあります。
子どもがゲームに勝手に課金しないようにする対策
子どもがゲームに勝手にまずは子どもがどんなゲームをしているか把握しておく必要があります。どんなゲームをしているかやどういうことをするためには課金が必要かなどある程度知っておきましょう。
また、お小遣いの範囲内であれば課金を許すなど少額の課金であれば目を瞑ることも一つの手です。現に大人でもたくさんの人が課金をしていてゲームのシステム的にも課金をせずにプレイすることは難しくなっています。少額の課金で子どもが楽しくプレイできるのであれば許してあげましょう。
子どもとの関係性を保っておくことも重要です。もし無断で課金してしまってもそれを話すことができる関係であれば被害を最小限で抑えることができます。子どもが課金を話すことができないと勝手に課金をし続けてしまい被害額も大きくなってしまいます。
多少の失敗は許すような寛大な心も必要かもしれません。
まとめ
万が一、子どもが勝手に課金をしてしまい、高額の請求が来た場合は子どもとしっかりと話し合うことも必要ですが、法的に支払いをしなければいけない場合もあります。もし支払うことのできないような高額請求が来てしまった際は弁護士などの専門家に相談するようにしましょう。
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