2019年11月15日

いじめとは何か?定義を詳しく解説します

「いじめ」という言葉は曖昧です。いじめと聞くと100人が100通りのいじめをイメージします。そのため、議論が噛み合わないことがあります。


またニュースになったものでいえば、原発事故により福島市から横浜市に避難した生徒がいじめを受けた問題で、横浜市の教育長が、第三者委員会の報告書を踏まえ、金銭の支払いについてはいじめと認定することは困難である旨を述べたとのニュースが報じられた。第三者委員会の報告書では、要因にいじめが存在したことは認めつつも、「おごり」行為自体がいじめであるとは認められないとされました。


これは大きな波紋をよび、署名サイトchange.orgでも署名が集まりました。

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横浜市の原発いじめ問題において、金銭支払いについてのいじめ認定を求めます。後日いじめだったと認定してしました。

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 出典:https://www.j-cast.com/2017/02/14290555.html


このようにいじめとい言葉は曖昧なのでいつも議論を呼び起こしてしまいます。嫌なあだなで呼ばれた事をいじめと考えるのと、殴ったのをいじめと考えるのでは全く違います。そもそもいじめとは何なんでしょうか。色んな人が定義をしているので、今日はそれをご紹介しようと思います。


いじめ定義

いじめは、“自分より弱い立場にある者を,肉体的・精神的に苦しめること”
 
と記されています。 三省堂の大辞林より


いじめ防止推進法が定義するいじめ

『いじめ防止対策推進法第 2 条第 1 項には、こう書いてあります。

いじめとは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。

 

尚、平成25年にいじめ防止対策推進法が施行される前までは、文部科学省が定義をしていたが、平成25年いじめ防止対策推進法の施行に伴い、
上記として定義しています。 また文部科学大臣が決定した「いじめの防止等のための基本的な方針」(平成29年3月改訂)では,

「一定の人的関係」とは,当該児童生徒と何らかの人的関係を指すとされ,また,個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は,表面的・形式的にすることなく,いじめられた児童生徒の立場に立って行う必要がある

とされています。


http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/06/26/1400030_003.pdf


森田洋司先生の定義するいじめ

鳴門教育大学の森田洋司先生はいじめ分野では大変有名な先生です。
森田先生は、調査と数多くの実例にもとづき、見えにくい「いじめ」の四層構造を初めて明らかにした方です。

森田先生の著書によると、

同一集団内の相互作用過程において優位にたつ一方が、意識的に、あるいは集合的に、他方に対して精神的・身体的苦痛を与えること。

(森田、95P)と書いてあります。
参照(「日本のいじめ」予防・対応に生かすデータ集/編著 森田洋司ほか/金子書房)

滝充先生の定義するいじめ

滝さんは、国立教育政策研究所(文部科学省所轄)の客員研究員です。以前は、統括研究官であり、「いじめ追跡調査」の担当でもありました。カナダ、オーストラリア、イギリスなどでいじめ対策としてとられているピア・サポートを日本に取り入れ、実践した方でもあります。
滝充先生は

いじめというのは目に見える暴力行為ではなく、被害者を精神的に苦しめようとする行為のこと

と不登校新聞のインタビューで書いています。
参考:不登校新聞より(https://futoko.publishers.fm/article/962/


いじめの定義が変わった

いじめの定義は、文部科学省が、2007年から変えています。
それより以前

自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの


2007年以降 

当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的・物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの

受ける人がどう思うかが重視されているようになったと感じられます。


私、くまゆうこが思ういじめの定義


いじめは本当に辛いことで、いけないことですがいじめの芽はどこでも起こり、本当にささいなことから起こります。
誰でもいじめの芽はもっているし、トラブルは起こるものっです。

以前 インタビューをうけた際も私はこのように答えました。

残念ながら、現状として集団生活の中でいじめの「芽」は一定数発生します。 「芽」が出始めたらすぐ摘むこと。これが深刻化させないための秘訣です。「未然・予防」という発想です。 いじめの始まりは「からかい」や「いじり」が多く、時間が経つことでエスカレートしてしまうケースがよくあります。いじめ自体を完全になくすことは難しくても、できるだけ早く周囲がいじめに気付いて対応できれば、事態の深刻化を防げるのではないかと考えています。

出典:子育てマガジン
「防ぐ」という新しい視点で、子供たちをいじめから守りたい より

私が考えるいじめの定義は、一定期間継続的に、複数の人間により 
だと思います。気が合わない人と距離をおいたり、1対1でいいあいをすることは人間関係の話で、それはよくあります。ただ、これが集団になると怖いのです。

期間は1日ならいじめといえるでしょうか。それは人を嫌がることをしてはいけないといういじめ以前の人としての行動の問題です。
私が考える期間は2週間。例えば集団無視が2週間続くのはやはりおかしな状態であると思います 複数の人から集団で行為があり、されている人の心が傷ついているようであれば、それは いじめととらえてその行為がなくなるように、周りが介入すべきだと思います。

期間と集団という条件をつけて主張している人がいるか、論文があるかはまた調べようと思います。

 

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