2021年2月14日

#3 【現役教師に聞く】あだ名禁止⁉生徒と教師の距離感 深見先生

stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」 https://stand.fm/embed/episodes/600d186283a4825b0f52c7e2 stand.fm

ITでいじめをなくす株式会社マモル代表 くまゆうこが日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。

第3回は、Twitterのフォロワー数8000人超(@trown18)、瀬戸SOLAN小学校教員で「対話でみんながまとまる!たいち先生のクラス会議」の著者 深見太一先生をお招きして、あだ名禁止や、生徒と教師の距離感についてお聞きしました。

※本記事は、2021年1月29日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。

先生がいじめ…⁈もしいやなことをされたら第三者に伝えられるように

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くま:今日はですね、また先生に色々お聞きしたいなと思うんですけど、私いじめの問題をやっているのでいじめの相談や事件、事案がよく来るんですけど、たまに10個に1個ぐらいかな、先生によるいじめみたいな話があるんですよね。
これが何かって言うと、先生がこわいとかはまだよくあるというか、先生からひどいことを言われたとして、その言葉がすごく精神的に来て、もちろん学校に行きたくないもあるし 、PTSD になったみたいな話もあるんですよね。
先生が言った言葉に対して傷ついた話ってすごく難しいなと思っていて、先生って注意することもあるだろうし、言い方って先生によって色々あると思うんですよ。
これって先生の中で「確かにこういう事あるんですよね」って先生の立場から思うことあります?

たいち先生:まずはお母さんとしてそうやって言われた時に子どもを全力で守ってあげてほしいというのが一番ですし、まだ怒鳴る、大きい声で指導するみたいなことされてる先生、僕も絶対0かと言うとそうではない時もあるので気をつけなきゃいけないなと思うんですけど。
何年前かな、6年ぐらい前、初めて6年生を持った時に給食を全然食べられない女の子がいたんですよ。「減らしていいですか」って言われた時、その子に対して「一口だけ食べようね」っていう風にいつも言ってたんですけど、それが最後の最後、卒業式前に「あれが本当に私にとってつらくてつらくて」と急に言われたことがあって。そういうことってすごくあるんだろうな。
こっちが良かれと思ってというか、少しでもご飯食べるようになってほしいと思って言ってた一言が逆にその子を追い詰めてしまったみたいなことってすごくあるのかなと思って。そういう話かな。

くま:これって受け手の問題ですよね。言われた方がすごく気にしてる言った方はそんなつもりじゃない、むしろ良かれと思って言ったってこともよくあるじゃないですか。
これ、いじめの時もよくあることなんですよね。いじめてる方はそんなつもりはなかったんだけど、されてる方がずっと傷ついてたみたいな話で、これでやっぱり傷ついてるとか、そうやって言われて嫌な時って早く言ってほしいですよね。

たいち先生:ジャブを打てるようになるといいなと思って。ずっと溜め込んでいてパンと爆発するんでなくて、いやな時にいやですってサラッと言ってしまえば、相手が先生だからってなかなか言いにくいところもあると思うんですけど、それもやっぱり社会に出て行った時にもそういうことがあった時に、それを跳ね除けられると言うか乗り越える力をつけて行ってほしいなっていうのもあるので、「いやです」と先生に直接言えなかったら保健の先生とかに「あれがいやだったんです」って言ってくれたら多分保健の先生は上手に伝えてくれたりすると思うんですよ。第三者に伝えるみたいなことをやれるようになってくれるといいかなと思います

くま:そうですよね。あとはやっぱり一方で大きな声で怒鳴る先生とか、言われたって言葉が出てきたのが「お前うるさいから帰れ」「お前なんてどうせやってもできないから勉強しなくていいよ」「お前バカじゃないの」こういうことを言われたっていう話もあったんですけど、ここもこの言葉だけ聞くとかなりひどいけど、お前って呼び方って男の子で先生が「おいお前」みたいな親しみを込めて呼んだりすることもあるんですかね。

たいち先生:あると思います。僕もそれで呼んじゃうこともあるんで、あるかなって思うんですけど、いやだと思うんだったら「お前って呼ばれるの、ちょっといやです」ってこと言ってもいいんじゃないのかな。それでも呼んでくるようならそれもまた問題だなと思って。

くま:そうですよね、そもそもの関係性もあるんだろうけど「うるさいから帰れ」とか。

たいち先生:それは言語道断ですよ

くま:「お前どうせやってもできない」とか「バカじゃないの」とかかなりひどいですよね。

あだ名禁止、くん、さん付け義務ってどうなの

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たいち先生:本当、あるのかな…自分が13年教師を行ってきたんですけど、学校ぐるみで「くん、さんをつけて呼びましょう」という学校があったんですよ。最初それは違和感で、なんでそんなことしなきゃいけないんだろうって思ったんですけど、結果その学校に4年いて感じたのは、めちゃくちゃ問題も起きにくくなっていたりとか、子ども同士尊敬というか敬っているので中でトラブルも少なく、すごく平和に過ごせてたんですよね。だから結構これって大切なことなんじゃないのかなっていう。くんとかさんとかつけて呼びましょうっていうの強制されるもんじゃないよって思ったんですけどやってみたらすごく良かったので、これもどうかなって思いますね。

くま:これ去年の2020年11月ぐらいに小学校でのあだ名禁止でさんづけを義務付けましょうみたいなニュースが出て。ある学校の対策なのかな、それですごく話題になったんですよね。私はあだ名禁止さん付け義務に対して反対派だったんですね。なぜならば、なんでっていうのもあったりとか、いくつかの学校で今下の名前を呼び捨てにしている学校もあったりするんですけどそういう学校って逆に仲がいいなっていうのもあったので、さん付けってよそよそしいなって思ったんですけど。実際にそういうのをやっていい効果も出てるって言う事なんですね

たいち先生:やってみたらよかった。最初は違和感があったんですけど実際にやってみたら確かに相手のことを大切に思うなあとか、僕今の職場は全員さん付けで呼んで〇〇先生って呼ばないようにしようといって先生同士も〇〇さんと呼んでるんです。結構良くて先生っていうよりも〇〇さんって一人の人間として名前で呼び合うっていうのがすごくいいなと思って、それも結構おすすめだなって思って。

くま:あだ名禁止とか義務とか言うからみんなが気持ち悪いんですよね。

たいち先生:禁じられるとやりたくなるから(笑)推奨ぐらいの方がいいですよね。

くま:さん付け推奨とかそういう言い方なら良かったのかもしれないけど、さん付けを義務付けと言ったから違和感があったんでしょうね。

たいち先生:。こちら松山さんあたりが論文書いてくれると思うので。

くま:松山先生ですね、ゲストに呼ばなきゃいけない。
ありがとうございます。

保護者の方にまず最初にしてほしいこと

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くま:あともう一個聞きたかったのは、例えばこういう風に先生から言われて怖かったっていうのを直接さっきみたいに卒業の時に言えるような関係性だったらいいんですけど、怖い先生にはなかなか言いづらいじゃないですか。そういう時って保護者の立場もあるんですけど、さっき言った保健の先生に言ってみるとか、何か言い方や連携の方法ってあるんですか。

たいち先生:お母さんがってことですか。

くま:そうですね。子どもが怖がってるとなった時には担任の先生に直接言ってもいいんだけど、その先生が怖かったら。

たいち先生:そうですね、さっき言ってた保健の先生とか管理職の先生にそれとなく相談したりということは全然ありなんじゃないのかなと思ってます。

くま:たまにこういうことがあったらネットとかで「もしこういうことがあったらすぐに教育委員会とか弁護士とか人権相談とかに行きましょう」みたいな記事があるんですけど、私はそれはすごく違和感があってやっぱり最終手段かなと思っていて、まずは先生に言い方がいやだとか傷ついたっていうことを言って欲しいですよね。

たいち先生:そうですねあんまり急にそういうところに、それって解決につながるのかなと正直思ったりもするんですよね。何のためにするのかっていうことはちゃんと考えないと結局先生との関係がこじれてしまったりとか。言ってほしくないとかそういうことではなく、どうしたらうまくいくのかということを一番に考えてもらえるといいなって思いますね。

くま:最初からそういう所に行かないでまずは話し合って、それでも解決しなければそういう手段があるかもしれないけどっていう感じですね。色々と相談するところは今たくさん日本にはあると思うんですけど。

たいち先生:アドバイスをもらったりするのは全然いいと思います。

くま:最初からというのは避けて、まずは先生に直接。
私たち気をつけなきゃいけないってことですね。日々自分の言葉が誰かを傷つけてるかもしれないってことですよね。

たいち先生:そうなんですよね、何気なく言ってる一言が心に刺さっちゃったりすることもありますので、気をつけないといけないですね。

くま:ありがとうございます。次回も来てきてください。 https://stand.fm/embed/episodes/600d186283a4825b0f52c7e2 stand.fm

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