#4【現役教師に聞く】HSCって?繊細な子供との接し方 深見先生
stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」 https://stand.fm/embed/episodes/600d1c255a47593be8cf9e31 stand.fm
ITでいじめのサインを見逃さない 株式会社マモル代表 くまゆうこが
日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。
第4回は、Twitterのフォロワー数8000人超(@trown18)、瀬戸SOLAN小学校教員で「対話でみんながまとまる!たいち先生のクラス会議」の著者 深見太一先生をお招きして、最近話題に上るHSC、繊細な子どもとの接し方についてお聞きしました。
※本記事は、2021年1月29日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
心の不安定さ 繊細で敏感なHSCの子ども
くま:今日は3回、4回目かな、来てもらっていろんなお話をしてもらってるんですけど、コロナが今大変なことになってきてまして、コロナの関係もあって最近増えてる相談が、子どもが不安になっているとか子どもの心の不安定さがあるんですけど、 HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)つまりすごくセンシティブな繊細な子どもってことですね、人一倍敏感な子どもっていうことで、5人に1人がHSCということが出てるんですよね 。この間Twitterか何かにHSC診断があって、どれくらい敏感なんでしょうっていうのがあったんで私もやったんですけど、繊細で敏感でしたよ。
【医師監修】繊細で敏感な子供「HSC」とは? 発達障害との違いは? | 医師が作る医療情報メディア【medicommi】
たいち先生:そうですか、失礼いたしました。
くま:その通りだなと思って。私子どもじゃないですけど今は、たぶんHSCだと思いますね。だからすごく気持ちが分かるんですよね、敏感な子どもの気持ち。分かるからこそ言えることもあるかなと思ってるんですけど、要は敏感な子って精神的にすごく気を遣うし疲れやすいというのがあって、私今自分がそれだなんて言っちゃったんですけど、本当に悩んでるお子さんって例えばノイズがすごく気になるから耳栓してるお子さんもいるし、人の視線が(気になる)っていうのがあってメガネやサングラスをかけている子とか人混みが無理とかいろいろあると思うんですよね、いろんな分野があると思うんですけど、やっぱりこういう子って先生も何人か過去会ったことありますよね。
たいち先生:そうですね、例えば給食の匂いが嫌だとか。
くま:確かに独特の匂いですもんね。
たいち先生:魚の匂いが嫌だとか、友達の唾が飛ぶのが気になるとか。
くま:給食中に?
たいち先生:給食中っていうか普段からしゃべったりするのもちょっとっていう子もいたし、その頃はHSCっていう言葉がそんなに有名じゃなかったけど、今考えてみたらそういう気がします
くま:こういう子ども達って集団でいることが辛くなるので不登校になる子も多いなと思ってまして、というか疲れちゃうってことですね。気遣いってこともあると思うんですけど、こういう子って何か先生の中で多分この子はそうかなっていうのが分かった時には配慮してるんですか。
たいち先生:答えがあったりとか分かっていればわざわざそこに疲れさせるようなことはしないように、できる限りやったらいいなと思って。卒業式の練習とかすごく嫌いな男の子がいたんですけど、「教室にひとりで残っていていいですか」って言われたら「いいよ」と言って本人と相談して「本番だけは出ます」って言ったので、「本番だけはじゃあそうしようか」と。めちゃくちゃ長い時間だしつまらないので卒業式の練習って。そういうので嫌だって言うのであれば別に全然教室で待ってるとしてたりとか。
くま:そうなんですね。これってやっぱり小学校の1年生から6年生までいると思うんですけど、随所で違いますよね。敏感っていうのが何に敏感かっていうのはね。
たいち先生:確かに。
くま:人の発言がすごく気になるって子もいるだろうし、さっきの匂いとかいろいろあると思うんですけど、子どもがHSCなので親としてどうしてあげたらいいんでしょうみたいなどういう見守り方がいいですかっていう相談って多いんですけど、先生の経験からありますか。
たいち先生:例えばさっき言ってたように、どういう時に疲れるのかっていうことと、逆にどういう時に発散できるのかっていうことを分かっていて、そのバランスが崩れてくると発散できないのに疲れる場面ばっかりになっちゃうと。例えば仕事で休みがなく週7で働いてたらやっぱりパンクしちゃうじゃないですか。なので発散できる場面やシチュエーションを分かっていてそのバランスをちゃんととってあげるということが大事なんじゃないのかな。自分じゃできない発散の仕方の場合もあるので、ということかななんて一番思うんですけど
くま:これってそういう子だと認識した上で親としても気にしないほうがいいよみたいな声かけというのも大事なんですよね。
たいち先生:逆に親は寄り添ってあげる方にいって、学校の先生は頑張らせると言ったらあれかもしれないですけど、学校と家でその守りと攻めみたいなじゃないですけど役割分担みたいにしていくのもいいのかなと思ったりとか、やっぱりそういう時って疲れやすいねっていうのを先生の耳に入れておくっていうのがすごく大事なことだと思いますね。
くま:そうですよね、先生も知ってるか知らないかで随分対応が変わってきますよね、第一知っておきたいですよね。
たいち先生:そうですね、分かっているのであれば分かっておけばありがたいですね。 https://stand.fm/embed/episodes/600d1c255a47593be8cf9e31 stand.fm
1人でいるのは悪いことじゃない
くま:今回コロナで学校のお友達と遊べなくなったじゃないですか。ある小学生が実質それで「ホッとした」って言うんですよ。「なんで?」って言ったら、みんなに誘われて自分は遊びたくないんだけど気を遣って遊んでたらしいんですね、だからコロナで遊べないってなったから断らなくて済んでホッとしたっていう子がいて、そんなに気を遣ってたんだと思って。確かに断るって勇気入りますもんね、遊ぼうと言われて。
たいち先生:確かにね、嫌だって言いにくい。
くま:大人だったら会議とか仕事とかいろいろ理由がありますけど、小学生ってそんなに断る理由ないですよね。
たいち先生:逆に今オンラインで遊べちゃうので、その辺もめちゃくちゃうちの子どももゲームで言葉遣いが荒くなってきてる。あれ見てるとあれもあれでちょっと問題だな。大丈夫かっていうようなことをオンライン通話を通して言っているので、まだ親の前でやってるから見守れるからいいですけど心配ですよね。
くま:ゲーム系の話もよく話題になるんですけど、確かにそうですね。あともう一個いじめじゃないんだけど自分の子どもが最近仲良かった子とあんまり遊んでる様子がない、人づきあいが微妙で距離感があまりうまく取れないんじゃないかみたいな、友達が作りづらいんじゃないかみたいな。子どもに対してどういう風に接するべきか悩んでますみたいな相談があったんですけど、私ちょっと思ったのが、お母さん、友達と距離を取ってるお子さんをかわいそうとか悪いっていう風に思い込んでない?もしかしたら1人で遊びたいかもしれないじゃないってのもあったりするんですよね。
たいち先生:そうですよね、さっきのように遊ぶと疲れるという子は遊ばない方がほっとする。学校にいる時は否が応でもかかわらないといけないので疲れてしまってるから、別にという子もいるかもしれないですよ。
確証バイアスにかからない 大人が一方的に決めつけずフラットな目で見る
くま:親としては確かに友達がいないとか1人で本を読んでるって心配は心配なんですよね、大丈夫?とか。もしかしたらその子ってそれが一番リラックスなのかもしれないし、友達とつるんでることが良いことっていうわけでもないんだから、私なんか1人で本読める子とかすごいなと思いますけどね逆に。
たいち先生:絶対そうだと思います。
くま:女の子なんかみんなでトイレに入ったりするじゃないですか。
たいち先生:連れションですね(笑)
くま:あれに行かないっていうのもすごいと思います。
たいち先生:確かにねそうなんですよ「放課、休み時間に教室に残って本読んでます」って言うと、結構お母さんたち「大丈夫なんですか」って不安に言うんですけど、「いいじゃないですか、読んでるんですから」って言うんですけど。
くま:そうですよね、子供の成長過程なんで万が一友達と距離が取れなかったとしてもそこを見守るっていうのも大事かなと思っていて。何でもかんでも入り込んでいったら、じゃあお母さんずっと一生お子さんの隣で全部仲介しますかっていう話じゃないですか。だから見守るってのも大事かなと思ったり。あと大人が考えすぎてることもあったりして私の経験なんですけど、うち親が一時的に赴任してたことがあって一時的に離れて暮らしてたことがあったんですけど、学校の先生とうちの親戚がすごい真剣な顔で話し合ってて、何話してるかと思って聞いたら、私が親と離れてるからすごく寂しがってて心が不安定になってるみたいな話だったんですよ。で結構びっくりしたんですよ、 違うから。えっと思って、なんと暗いとか言われてて。もしかしたらそうやって大人が思い込んでるかもしれない。
たいち先生:仕立て上げないというか確証バイアスと言ってそう思い込むとそういう証拠をいっぱい集めだすじゃないですかひとって。うちの子は孤独かもしれないって思うとまた一人でいるっているっていうことを、たまたま一人なだけなんだけどそれを裏付けたいのでいろんなところからそういうのは集めてきちゃうんですよね。だから確証バイアスにかかってないかみたいなことをさっきのHSCの話もそうで、それが合ってる間違ってるじゃないですけど、あまりにも思い込んだりとかそうだって決め付けはしないほうがいいという気がします。
くま:今の確証バイアスっていうのは用語があるんですね、心理学における用語で。自分が仮説でこうじゃないかって思ったらそれを証拠になるようなものばっかりの情報を集め出すってことなんですね
たいち先生:コロナに関してはまさに皆そうじゃないですかコロナが重症化しやすいと思ってる人は重症化している人の話ばかり聞いてくるけど、あんなのワクチン会社の陰謀だっていう人はそういう説をいっぱい集めてきて全然話しがかみ合わない、論点は全く違うから。というのと一緒でうちの子はお友達がうまくできないしって親が思い込んじゃうとさっきの話じゃないですけどそういうシーンをいっぱい見るようになっちゃうので、フラットな目で見れるといいかな。
くま:人の顔も落ち込んでるって思って見ると落ち込んでる顔に見えたりしますもんね。
たいち先生:ちょっと疲れてるだけだよ(笑)
くま:もう1個あったのは小学校の頃に私が例えば2組だとしたら5組にすごく仲の良い子がいて、10分休みに必ず5組に遊びに行ってたんですよ、2組なんだけど。それを見た先生は私がいじめられてるんじゃないですかって。なぜならば、あの子は10分休みに必ず5組に行っているみたいなことを言ってくれた先生がいて。それも私の中で結構びっくり、そうかそうやって見られたんだ。単に5組にすごく仲の良い好きな子がいて、その子に会いたいがためにすぐ行ってただけなんですけどね。だからありがたいですよね、そうやって間違ってても気にしてくれた先生って今思うとすごくいい先生だなと思うんですけど。
たいち先生:そうですね、よく見てくれてる証拠ですよね、例えば間違ってますよとかそれを言って受け止めてくれるとさらにありがたいです。
くま:よく見てくれてましたね、私が10分休みに5組に行ってるの。そういうのもあるから何もなければいいんだけど、あんまりこうだこうだって大人がやっちゃうと、真実と違うことがあるかもしれないということですね。
たいち先生:まずはお子さんと対話をしていくことかなと思いますね。
くま:次回もお願いしますね。
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