2021年2月26日

#8【現役教師に聞く】学校と社会を繋ぐ!これからの先生 庄子先生

stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」

ITでいじめのサインを見逃さない 株式会社マモル代表 くまゆうこが日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。

第8回は未来の先生はこれからどうあるべきかということについてお聞きします。ゲストは東京都の公立小学校で先生をしている庄子先生です。

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※本記事は、2021年2月8日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。

医者志望から教師への道のり

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くま:庄子先生といえばいろんなイベントに登壇されてたりしてお忙しいと思うんですけれども、最近どうですか。

庄子先生:最近ラクロスの世界大会が終わってからラクロスの活動をあんまりやっていないところや、コロナでそういう活動が結構減っているので時間はできてるんですけど、その分こうやってオンラインで話すことが多くなってきてるかなと思います。

くま:いきなりラクロスのすごい話が出てきたんでそこも聞かないといけないですね。小学校の先生じゃなかったの?ラクロスの話も後で聞くとして、私と庄子先生の出会いもですね、東京教育新聞かな。教育新聞っていう先生が見る新聞があるんですけどその会があったんですよね。その会の座談会みたいな所のテーブルに、たまたま庄子先生が斜め前に座っていたというすごい出会いで。実は私3月に教育の共同で本を出すんですけど、その横に座ってた方がその出版社の編集の方なんですよ。だからなんか神テーブルですよね。

庄子先生:10何人しかいなかったんですけどね。

くま:振り分けられてね、あの会は今も思い出すんですけど、行こうかすっごい迷ったんですよ。でもどうしようかなと思って面倒くさいなって正直思って、土曜日か日曜日だったんですよ、土日に行くのかなーと思ったんだけどなんか行った方がいい気がすると思っていたんですよ、だからよかった。

庄子先生:本当に私も登壇していた江澤さんと本を書いてます。

くま:江澤先生ですね、また名前が出てきましたね。庄司さんはこの前のたいち先生の回でたいち先生が庄子先生もって出たんでね。是非出ていただきたいということで、今度江澤先生にも言わなきゃいけないですね。
今日ちょっとお聞きしたいのは、文科省が教師を再び憧れの職業にしようってニュースも出てたりして、今こういうこというのも申し訳ないけど、ちょっと先生になるのがあまり人気の職業ではなかったりするんですけれども、やっぱり先生ってこれからみんなの憧れの職業になるべきだなと思っているんですが、まず庄子先生ってなぜ先生になったのですか。

庄子先生:はーい、私は本当はずっと医者志望で。

くま:そうなんだ。

庄子先生:そうです、そもそも父医者、母看護師で医者家系なんで医者になる予定だったんですけど、高校ぐらいまでは結構順当に医者になろうと思ってたんですけど、高校3年生で振り返ってみると全然学力足りないことに気づくのと、なんか医者にならねばならぬみたいな思いが結構強くて、なんでなりたかったんだっけってなると周りの期待に応えるためみたいなのが結構あって、そもそもそんなになりたくないなっていうのに気付いたと言うか。

くま:お父さんがお医者さんだとそういうふうに思うんですかね。

庄子先生:そうですね、前向きなイメージだと命を救うよりも教えることで救われる命があるなとあの時はこじつけて言って教育学部を受けさせてもらって受かっちゃうっていうことがありまして、医学部受けたら医者の子って結構一浪二浪してダメだったら違う職業でもいいよみたいな暗黙のルールがあったりするんですけど私はあまりなくて、現役で教育学部いっちゃったっていう感じです。

くま:それ初めて聞きました、そうなんだ。でもやっぱり人のためになることをしたいっていう軸はあったんですかね。

庄子先生:何かあったんですけど、それもやっぱり医者にならない理由をつけただけで周り中みんな教員になるような大学の教育学部に入るんですけど、そんなに教員になりたいって訳でもないなって思いながら大学4年の時は大学院に進もうとか就職活動しようか悩んでの、でもとりあえず一回教員やってみないとわかんないなと思って教員をやったら未だに15年以上教員やってるっていう感じです。

くま:て言いながら 大学院も行きましたよね。

庄子先生:そうです、すぐ大学院行っても意味がないなと思って、教員やってから大学院行こうと思ってて。本当は5、6年したら行こうと思ったんですけどなんだかんだうまく合わず12年目くらいで行きました。

くま:心理系でしたっけ。

庄子先生:そうです、臨床心理学科。

くま:学ぶことが好きなんですか。

庄子先生:そうですね、最近は学ぶことが好きだなって思いますけれども、人生一回しかないからいろんな特技をつけておきたいなって思ってます。

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小学校教師でありラクロス日本代表の指導者、執筆も多数

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くま:先生といえばかなりラクロスで有名だって聞いてますけど、一体全体これは何なんですか。

庄子先生:大学からラクロスを始めて、大学はラクロス全然強くなくて途中でやめて、社会人チームの日本一のチームにバンッて入ったんですよ、自分が。当然実力はなくて行動力だけで入っているんですけど、そこで日本一を経験させて頂いて、選手としては大したことなくて大学(のラクロス部)を辞めていた状態だったので男子ラクロス部には入れないけれども女子ラクロス部を教えてくれって言われたのが女子ラクロス部のコーチをするきっかけです。
大学が20人くらいしかいないすごい弱小のチームだったんですけど、そこを国立大学初の1部まで上げて人数を増やしていったから日本代表の監督やらないかって言われて日本代表の監督をやったりしていたのでラクロス界では有名です。

くま:そういうことなんだ、誰から聞いたか忘れたんですけど庄司先生の指導ってすごいんでしょう、すごい論理的でやってるんでしょ。

庄子先生:そんなこともないんですけど、教えないってことは結構意識して自主性とか。そうですね、これからの教育もそうですけど基本的にこうあるべきって決めつけずに、出来る限り子供や親からそれを出させるっていうことが結構得意かもしれないですね。

くま:それが似てるんでしょうね。育てるとか大勢の人、学校だってクラスに大勢の人がいるわけで大勢の子を取りまとめるみたいなのも得意ってことなんですか。

庄子先生:それも最初はずっと一方的に教えることも多かったんですけど、毎日がプレゼンみたいな状態になっていろんな考えててって感じですかね。
ちなみにたいちさんはラクロスですからね。

くま:たいち先生?次から次に新しい情報が出てきますね。
たいち先生以外の人がラクロスの教える技術がどうだこうだってそういうことなのか、なるほど。先生、働き方のハックの本を出したりとかいろいろ本を出されてるじゃないですか、これどういうのを書かれているんですか。

庄子先生:一番最初は叱らない技術というのを書かせて頂いて。その当時コーチングの勉強をしていてコーチングで本を書いてくれないかと言われたんですよ。叱り方についての本を書いてくれって言われたんですけど「私叱らないんですよね」っていう話をしたら叱らない技術っていうのを書いてくれと言われたのは一冊目で、それがそこそこ売れたので2冊目すぐ残業ゼロの仕事のルールを書かせて頂いたっていう感じで、あとは研究主任の本書いてたり オンライン、ウィズコロナの本を書いたりっていう感じです。

先生はにらめっこよりももっと社会に出よう

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くま:これね、これからの先生はどうあるべきですかと聞く前に、庄子先生どうやって時間作ってるんですかを聞きたいんですけど。この前コロナの本を一緒に出させていただいたりしたんですけど、その時にもやっぱり先生って変わっていくべきだよみたいな議論があったと思うんですよね。なので先生としてはこれからの先生ってどうあるべきだと思いますか。

庄子先生:一番はやっぱり学校の中だけにいたらダメだと思うので社会と学校をつないでいけるべき人だなと思っています。本当、学校って忙しくて教材準備も割と教科書とにらめっこしてやっちゃった気がするんですけど、そもそも子ども供達につけさせたい力は社会で生きていく力なんだからこそ今の社会を教員が知らないといけないなと思って。知るためには学校にいる時間を短くして外に出ていかないと社会を知れないから実質早く帰らなきゃいけないってことかなと思ってます。

くま:知らないことを教えられないですもんね。

庄子先生:社会のこと教えなくても教科書のことは教えられちゃうんですよね。だから教科書を教えちゃうんですけど、でもそれだけだと社会で生きる力も繋がってないから小学校の教育は意味がないと言われちゃうと思うんですよね

くま:先生は結構、どころかいろんなところで交流していろんな知り合いがいるじゃないですか。そういうことも子ども達に伝えているっていう事なんですかね。

庄子先生:そうですね、外に出てご飯したとかお話ししただけでも子ども達の授業に有効になるなと思ってるので、夜遅くまで教材研究して教科書とにらめっこして黒板にこうやってやろうっていうのも教材研究だけど、それをやらないで早く帰っていろんな人と会うこともむしろ教材研究なんじゃないかなって思っているので、そっちを優先すべきじゃないかなって思ってます。

くま:全国のにらめっこしてる先生がいたらちょっと今ハッと気づいたかもしれないですね

庄子先生:にらめっこしてる人が95%ですからね。

くま:95パーセントがにらめっこ、そうか。

庄子先生:にらめっこしたいけど帰らざるを得ない、介護とかそういう状態かもしれないですね。

くま:にらめっこしなくてもできるんだよっていうことでいいんですかね。

庄子先生:そうですね、教科書を教えようとするとにらめっこしないといけないかもしれないけど教科書で教えるので、自分が生きてきた経験とかを語れたりとかひとつしっかり問いを持って子どもたちに考えさせる時間をしっかり取れればそんなに教科書とにらめっこする必要ないかなと思います。

くま:ちょっと先生聞きたいんですけど、教科書通りに教えなさいっていう風にはなってないんですか。

庄子先生:学習指導要領には教科書通り教えなさいとはなっていないですね、ですが教科書の指導書には、「この単元は何ページから何ページを狙いがこうなっています」って書いてあるんですけど、私も教科書を作ってる立場なんで分かりますけど、あくまで学習指導要領の内容に従って教科書を作ってるだけなので、その教科書に従う必要は一切ないです。

くま:なるほどね、これはいい話。今日の95%の人がもしかしたらちょっと減るかもしれないですね。

庄子先生:減ってほしいですね。

くま:そうですね、親としてもそういう授業の方が子供に聞いてほしいと思いますしね。ありがとうございます。そしたら今先生の95%って話あったんですけど、これって今の庄子先生と同い年の先生達もそうだし、若手の先生っているじゃないですか、1年から3年目までの人。若い先生は何を意識すればいいですか、1個は外に出ましょうでしょう?もう一個は。若いからこそ何が出来る事ってあるんですかね。

庄子先生:若い先生のやらなきゃいけないことは 職場で適応をすることだと思っていて、悪く言えばゴマをすってでも「あなたは素晴らしい」と言われることで、周りの人に言われることだと思うんですね。社会に出ることと違うかもしれないですけど今回やっぱり一生懸命やってるところをちゃんと見せて周りと溶け込むっていう能力っていうのが低い人が最近多いなって思っていて、学んでいれば学んでいる人ほどどうしても私が正しいとなりがちになる。

くま:若いのに

庄子先生:若いからこそ。もちろん今の先生が間違ってることもあるかもしれないけど、自分のこと1回抑えて経験値が少ないので、お茶汲みしなさいってわけじゃないんですけど、ちょっと自分ができることをプラスアルファやれる努力はこのご時世だからこそ必要な努力だなと思います。あとは逆にそういうこともできず揃えなきゃいけないという圧力にプレッシャーを感じながら夜遅くまで残っている先生もたくさんいるので、それはやっぱり自分の担当の先生達の様子を見ながら早く帰る努力をするべきだなと思っています。

くま:なるほどね

庄子先生:言ってることはちょっと矛盾するんですけど。

くま:溶け込む能力は職場が良い環境にならないと子どもたちにいい影響も与えられないですしね。
わかりました、今日のこれで参考になった方も多いと思いますのでぜひ聞いていただいて。
この番組いろいろと質問をいただけるようになってるんですね、是非次回も庄子先生に来ていただいて、いただいた質問に答えていただきたいなと思っています。ありがとうございます。

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