2021年3月10日

♯12 数学の問題をTwitterで公開する数学教師 清水先生

stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」

ITでいじめのサインを見逃さない 株式会社マモル代表 くまゆうこが日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。

第12回は、城北中学校、高等学校で数学の教師をしている清水先生に、先生になったきっかけや未来の先生はどうあるべきかについてお聞きしました。

※本記事は、2021年2月10日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
https://stand.fm/embed/episodes/6021e5fa83a4820e9b548690 stand.fm

くま:今日はですね、今まで大体オンラインで収録してたんですけど、なんと今日はリアルでお会いして収録しております。
城北中学校、高等学校で数学の教師をしている清水先生です。清水先生といえばTwitterで数学の問題をどんどん出して、その回答をツイートしているという、ちょっと変わったことをやられてるなという感じなんですけど。

それでもともと私と清水先生の出会いは、コロナの時に城北高校の生徒さんたちが自主的にオンライン学校説明会をやっているイベントを見てどんな学校なのかな、どんな風にICT教育されているのかなと思ってお話を聞いたのが多分最初の出会いだと思います。

高校オンライン説明会 申込開始 | 城北学園 城北中学校・高等学校

清水先生:そうですね。

最初の試験で何と最下位…のちに数学と化学のおもしろさを知ると

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くま:今日はちょっといろいろと清水先生にお聞きしたいと思うんですけれども、まずですね未来の先生はどうあるべきかというのをテーマでお話ししたいのですが、文科省が教師を再び憧れの職業にっていうニュースがありまして、そういうことを言うとちょっと失礼なんですけど、先生ちょっと最近人気がない職業に。

清水先生:そうですね、はいはい。

くま:なってきてるかもしれないんですが、それを人気のある職業にしましょうっていう話があるんですが、もともと清水先生は何で先生になったのかお聞きしたくて。先生、すっごく数学好きなんだろうなってのは伝わってくるんです。

清水先生:えっとひとつに絞るのは、お話いただいて何かなと私の方も振り返ってみたんですけれども、私自身の生まれの話をすると、母親は養護学校の、今は特別支援学校って言うんですね、養護学校の先生をずっとしておりまして、父親が 浄土真宗の住職だったんですね。

くま:へえ。

清水先生:そんな家庭だったんですけれども、ただ父親は一緒に暮らしていたわけではなくて、石川県で単身赴任をして過ごしていたという事情があって、どちらかというと母親がいてあと兄弟、弟がいてという家族の暮らしをして過ごしていました。その頃母親が教員だったという影響はもちろんあったということなんですけど。後はその中では、実は私今は数学の先生をしてますけれど、普通の、都立の高校に受験して入って。入ったんですが、やっぱりその学校も結構勉強を頑張っていく学校で、最初の成績は本当に最下位だったんです。

くま:えっ、そうなんですか?

清水先生:最下位で。その当時最下位なんか取ったことはなかったし、取るとやっぱりショックで。どうしたらいいんだろうっていうことでいろいろ考えて、 それで高校2年生ぐらいからですかね、それまではいろいろとバンド活動してみたり(笑)クラブもいろいろやったんですけれども、そんなことやりながら最終的にいろいろ何がいいかなと探しながらやっていた時に、その当時で言うと予備校とかもいろいろあったんですが、河合塾に通うことにして、その時の授業で出会った数学の先生が何人かいらっしゃって、その時に初めて何か少しおもしろいなとか分かったなというようなことを感じることができて。それで少しずつ数学の、成績的にはすごいできるようになってきて。そしてあと大学受験どうするかっていう時に、数学と化学が好きだったんですよ。特に高校時代はどちらかというと化学がやっぱり好きで、先生に自分で実験書書いて、これ作らせて下さいということをやって。

くま:えっ、すごく積極的な!

清水先生:それは高校3年生の時なんですけど、いろいろなものがわかってきたこと 、で化学に進むか数学に進むかっていうのをその当時少し考えて、いろいろ考えたんですけど、やっぱり自分が好きなのは数学なのかなっていう風に思えて。受験する時に数学科を中心に受験して早稲田大学に一応進学することになるんですが。そうするとまず大学をどうしようかなと決めるところで、まず数学を選んだってところが1つあります。

先生になるきっかけは教育実習先の合唱祭

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清水先生:数学であれば研究者もあるだろうし、普通に企業に勤めてコンピューター的な仕事ももちろんあるんですけれども、それでじゃあどうして最終的には教員の方に進んでいったかというと、2つあると思っていて、1つは大学時代に河合塾のチューターというのをずっと3年間ぐらいやったのかな。
やって実際受験生と少しサポートするようなアルバイト もしました。
でその中でいろんな生徒がいて、または大学生のスタッフもいるわけですけれども、そういう中で勉強をサポートしていくところも良さ、こういうのがいいなーって思えたというのが1つありますね。
それともう1つは大学4年だと思うんですけど、教育実習に行くじゃないですか。

くま:教員免許を取る

清水先生:教員免許を取る、教員免許はずっと準備をしていて、その教育実習で都立の学校に行ったわけなんですけれども、その時にもちろん数学をしたりとか生徒と一緒に活動したりするんですが その当時行った学校が共学の学校で、ちょうど時期的に合唱祭があって、数学の授業以外にもその合唱祭の指導というかそういう事をやっていて、別に何をしたってわけではないですけれども、その中で生徒と一緒に活動してる時にすごくいい感じだったんですよね。

くま:ああ。

清水先生:それで合唱コンクールもどこかの大きいホールでやったんですけど、そこに見に行った時にそのクラスが賞を取って「清水先生ありがとうございました」って言ってて、ああいいなと思って。

くま:そこでちょっとね。

清水先生:そして今どうしてこんなところに来てるかっていう時にいい関係が作れたっていうのは自分にとってよかったかなっていうのがありますね。
あと変な話、城北中高に勤めて20年ぐらいになるんですけれども、勤めて今までやってこれたっていうのもやっぱりその生徒であり、あとは周りの教職員というかスタッフの環境なのかなっていうのもあって。
例えば何かこういうことやっていこうとする時にそれやってみたらいいんじゃないっていうような雰囲気というか土壌というか、そういうものが今の職場にあったのかなっていうふうに思っていて。
あとそういう雰囲気が生徒にもあったのかなって思っていて。その中で私は数学もそうだし Twitter の紹介もして頂いてますけれども、そういったことでもしかしたら学校によってはそういうのがダメとかそういうこともあったりするので。

くま:そうですね

清水先生:ある程度少し認められていて、その中でそういったことが還元されていて、その中でやってこれた。その中である程度自分がやっていくってことを少し頑張ってねと後押ししてもらったっていうのが今までやってきた大きな理由なのかなと思っています。

清水先生:確かにきっかけというのは難しいんですけども、転機はそういうところであって、転機だけでなくてそれがいろんな所で継続的に環境であるとかそういったものに支えられてきてるのかなと思います。

くま:でもやっぱりいい喜びを知ったってことですね、教育実習で。

清水先生:今回お話を頂いて振り返った時には、やっぱりその部分が大きくて、会社なんかでも入る前に1回会社に参加して少し業務体験して、その後実際どうするかみたいな話はあってますけど、学校のシステムは教育実習があるので、そこがうまく教師を目指してる人が良い体験ができるとそれに繋がるような気がしていて。そこで逆に言うとちょっと大変だなって思ってしまうと、なかなかその後にね就職まで繋がっていかないので、その部分はあるんじゃないかと思いますよ。

くま:そうですね

清水先生:あとやっぱり子供達もそうですけど、そういう中で教えるとかって言うんではなくて、今言ったように人間関係ですね。
普通だったら社会だと大人だけで環境を作っていくことが多いんだけど、子供と信頼関係を作っていくことができる喜びっていうのは、やっぱり教員とかそういった(仕事)ならではかと思っています。通常お子さんとかねそこの小さい世界だけなんですけど、そうではなくてっていうところで出来るのは大きな魅力だと思いますね。

先生と生徒、お互いが学び考える好循環 清水先生が考えるこれからの先生のあり方

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くま:ずっと先生をやられてて、子どもたちとの関係性、喜びを日々感じている先生だと思うんですけど、未来の先生っていうかこれからの先生ってあり方も変わっていくとよく言われるんですけど、先生の中ではどうあるべきとかありますか。

清水先生:そうですね、実は私数学なんですけれども、ラジオだと映像が伝わりづらいかもしれないんですが、例えば黒板があってレクチャー形式とか呼んでるんですけれども、こう書いてノート取ったっていうような授業をずっとやってきた経緯があります。でやってきたんですけれども今回いろんな ICT とかいろんな機器があって、あとアクティブラーニングみたいな言葉もそうですし、体制とかいろんなキーワードが出てきた時に、今後どういう風な授業、学びのあり方がどうなっていくかっていうことが問われていくと思います。それと合わせる形で教員の役割ですね、先生方もどういう役割がいいのかっていうのが、例えば一番よく話されてるのはコーチング、生徒をコーチしていくという形のものとか、マネジメントしていくかとか、どちらかと言うと鼓舞する役割、いろいろ言われていますけれど、私自身どうなのかなと考えた時にあまりピンと来てなかったのも実はありまして、自分が先生としてどういう形がいいかなっていうのを少し考えた時に、こんなキーワード思考、学びの中に入っていくというイメージで、簡単に言うと生徒も学んでいくけれども先生も学んでいくというような形で、そういう教えるという立場じゃなくて、学んでそれを生徒たちに伝えていくというようなことをしていくことがいいんじゃないか、またはそれが自分にとっては役割なんじゃないかっていう風に考えました。

清水先生:これってどういうことなのかっていうと例えば普通、高校で教える数学なんかで言うと、以前はですね、大学や大学院でやってる数学の方が高級で、中学高校っていうのはそんなに大したことないんじゃないかなっていうイメージはあったんですけど、城北で勤めて先輩達といろいろ話していく中で、そうではなくてそういった分野の中でも新たな発見があるし、今まで知らなかったことがたくさんあるって事が実は分かって、例えば自分がまた新しい発見があった時に伝えていくと、生徒もそれによってこういうことができるんだっていうことが少し感じられるんじゃないかって思ったんですね。
それでそういう風に思って、先ほどの Twitter のツイートもありましたけど、例えば生徒がテストで丸つけするわけなんですけれども、見たことのないような回答があったわけですよ。
それを生徒にちょっと聞いて、Twitterで聞いてみたいんでって私が言ってやってみるともう結構大きな反応になってしまって、よく言うバズっていくっていうんですかね、5000ツイートくらいになってしまって。

くま:すごいですね(笑)5000ツイート。

清水先生:数学って結構ニッチでそんなに行くことがまずないんですけど(笑)

くま:そうですよね、まずそれが分からない人も多いですからね。

清水先生:そうですよね、ないんで、でもそういうこともあって、反響があったよって言ったら生徒も「そうなんですね」って。

くま:見たことないものっていうのはおもしろい回答とかそういうものなんですか。

清水先生:例えば、この問題ではこういう回答はしないだろうっていう感じなんですね。

くま:ああ、そういうものなんですね

清水先生:逆にその時はそれでできるって思ったんですよね、僕が大丈夫なのかなと思ってバツにしようとした解答だったんだけど、ちょっといろいろ考えてみて「これいいんじゃない、でもあんまり考えたことないなー」ってなって、じゃあもっといろんな数学に携わってる人に投げていこうって感じになって。

くま:ああ、そういうことですね

清水先生:そしたら、もちろん数学やっている人たちの反応があって、「あーそうだね、こうでこういうものを使ったんだね」って話も出たりしたし、それが広がるにつれてちょっと何かお祭り的な、いろんな大学生とか高校生もいるのかもしれませんけど、「あーすごいね」みたいになったりして、こういう風に広がるんだと思って

くま:面白いですね、それね。

清水先生:やっぱり我々もいろいろ考えてることを、例えば学習してこれどうかなって先生に聞いたりとか友達に聞いたりとかするのと同じような感覚で、投げて反応をもらうっていうようなことがあっていいし、それが学ぶモチベーションになるだろうっていうこともあって、そういう事があるんだということで、それを生徒だけではなく私自身の中で思ったこと、これはどうなのかなって思ったことを投げることをしてます。
でそこでやっぱり「これ違いますよ」って言われることもあるんですけど、それでも理解も深まるし、この人はこういう風に思ってるんだって思えるし、ということは広がりもあるので、そういったところで新しく学ぶことも多いので、やはり今後の生徒の学び方や我々の、特に僕自身考える上ではそういった僕自身が知った発見であるとか生徒の意見を受けての発見もそうだし、それをいろんなところに広く投げて、また還元していくといったことをしていけるといいかないかと思っています
でやっぱそもそものところで私達変な話ですけど数学の先生が数学は難しいぞって教えてたら生徒は当然構えちゃうわけで、できるだけおもしろさと言うか、自分が見て先生も知らなかったしおもしろいと思ったことを伝えるだけでも違うので。

くま:そうか。

清水先生:そういうことをしていきたい。
それだけじゃなくて生徒からやっぱりヒントと言うか問題提起をもらうことは非常に多いです。
だから学生って頭が柔軟なのかいろんな発想をしてくるので、その中でこちらがハッとさせられるって言うよりも、話してるうちに今まで考えてきたことはどうなんだろうって考えることが非常に多くなってきて、それがやっぱりお互いがいろいろ学んでいく、考えていくことの好循環になる。生徒はそこまで望んでないかもしれないですけど、それでもそういうことが起こっているっていうのは少し僕がいろいろ訴求活動をしていく中でイメージして進めているところではあります。

くま:先生が思考停止じゃないっていうことですよね。
常に、要はこれ自分が知らないことだからバツだとかそういうことじゃなくて、あれ、これってこういう考えもありなのかなって考えたりとか。
あと今話を聞いていて思ったのが、先生は自分は全部知ってるぞじゃなくて、自分も知らない事があったりとか、教えてもらうみたいなそういう姿勢があるって事ですよね。

清水先生:そうですね、それもそうだし、やっぱりそういった意味でも生徒からはいろんなヒントだけじゃなくていろんなことを知っている場合がもちろんあるので お互いに学んでいくスタンスがあって、たとえばいわゆるプログラミング的なもので話をすると、これは例えば先生が、僕もそんなに教えられるってことでもないんですけども興味があるし、だけど生徒の方が知ってる場合はもちろんがあるだろうしそういう時は聞いたりするし。うちの学校で言うと iPad もいろいろあってそういう環境があってGoogleのクラウドサービスを使ってるんですけど、その中で例えば生徒にいろんなアンケートを取って集計するんですが、その時に名前順に並べるとかそういう事でうまくいかない時には生徒に聞いてみたりして「これどうしたらうまくトリガー使ったらいいのかなあ」なんて話をして、そうすると生徒は「うん、こういうタイミングでやればいいんじゃないですか」なんていろいろ返してくれるので、だから何て言うか数学じゃないかもしれないけど、ちょっとしたいろんな事でお互いに聞いたりもできるし、だからそうやってもちろんこちらから話をすることが多いかもしないけれどもそれだけでは全くないし、後は例えば ICT という側面でいうと友達と生徒の関係ではあるんだけれども、わからなかった時にそれをコーディングとかプログラムの力を借りて解決したり答えにたどり着こうとしたりすることができるっていうのが新しくて、今までだったら例えばペーパーテストで中でやる範疇の問題しか大体取り上げることは難しいんだけど、その枠が外れかかっていて、調べることはそういったことでもできるようになってきてるので、関心があることはそういったアプローチができるようになってるなというのが大きいし、そのことはよく伝えます。だから生徒が投げてきた時に「これ数が大きくなるとどうなるのかな、ちょっとコーディングしてやってみるよ」、返して「こんな感じになったよ」みたいな話をすることも。

くま:おもしろそうですね

清水先生:もちろんうちの学校は受験があってそれをしにやってくるんだけど、ただその時々でこういった問題を取り上げる時にそういう話になることがある。そういうことはあまり時間がないけどその時にも話したり個別に行ったりとかもするので、そういうことをしてますね

くま:生徒の皆さん達もいろんな学びが楽しそうですよね、勉強だけじゃなくてちょっと幅が広がる感じなんですね。

清水先生:これ多分いろいろあると思うんですけど、何のために学ぶのか、僕自身も特に数学、何のために学ぶのか。

くま:次のあれで聞きましょう。そこ私も本当に多分みんなが思ってることなんでぜひ聞きましょう。ありがとうございます。これからの先生はどうあるべきみたいな話をちょっと聞いたんですけれども、是非今も現役で先生やられてる方もそうだし、新しい一年目ぐらいの先生もいらっしゃるしこれから先生になる方もいるし、保護者も気になってるんですよね、先生ってどういう風になっていくのかなみたいな、なので清水先生のお考えをお聞きしたところでした。じゃあまた次回もお聞きしたいと思います。

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