2019年10月29日

「こどもの権利といじめのことお話会」イベントレポート

 10月28日、東京都町田市で開かれた「いじめ」について「子どもの権利条約」になぞって対話するワークショップ「こどもの権利といじめのことお話会」のゲストスピーカーとして代表のくまゆうこが登壇致しました。

対話型ワークショップ「寺子屋こそあど」の第1回として地域の方のコニュニティースペースとなっているコワーキングスペース「cosoadot」での開催です。

 

当日は、「子どもの権利」について興味のある子どもを持つ親や学校の職員、行政関係者、区議の方、地域の方などが集まり代表と意見を交わしました。

場所がコワーキングスペースということもあり、「こども食堂」が同時開催されたことで子どもたちの笑い声が聞こえる中でのスタートとなりました。

「この会は子どもの権利条約が国連で採択されて30周年の節目を迎えるにあたり改めて権利とはなにかについて話し合うという趣旨である」と説明した後、

参加者の自己紹介。アットホームな雰囲気ではじまった会で、参加者は自身のバックグラウンドを共有し、それぞれの「子どもの権利」にまつわる話がなされました。

幼少期から父親の虐待を経験し、父親が死去してからはうつ病になってしまったという参加者が話をしているときは会場中が真剣な雰囲気に包まれました。

虐待についてテーマが及ぶと弊社代表くまは「虐待にもカテゴリーがあり、最近は教育虐待も多く行われている。親の価値観と子どもの価値観が異なることを認知しないまま過度な教育を

行うと虐待になりえる。」と指摘しました。会場からは共感の声があがり、参加者の方から体験や自分の身近で起きている同様の事例について話されました。

さらに「重要なのは子どもの自己肯定感であり、まずは権利とは何かについて知ることから始まる」と指摘する宮本さん。

それについて参加者からは「現状では、大人同士さえも相手の権利を尊重できていないのでまずは、大人が他者の権利を守る心掛けをする必要がある」と意見が出るなど誰でも臆せず発信できる空間でした。

参加者より「学校現場で発達障害を認めない保護者が課題になっている」と意見があると、弊社代表のくまより発達障害にまつわるエピソードを話しました。


また、先生との相性によりお子さんが学校に行けなくなった保護者の話は会場の中に再度、共感の声が広がりました。

 

子ども110番に電話をしても繋がらない現実

議論は必要な人に補助金などの制度が行き届いていないということ、困ったときに頼りにする子ども110番などのホットラインを利用したとしてもいざという時に使えなかったこと、スクールカウンセラーなどは毎日いるわけでなく本当に必要なときに機能しないなど多岐に渡りました。

さらに、近所にいる子どもの問題について参加者から話があった際には、行政関係者が窓口を紹介するなど参加者が相互的に意見や知恵を出し合いアドバイスをする場面があり、皆さんひとりひとりが当事者意識をもち対話に参加していたのが印象的でした。

「このような話題を共有できる場所があって嬉しい」「普段人に話せないことを話すことができた」という参加者の声もあり、地域に根付くコワーキングスペースだからこそ、それぞれの生きた声を聞くことが出来きるリアリティを感じる事ができる会でした。


子どもの権利を守るためには、まず地域社会が健全に機能すること。


それに関わる私たちがそれぞれが地域で子どもを育てていくという自覚をもち相互的に支え合っていきたいと思いました。

会終了後は、皆さんと個別にお話をさせて頂きました。参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

 

「こどもの権利といじめのことお話会」

ーーーーー〇●概要●〇--------

子どもの権利条約って知ってますか?子どもを一人の人として尊重すること、
子どもたちを取り巻く社会のいじめのこと、社会が子どもを見守るために大切な視点などなど、
学校から離れ、みんなで考えるお話会です。

 

寺子屋こそあどvol.1
「こどもの権利といじめのお話会」
10月28日(月)
こども食堂(玄米おにぎりとお味噌汁提供):17:00~
お話会:18:30~

◆参加費:おとな 500円 / こども 100円

・ゲスト:
くま ゆうこ/株式会社マモル 代表取締役

大学を卒業後、大手音響機器メーカーにてクラリオン株式会社にてコンテンツ企画、マーケティングを行う傍ら、2007年東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム4期生に所属。その後、株式会社ディー・エヌ・エーにてモバイルコンテンツ企画、プロモーションなどに従事。ITベンチャー企業執行役員を経て、2013年事業開発ディレクターとして独立。ワーキングマザー向けメディア立ち上げ等に関わり、多くの保護者が悩む「いじめ」という課題解決を目指し2018年株式会社マモルを設立。いじめを未然に防ぐシステム「マモル」の開発、いじめ関連のセミナー登壇、執筆等に取り組む。

宮本 聡/子どもの権利を学ぶ会 主催

「世界の子どもたちを児童労働から守る」認定NPO法人ACE 理事の他、複数の非営利団体の役員を務めながら、不動産会社での不動産コンサルティングや海外不動産の販売と、中小企業やNPOの経営支援を行うコンサルタントを兼業。今年が「子どもの権利条約採択30年」の節目の年であることから、「子どもの権利を学ぶ会」を主催し、不定期で勉強会を開催している。

 

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