♯1 【現役教師に聞く】令和に求められるニュータイプ教師 ゲスト深見太一先生
stand.fmで配信中「くまゆうこの教育子育て相談室」
https://stand.fm/embed/episodes/600d10675a475901f3cf9d89 stand.fm
ITでいじめのサインを見逃さない 株式会社マモル代表 くまゆうこが日々の事業の活動から寄せられた相談や見えてきたこと、聞いてきたことをゲストの方と一緒に考える番組です。
第1回は、Twitterのフォロワー数8000人超(@trown18)、瀬戸SOLAN小学校教員で「対話でみんながまとまる!たいち先生のクラス会議」の著者 深見太一先生をお招きして、先生になった経緯や教師1年目の苦悩、未来の先生はどうあるべきかについてお聞きしました。
※本記事は、2021年1月27日にstand.fmで配信を開始した番組を書き起こしたものです。
たいち先生のTwitterフォロワー8000人!
くま:先生、いつもTwitterでいろいろと発言されていますね。すごいですよね、教員でTwitterフォロワー8000人って。
たいち先生:そうですね、ここ1年くらいなんですけどね、、Twtterがんばってるのは。上には上がいるんであんまり数は気にしなくていいと思っていますけど、ありがたいことですね。
くま:発信するって大事ですね。先生って呼んだことないですが今日はたいち先生って言いましょうね(笑)
たいち先生:呼びやすい方で好きに呼んでください(笑)
新しい教育って一言で言われるけど「それって何なの?」
くま:いろいろ聞きたいことがあるんですけど、第一回目は未来の先生ってどうあるべきか?ということを話したいなと思っています。
株式会社マモルのホームページに
「新しい教育を実践している先生を応援しています#チェンジメーカー」
というページを作っていまして、たいち先生ももちろん掲載させていただいていますが、先生の中には新しいことに取り組んでいる方がたくさんいて、こういう方が教育を変えていくんじゃないかなと思っているんです。
くま:そもそも今学校にパソコンが入って来たり、コロナになって学校の在り方が問われたり、日本の教育が問われたりといろいろある中で、昭和の時代の先生と今の先生って変わらなきゃいけないんじゃないかなと思うんです。
先日、文部科学省の「教師を再びあこがれの職業にしよう」というニュースも出ていましたけど、失礼ながら今は先生はあこがれの職業ではないということですよね。
たいち先生:そうですね、教師受難の時代だと思います。
くま:昔は先生って呼ばれるだけあって、尊敬していてみんながなりたい職業だったという話を私のおじいちゃんおばあちゃん世代からよく聞いていたんですけど、今は先生は大変だとか、うつで辞める先生も多いという話もあって、先生自体変わっていかなきゃいけないと思っていて、そういうところもお聞きしたいと思っています。
教員1年目の苦悩
くま:そもそもたいち先生はなぜ先生になったんですか?
たいち先生:サラッと話すと、高校生の時に教育大学に行きたいと思ったんですけど、遊びすぎて、当時の担任に「お前は無理だ」って言われてあきらめちゃったんです(笑)
大学に行って就活をしてサラリーマンを3年間やったんですけど、「なんかこれって俺が一生やる仕事じゃないな」と肌で感じていて。
そんな時に僕の妹が高校の教師をやっていて、通信制で国語の免許を取り直すと聞いたんです。その時僕はまだ教員免許を持っていなかったので、調べていったら小学校の教員免許が取れると分かって、「じゃあやってみようかな」と。
それから子供にとって一生の1ページ、1mmでも成長にかかわれたらうれしいなと思って始めました。
くま:先生になりたいなと思っていたけれど、最初は先生ではなく普通の会社で働いていたんですか?
たいち先生:会社員で金融系のUFJリースという会社で営業をしていました。
くま:この仕事で先生とかかわると、実は最初は別の会社で働いていたという方にたまにお会いするんですけど、そういう方ってパワーがすごいなって思うんですよね。それは社会人を経験しているからというのもあるんですか?
たいち先生:最初は「サラリーマン上がりの先生だぜ」って意気揚々と入ってきたんです。でも1年目2年目は全く通用しなくて、鼻をへし折られたという感じかも知れないです。にっちもさっちもいかんって感じでした。
くま:普通の会社で働いていた時になんか違うなって思ったのは、昔からの夢があきらめられなかったということなんでしょうね。
たいち先生:そうですね、あとはそこで働いて出世していく人たちを見て、ここにいたらきっとああなっていくんだよなっていうのが見えて、自分はなりたくないなって思っちゃったんですよね。
くま:でも最初は憧れの先生になって鼻をへし折られまくるっていう感じだったんですね。
たいち先生:全然うまくいかなかったですね。
くま:そこで気づきというか、自分が変わったなと思ったのは?
たいち先生:僕が勘違いしていた。先生になれば子供たちが普通に話を聞いてくれて、授業もそこそこできるでしょと思っていたんだけど、まあ全く何の学びもしていないし、ただ先生になっただけなので、そりゃ子どもたちも話を聞かないわっていうことで、そこからいろいろ外に学びに出たり、つながりを求めたりっていうことが始まったのかな。
くま:先生も最初は苦労したってことですね。
たいち先生:本当になめられまくってました。保護者からも「大丈夫ですか?」という声が結構来ていました。
一番初めの教え子がこの4月に教員になったので話をしたんですけど、「めちゃくちゃだったよね」って言われて。「やっぱり…ごめんね」って感じでした。
くま:それは今1年目で悩んでいるむちゃくちゃな先生にとっては勇気の湧く言葉ですね。
たいち先生:今はそういう人たちに向けていろいろと伝えていきたいなっていう気持ちです。
くま:そこで学びを求めたり、自分でいろいろ勉強したりできるかどうかっていうのは大きいですよね。
たいち先生:一回折れるというのは大事かもしれないですよね。「俺できないんだな」っていう気持ちに苛まれると学びに行こうという思いが出てくるのかなと思います。
くま:人は本当に困らないと学ばないですよね。
たいち先生:その通りです。
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これからの先生ってどうあるべき?
くま:最初は悩み、今は新しい手法や独自のスタイルでやられているたいち先生です。
漠然としていますが、これからの先生ってどうあるべきなんですかという質問にどうお答えしますか。
たいち先生:僕が一番思うのは、今までの小学校の先生は全てできなくちゃいけない何でも屋さん過ぎた。これからは自分はこれに特化しているという1個専門的なものを尖らせていくみたいな。
国語、算数、理科、社会、音楽、体育…全部できます!ではなく、自分は体育に特化した先生ですよという方が強みを生かせるのでは?
勉強をオールマイティそつなくこなすっていうのは結構辛いんですよね。結局そつなくこなすっていうのはそつなくおもしろくないということになっちゃうんで。
くま:全部平均的ってことですよね。
たいち先生:先生も何か専門性を持って、例えば「プログラミングがめちゃくちゃできる先生なんです」と言って教えていく。ある意味、中学校のようなイメージでやっていた方が子供にとっても興味深い授業ができるんじゃないかなというのがまずひとつ。
それから副業解禁もよく言われていますよね。
自分が私立に行ったのでいろいろとやらせてもらっていて、高校生に向けてキャリア教育の講演をさせてもらう時、その内容を話そうと思っていろいろ学ぶわけですよね。そういう機会って本業にもまた生きてくる。
自分の学校に戻った時に生きてくるとすごくいいなって思って、もう1個自分の強みを生かせる副業というか、別のことでも活躍できる場があるといいなって思っています。
くま:先生は寝る暇もなく忙しいんだってよく聞きますけど、やり方によっては副業が出来ちゃうわけですね。
たいち先生:と思いますし、全部ひとりでやろうと思ったらパンクしちゃうので、さっきみたいに専門の教科を2つ3つぐらいにしておけば、例えば成績のつけ方も楽になる。
そういう風に分業制にしていけば、もうちょっとゆとりが生まれるんじゃないのかなっていう気はしますけどね。
くま:小学校も中学校みたいな感じになるのがベストっていうことですよね。
たいち先生:そうですね、ちょっとずつシフトしていけるといいなと思います。
くま:小学校の先生って全教科だけでなく教える以外のことがいっぱいありますよね、何でも屋さんでしょ(笑)
たいち先生:そうそう、そうなんですよね(笑)
逆に言うと学級担任プラス他にも2教科ぐらい教えて。そういう意味では人手不足ですよね。
くま:変わりつつあるよねって話だったけど、何をすればすぐ変われるんですか?
たいち先生:制度が変わるのはだいぶ時間がかかると思う。
先生のマインドかなと思っていて、くまさんも仲がいい庄子さんや大阪の松山さんはやりながら大学院に行って、別に本業をサボっているわけじゃない。
本を書いたり論文を書いたりするのもやっぱりできなくはないと思うんですよね。
だから自分の強みを持って、あとはここはガッと行くけど、ここはサッパリいこうみたいな軽重をつけるってところだと思いますね。
くま:メリハリですね。
たいち先生:専門性を持って、それが本当のメリハリだと思います。そうでないと寝る間も惜しんでということになっていくのかな。
くま:何でもできないといけないと思っているから全部100%でがんばろうとして疲れちゃう。
最初からそう思わずに、ここは自分が得意だから力を入れて、ここはちょっと苦手だからみたいな感じを先生も意識していかないと。
会社だったらまさにその考えなんですよね。社長業もそうですけど全部はできないから。皆さん多分そう思っているけど、先生もまずは自分の強みを見つけなきゃいけないってことですね。
たいち先生:そうですね、自分の中で勝手に専門性を作っちゃうのもいいと思う。システムが変わらなければ自分の中でやっていくのも大事かなと思います。
くま:(株)マモルのホームページで紹介させていただいている先生たちって色々な強みを出してますよね。例えばYoutuberだとか。
たいち先生:知ってる顔がいっぱいいる。シンガポールからとか、オンラインサロンをやっている人もいればバケモンみたいな人ばっかり(笑)
くま:やっぱり「先生×〇〇」みたいなことをやっていますよね。
たいち先生:それがあることで本業もまた生き生きとできる気がします。
くま:当然子どもたちも同じ考えで、何でも平均的にできるというのも大事だけれど、それ以外にやっぱり自分は何が得意かを伸ばせるような教育がいいですね。
たいち先生:間違いないですね。
くま:私が小学校の頃って全部平均的にできる子が良かった。私、家庭科が全然できなくて成績が悪かった。通知表の点数って国語の5も家庭科の5も同じですよね。だから家庭科が低くて最後合計の平均点が低くなっちゃって、すごく悩みましたね(笑)
たいち先生:僕もめちゃくちゃ音痴なんですよ。でもめっちゃ歌うから子どもたちに「先生めちゃ音外れてるんですけど」って突っ込まれる。
くま:不得意とか恥ずかしいとか関係なく、歌いたいから歌う?
たいち先生:逆に不得意なものを見せていくっていうのは子どもにとっては勇気づけられるのかな。「先生音程分からないんだよ」って。
くま:先生が言ったら子どもたちも安心するのかな。
たいち先生:本当に音程が分からないんですけどね(笑)
くま:ありがとうございます。先生の意識次第で変わるっていう話だったので、今日から意識すると変わってくるかなということですね。
くま:今回はたいち先生に何で先生になったか、未来の先生はどうあるべきかをテーマに聞かせていただきました。また次回も来ていただきます。
たいち先生の著書はこちらから
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