2026年7月28日

位置情報は「現在地」だけではない 便利さの裏側にあるプライバシーと情報リテラシー

【情報リテラシーコラム Vol.6】

こんにちは。株式会社マモル代表のくまゆうこです。

これまで2回にわたり、位置情報共有アプリについてお話ししてきました。

第1回では、位置情報共有アプリが若い世代を中心に広がっている背景や、その便利さについてご紹介しました。

第2回では、「友達だから安心」という気持ちから始まる位置情報共有が、人間関係にどのような影響を与える可能性があるのかについて考えました。

今回は少し視点を変え、「位置情報そのものが持つ情報の価値」について考えてみたいと思います。

位置情報は、「今どこにいるか」を示すだけの情報ではありません。

日々の積み重ねによって、その人の暮らしや行動パターンまで見えてくることがあります。

位置情報は「点」ではなく「線」で見る

位置情報というと、多くの人は「現在地」を思い浮かべます。

しかし、情報リテラシーの観点で重要なのは、一つの位置情報ではなく、複数の位置情報が積み重なったときです。

例えば、

平日の朝は同じ駅から移動している。

午後は学校や職場付近にいる。

夕方はスポーツクラブや学習塾へ向かう。

休日は決まったショッピングモールによく行く。

一つひとつは何気ない情報です。

しかし、それが毎日積み重なると、その人の生活リズムや行動範囲、おおよその生活スタイルまで見えてきます。

情報リテラシーでは、このように**「点」が集まって「線」になり、その人の生活が見えてくる**ことを理解することが大切です。

「位置情報=住所」ではありません

「住所を書いていないから大丈夫。」

そう考える方もいらっしゃいます。

もちろん、住所を公開しないことは大切です。

しかし、位置情報が持つ情報は住所だけではありません。

例えば、

  • よく利用する駅
  • 通学・通勤のルート
  • 習い事やアルバイト先の周辺
  • 行きつけのお店
  • 帰宅する時間帯

こうした情報は、位置情報の積み重ねから見えてくることがあります。

つまり、位置情報とは「現在地」ではなく、「生活そのもの」を映し出す情報でもあるのです。

だからこそ、位置情報は個人情報の一つとして慎重に扱う必要があります。

「便利だからオン」のままになっていませんか

位置情報共有アプリは、一度設定すると、そのまま使い続けることも少なくありません。

「設定したことを忘れていた。」

「誰と共有しているか確認していなかった。」

講演会でも、こうした声を耳にすることがあります。

利用すること自体が問題なのではありません。

大切なのは、「今も共有する必要があるのか」を定期的に見直すことです。

例えば、

  • 卒業や進学で人間関係が変わった。
  • 転職や異動があった。
  • アプリを使わなくなった。

そんなタイミングで、共有相手や設定を確認する習慣を持つだけでも、情報を適切に管理しやすくなります。

家族の見守りでも話し合いが大切

位置情報共有は、家族の見守りにも活用されています。

小学生の登下校を確認したり、高齢の家族の外出を見守ったりする場面では、大きな安心につながることがあります。

一方で、「見守ること」が目的だったはずなのに、いつの間にか「常に行動を把握すること」が目的になってしまうと、お互いに負担を感じることもあります。

家族だからこそ、

「どんなときに共有するのか。」

「何のために利用するのか。」

「必要がなくなったら設定を見直そう。」

そんな会話をしておくことが大切です。

便利な機能ほど、目的を共有することが安心につながります。

「情報を管理する力」がこれからの情報リテラシー

これからも、位置情報を活用したサービスは増えていくでしょう。

地図アプリだけでなく、防犯サービス、災害時の安否確認、見守りサービスなど、位置情報は私たちの生活を支える重要な技術になっています。

だからこそ、「位置情報は危険だから使わない」という考え方ではなく、「どのような情報を共有しているのかを理解し、自分で管理する」という姿勢が重要になります。

情報リテラシーとは、新しいサービスを避けることではありません。

便利さとプライバシーのバランスを考えながら、自分で選択できる力を身につけることです。

その力は、位置情報共有アプリだけでなく、これから登場する新しいデジタルサービスにも必ず役立つはずです。

今日のリテラシーポイント

「位置情報は『現在地』ではなく、『生活の積み重ね』を表す情報です。」

設定したままにせず、「誰と」「何のために」共有しているのかを、定期的に見直す習慣を持ちましょう。

株式会社マモルでは情報リテラシー講演を実施しています

株式会社マモルでは、小学校・中学校・高校・大学、PTA、自治体、企業を対象に、情報リテラシーやSNS・デジタルサービスの安全な活用に関する講演・研修を実施しています。

位置情報共有アプリやSNSは、私たちの暮らしを便利にする一方で、個人情報やプライバシーとの向き合い方を改めて考えさせてくれるツールでもあります。

講演では、最新のデジタルサービスを題材に、「利用を禁止する」のではなく、「安全に使いこなすための考え方」を、実例を交えながら分かりやすくお伝えしています。

講演や研修をご検討の際は、ぜひお気軽に株式会社マモルまでお問い合わせください。

次回予告

位置情報共有アプリの便利さやプライバシーについて考えてきましたが、本当に注意したいのは「情報が共有された後」です。

位置情報や日常の行動パターンが第三者に知られることで、思わぬトラブルや犯罪につながるケースもあります。

最終回は、「本当に怖いのは位置情報ではなく、その先にある二次被害 家庭・学校・企業で身につけたい情報リテラシー」をテーマに、情報漏えいのその先にあるリスクと、私たちが身につけるべき「情報を守る習慣」について考えます。

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